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ボッシュ、Microsoft社と提携:より安全な道路の実現に向け、生成AIで新境地を開拓

2024年2月28日

  

ボッシュ、Microsoft社と提携:より安全な道路の実現に向け、生成AIで新境地を開拓
Bosch Connected World 2024

  

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・シュテファン・ハルトゥング: 「ボッシュは、自動車に新次元のAIアプリケーションを活用しようとしています」

・目的:車両内の利便性を向上させ、すべての道路利用者の安全性を高めるために、生成AIの活用を研究

・タニア・リュッカート:「生成AIは技術革新を促進します。コンピューターの発明と同様に、産業を一変させる可能性があります」

・Bosch Tech Compass調査: 回答者の大多数が、AIが道路の安全性向上に役立つと期待

シュトゥットガルト(ドイツ)– 道路にボールが転がると、その直後には車の往来も気にせずに、子供が猛スピードで追いかけてくる可能性があります。これは、ドライバーならば誰しも避けたいシナリオです。人間のドライバーなら状況に応じた知識を用いてこの状況を判断できますが、現在の運転支援システムや自動運転システムではさらなる学習が必要です。ボッシュは、自動運転機能のさらなる向上に向けて、生成AIの活用を推進しています。 その一環として、ボッシュはMicrosoft社と協業し、生成AIを活用する機会を探求しています。ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長のシュテファン・ハルトゥングは、ベルリンで開催されたボッシュの産業カンファレンス「Bosch Connected World (BCW)」にて次のように述べました。「ボッシュは、自動車に新次元のAIアプリケーションを活用しようとしています」。生成AIによって車両が状況を判断し、それに応じた反応ができるようになることで、道路利用者の安全がさらに高まることが期待されています。テクノロジーとAIをテーマとしたボッシュの世界的調査であるBosch Tech Compassでも、回答者の60%が道路の安全性向上を望んでいることが明らかとなりました。

道路交通をより安全にする生成AI
ボッシュとMicrosoft社は、協業により自動運転機能の性能を次のレベルに引き上げられると期待しています。両社は、生成AIにより車内の利便性を向上し、すべての道路利用者に高い安全を提供することを望んでいます。これを実現するためには、ボッシュの車両に関する包括的な理解と、自動車固有のAIの専門知識、さらに生成AIに提供するための車両センサーデータへのアクセスも重要になります。Microsoft 社のCVP 兼ディスティングイッシュド・アーキテクトのUli Homann氏は、「より安全な道路に対するゆるぎないコミットメントのもと、当社は生成AIの領域を開拓するために、ボッシュとの協業の機会を探求したいと考えています」と述べています。

今日でさえ、自動運転のトレーニングシステムとなると、AIはすぐに限界に達します。現在の運転支援システムでは、人、動物、物体、車両を検出できますが、近い将来、生成AIは事故につながる可能性があるかどうかの判断にも役立つと言われています。たとえば、前方の路上にある物体がプラスチックの袋なのか、それとも破損した車両部品なのかを推測するなど、生成AIは膨大な量のデータを利用して自動運転向けのシステムに学習させ、そのデータからより良い結論を導き出すことが可能です。この情報を警告表示などでドライバーへ直接伝えたり、ハザードランプを点灯させながらブレーキをかけたりするなど、適切な運転操作の実行に活用できます。

ボッシュとMicrosoft社は、すでに自動車とクラウドをシームレスに接続するためのユニバーサルソフトウェア プラットフォームの開発で提携しており、お客様と自律走行車業界に最先端のAI技術をもたらす新たな機会を特定すべく、協力することを待望しています。

技術革新を促進する生成AI
ロバート・ボッシュGmbHの取締役会メンバー兼チーフデジタルオフィサーのタニア・リュッカートは、次のように述べています。「生成AIはイノベーションを促進します。コンピューターの発明と同様に、産業を一変させる可能性があります」。これは、2024年の調査Bosch Tech Compassでも証明されており、回答者の64%がAIは将来的に最も重要なテクノロジーであると考えていることが分かりました。1年前では、41%に過ぎませんでした。

製造業から日常の事務作業に至るまで、ボッシュではすでに多くの分野で生成AIが活用されています。Microsoft社に加え、AWS、Google、Aleph Alphaなどの複数のパートナーと協力しており、ボッシュ・グループのベンチャー キャピタル部門であるBosch Venturesは昨年、AI企業のAleph Alphaに投資しました。ボッシュはまた、従業員とお客様に新しいユースケースを見出すために、このスタートアップ企業との協業を発表しました。「ボッシュとAleph Alphaは相互に学び、お互いのノウハウからメリットを享受し、事業領域をまたいだユースケースで協力したいと考えています」とリュッカートは述べています。このパートナーシップは現在北米で最初の成果をあげており、ボッシュはAleph Alphaと共同で、ある高級車メーカー向けのAIベースの音声認識を発表しました。このソリューションでは、チャットボットが自然言語処理のもと、方言、アクセント、雰囲気も認識しながら、ロードサービスとの通話を理解し、応答します。この音声認識機能は、直接電話の対応ができるため、ドライバーの待ち時間が最小限に抑えられます。さらに40%もの問い合わせが自動的に処理され、解決されます。より複雑な内容の問い合わせに対しては、ボットがすべての関連情報をサービスセンターのエージェントに送信し、エージェントがすぐに対応します。

AI検索エンジンから製造まで
ボッシュの AIエキスパートは現在、この新しいAIモデルを活用して、ボッシュの従業員やお客様向けに、ソフトウェアプログラムコードの生成や、技術者をサポートしたり消費者と対話したりするための高機能チャットボットやボイスボットといった、120を超える具体的なアプリケーション開発に取り組んでいます。さらに、2023年末に発表された社内のAI支援検索エンジン、AskBoschでは、イントラネット上に散在するさまざまなデータソースに自然言語による高速アクセスが可能になります。AskBoschには、外部から入手可能なデータに加えて、社内のデータソースも含まれているため、ボッシュの従業員は会社固有の情報を調べることができます。さらに生成AIは、製造のスピードも向上させます。ドイツにあるボッシュの2つの工場における初期プロジェクトでは、生成AIにより合成画像を作成し、光学検査用のAIソリューションの開発と拡張、および既存のAIモデルの最適化を行います。その結果、AIアプリケーションの計画、立ち上げ、増強に必要な期間が、現在の半年~1年から、わずか数週間に短縮されると見込んでいます。合成データを生成するこのサービスは、試験運用が成功したのち、ボッシュの全拠点に提供される予定です。

2024 Bosch Tech Compass:AI活用を先導
日々の生活において、より多くの分野でAIが利用されるようになるにつれ、専門的な能力開発の重要性がますます高まっています。Bosch Tech Compassの調査結果では、回答者の58%がこのことを確信しています。この意見は特に米国で多く、63%にのぼっています(ドイツ:54%、中国:52%)。この分野でもボッシュは AIの活用を先導しており、従業員を教育しています。2019年、ボッシュは当初3万人の従業員にAIに関する知識を習得させることを目的としたトレーニングプログラムを開始しました。現在までに、約2万8,000人の従業員がこのプログラムに参加しています。AIを扱う倫理ガイドラインを定めたボッシュAI倫理指針と同様、このプログラムにも生成AIに関するコンテンツが追加されています。

2024 Bosch Tech Compassの調査結果は、こちら(英語)から確認ください 。

調査について:
この調査は7カ国(ブラジル、中国、ドイツ、フランス、インド、英国、米国)の18歳以上を対象に、ロバート・ボッシュGmbHの委託により市場調査会社のGesellschaft für Innovative Marktforschung mbH(GIM)がオンラインで実施したものです。 調査時期:2023年12月 調査対象国/人数:ドイツ・フランス・英国各1,000人以上、ブラジル・中国・インド・米国各2,000人以上 ※本調査は各国の地域、性別、年齢など、それぞれの国を代表するサンプルを対象としたサンプル調査です

報道関係対応窓口:
Automated driving: Jennifer Gass, +49 152 346-63461
Bosch at BCW, AI: Christiane Wild-Raidt, +49 152 229-78802
Bosch at BCW, digitalization: Inga Ehret, +49 172 324-2636

  


  

このプレスリリースは2024年02月28日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください

  

世界のボッシュ・グループ概要
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2023年の従業員数は約42.8万人(2023年12月31日現在)、暫定決算報告での売上高は916億ユーロ(約13.9兆円*)を計上しています。現在、事業はモビリティ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの4事業セクター体制で運営しています。ボッシュはIoTテクノロジーのリーディングプロバイダーとして、スマートホーム、インダストリー4.0さらにコネクテッドモビリティに関する革新的なソリューションを提供しています。ボッシュは、サステイナブル、安全かつ魅力的なモビリティを追求しています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスに関する豊富な専門知識と「Bosch IoT cloud」を活かし、さまざまな分野にまたがるネットワークソリューションをワンストップでお客様に提供することができます。ボッシュ・グループは、AI(人工知能)を搭載する、もしくはAIが開発・製造に関わった製品を提供することで、コネクテッドライフを円滑にすることを戦略目標に掲げています。ボッシュは、革新的で人々を魅了する全製品とサービスを通じて生活の質の向上に貢献します。つまり、ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」-人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出していきます。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社470社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約9万人の従業員が研究開発に、そのうち約4.8万人がソフトウェアエンジニアリングに携わっています。

ボッシュの起源は、1886年にロバート・ボッシュ(1861~1942年)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの企業としての自立性を保証するものであり、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができます。ロバート・ボッシュGmbHの株式資本の94%は慈善団体であるロバート・ボッシュ財団が保有しており、残りの株式はロバート・ボッシュGmbHおよび創業家であるボッシュ家が所有する法人が保有しています。議決権の大半はロバート・ボッシュ工業信託合資会社が保有し、株主の事業機能を担っています。

*2023年の為替平均レート、1ユーロ=151.9026円で計算


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