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ローデ・シュワルツの広帯域無線機テスタでQuectel社製5Gモジュールの5G eCall相互運用性を初めてテスト

2024年2月27日

  

ローデ・シュワルツの広帯域無線機テスタで
Quectel社製5Gモジュールの5G eCall相互運用性を初めてテスト

  

世界的なIoTソリューション・プロバイダであるQuectel Wireless Solutions社とローデ・シュワルツ は、Quectel社の車載モジュールAG56xNシリーズを構成する革新的な5G eCallモジュールの検証に成功しま した。R&S CMX500 広帯域無線機テスタを用いたこのテスト・セットアップは、Mobile World Congress 2024にも展示されます。


eCallの4Gおよび5Gネットワークへの移行をはかるため、eCallの規格と法律を改定する欧 州委員会の取組みが進んでいます。

EU域内で販売される自動車の自動緊急通報システムであるeCallは2015年に導入され、2018年からはEU域内のすべての新車に装備が義務付けられました。現在のところeCallは回線交換方式の2G/3Gセルラー・ネットワークを利用しています。しかしながら、これらのネットワークがわずか数年後には廃止になるため、緊急通報システム(車載システムとインフラの両方)についてもパケット交換方式の最新4G/5Gセルラー・ネットワークへの適応を迫られることになります。

すでに欧州委員会では、eCallを4G/5Gネットワークに移行するため、eCallの規格と法律を改訂する取組みを進めています。したがって自動車産業は、新しいNG eCall機能にも対応したeCallモジュールを提供できるNG eCallテスト・ソリューションを必要としています。また将来的には、これから導入される中国のeCall規格にも4G/5Gパケット交換セルラー・ネットワークが求められるものと考えられます。

Quectel 社のAG56xNシリーズは、MediaTek社製MT2735チップセットの活用で卓越した接続ソリューションを実現した最新鋭の5G NRモジュールです。同シリーズのモジュールは5Gリリース15に対応し、帯域幅200 MHzの下り最大4.0 Gbps・上り最大480 Mbpsという非常に優れたデータレートを発揮することから、無線通信速度が大きく高まります。また、セルラー用アンテナ(4×4 MIMO)やGNSSアンテナ・インターフェース、USB 3.0、PCIe(Gen3)、RGMII、SGMII、複数のUART、SPI、I2C、I2S(PCM)、SDIO、ADC、GPIOなど、一連のインターフェースを総合的に装備しており、さまざまなアプリケーションに応じて多彩な接続オプションを確実に実現可能です。

Quectel Wireless Solutions社の社長でCSOのNorbert Muhrer氏は次のように説明しています。「ローデ・シュワルツが、次世代のeCall機能を搭載した車載モジュールAG56xNシリーズを検証してくれたことに大変感謝しています。インテリジェント交通の未来に向けた新たなベンチマークになったと言えます」。

これらのモジュールは、最大15k DMIPSという演算処理能力と2.5 GbpsにおよぶSGMII/RGMIIスループットにより、高い性能要件を満たすように設計されています。さらにeCall/NG eCallの認証を取得しており、車載アプリケーションに対する信頼性と安全性も明確です。このAG56xNシリーズのモジュールは、車載グレードのWi-FiおよびBluetoothモジュールとも互換性があることから、自動車産業の枠を超えて接続ソリューションを強化するような確かな技術連携も可能になります。

Quectel社の5G/LTE車載モジュールをテストするためのテスト・セットアップは、NG eCallの緊急通報受付センター(Public Safety Answering Point:PSAP)をシミュレートするR&S CMX-KA098 5G eCallテスト用オプションを備えたR&S CMX500無線機テスタに加えて、GNSSシミュレーション用のR&S SMBV100Bベクトル信号発生器で構成されています。このテストによって、Quectel社製モジュールとPSAP間の5G緊急通報が正常に確立することが確認されました。いっさいデータ損失することなくMSD(Minimum Set of Data)の送信に成功し、模擬したGNSS位置が正確に送信されたのです。さらにクリアな音質の音声通話も確立できました。

R&S CMX-KA098ソフトウェア・オプションを装備したR&S CMX500は非常に汎用性の高いツールとして利用でき、任意に設定可能で信頼性の高い5Gネットワーク条件下においてNG eCallのテストを効果的に行えます。NG eCall技術の展開を加速させるには、関連業界の企業間の協力がいっそう重要になります。今回のようなローデ・シュワルツとQuectelの協力体制は、ぞれぞれのソリューションの相互に検証することで無駄な業務の削減になり、互いのお客様による製品市場投入までの時間の短縮につながるものです。

ローデ・シュワルツの自動車市場セグメント担当副社長Juergen Meyerは次のように話しています。「この成果は、交通の安全に大きな影響を与える次世代eCallシステムの展開において重要なマイルストーンとなりました。当社のテスト機器とQuectel社の5G eCallモジュールを使ってeCallのプロセスをすべて確立し、この新しい重要な機能の検証を適切に行うことができました。Quectel社との素晴らしい協力により、この先も自動車産業がさらに迅速に確信をもって前進していけるように、一つの重要な関門を乗り越えられたことを非常にうれしく思います」。

このテスト・セットアップは、バルセロナの展示会場Fira Gran Viaで2024年2月26~29日に開催のMobile World Congressに出展します。ぜひ、ホール5・小間番号5A80の展示ブースまでお越しください。

www.rohde-schwarz.com

お問い合わせ:
欧州(本社):Patrizia Muehlbauer(電話:+49 89 4129 0、email:press@rohde-schwarz.com)
北米:Dominique Loberg(電話:+1 503 523-7951、email:Dominique.Loberg@rsa.rohde-schwarz.com)
アジア太平洋地域:Sze Ming Ng(電話:+603 5569 0011、email:press.apac@rohde-schwarz.com)

自動車向けテスト・ソリューション―テストするから、信頼できる
ローデ・シュワルツは試験・計測に関するソフトウェアや計測器、システムの世界的なトップメーカーとして、その高い専門技術を応用しながら、自動車の先行開発から生産まで全ライフサイクルに向けて革新的なソリューションを開発しています。世界中のOEM企業やティア1サプライヤ、半導体メーカー、技術サービス企業など皆様が、車載用レーダーや接続性、インフォテインメント、高性能コンピューティング、さらにはEMC適合性に対する当社の実績豊かな試験ソリューションに信頼を寄せています。とりわけ、レーダーの開発・統合・生産における革新的なテスト・ソリューションを通じて、ローデ・シュワルツは次世代のADAS/AD(先進運転支援/自動運転)システムを市場投入しようと取り組んでいるお客様の確かなパートナーとしてお応えしています。そのほか、ワイヤレス通信の分野でも長年にわたり積み重ねてきた経験と技術をもとに、5GやC-V2XからUWB、Wi-Fi、GNSSまで、あらゆる規格によるロバストな接続性の実現を支えています。当社の計測器は最先端のバス速度に対応するほか、高性能ドメイン・コントローラなどのECUを備えた車載ネットワークを開発・デバッグでき、さらにはEMC問題の解消にも貢献しています。ローデ・シュワルツは、CISPRやISOのあらゆる主要な規格、メーカー指定のEMC規格に沿って車両やその部品のEMIおよびEMS測定を実行できる電子計測機器はもとより、カスタムなターンキー試験システムも提供しています。こうしたシステムや機器をもとに、お客様独自のシステムと計測器による車載アンテナ・テストや無線共存テストを完全にサポートしているのです。さらにECU生産時の部品や基板レベルのテストに対応できる極めて優れたソリューションもご用意しています。世界中のパートナー企業やお客様がこれらの試験ソリューションを活用して、自動車部品とシステムの正確な機能や円滑で不備のない相互作用、外部との完全な通信が実現するように保証しています。

R&S®は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG.の登録商標です。

すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.com からインターネットでご提供しています。

  

ローデ・シュワルツについて

ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。

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