ニュース
水素エンジン開発の i Labo、JALエアテックと業務提携
2023年10月31日
水素エンジン開発の i Labo、JALエアテックと業務提携
水素エンジン搭載トラックの開発と普及によって産業領域における脱炭素化の早期実現を目指す
水素エンジン開発と普及によって産業領域における脱炭素化の早期実現を目指すi Labo株式会社(本社:東京都中央区銀座六丁目13番9号、代表取締役:太田修裕、以下「i Labo」)は、株式会社JALエアテック(本社:東京都大田区羽田空港三丁目5番2号、代表取締役:長嶋 賢一、以下:「JALエアテック」)と、水素エンジンの普及による脱炭素社会の早期実現に向けて協業進めるべく、2023年10月30日に業務提携を行うことで合意に至りました。今後は両社の知見を活かし、水素エンジン搭載トラックの開発と普及によって産業領域における脱炭素化の早期実現に取り組んで参ります。
■i Labo、JALエアテックの概要
水素エンジンによる産業領域における脱炭素化の早期実現を目指すi Laboは、半世紀にわたる水素エンジン研究の実績をもとに、i Labo山梨R&Dセンターの水素専用エンジンベンチにて水素エンジンの研究開発を進めております。また、令和3年度より現在に至るまで、環境省「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」を通して、部品交換、制御変更等による既存のディーゼルエンジン搭載トラックを、水素を燃料として運転可能なトラックに置換する「水素化コンバージョン」の開発と普及促進を進めて参りました。この技術は、トラックのみに限らず、その他輸送機械、重機等の産業機械、発電機、船舶、鉄道車両などへの適用が可能であり、幅広い領域に於ける脱炭素化を、安価かつ簡易、早期に実現することが可能です。地球温暖化防止の為、世界的な脱炭素化が進む中、非化石燃料パワートレーンのもう一つの選択肢である水素エンジンにより早期の脱炭素社会への貢献に取り組んでおります。
JALエアテックは、JALグループの企業として、羽田・成田・福岡空港を拠点に、プロフェッショナルな技術や知識、最新のテクノロジーを駆使し、航空機地上支援車両(GSE)の整備や保守、特殊車両の設計、製造のエンジニアリングなどに強みを持ち、空港のインフラ機能を支えて航空機の安全運航、円滑な空港運営を担っております。航空機を押し出すトーイングトラクター、航空機にコンテナを搭載するためのハイリフトローダー、航空機の整備を可能にする高所作業車など、航空機地上支援のための機能が詰め込まれた車両・機器には様々なものがあり、その役割から一般の車両と異なり、特殊なものが多いのが特徴です。JALエアテックは、GSEの保守、メンテナンス、設計、製作について、長年の経験から幅広い知識を有しております。また、JALグループ全体では、気候変動への対応が特に重要な課題であると捉え、脱炭素社会に向け、強力に取り組んでおります。
■今回の提携の背景と概要
この度、当社とJALエアテックは、当社の水素エンジンに関する専門性を活かした開発力と、JALエアテックの特殊車両の設計、製作の知見とを合わせることによって、今後、需要拡大が見込める水素化コンバージョン事業に対して、より大きなシナジーが見込めると判断したことから、本業務提携を実施するに至りました。本業務提携によって両社の緊密化を図り、脱炭素社会の早期実現に向けて協業、水素エンジントラック等の事業機会の拡大に向けて協業展開を強化してまいります。
水素エンジンは、粉塵、塩害等の過酷な環境での長期利用に対する耐久性と、高負荷領域での高い熱効率が求められる産業分野で威力を発揮します。また、水素化コンバージョンは既存のエンジン技術を活用するため製造コストを抑えることができるだけではなく、燃料電池と異なり高品位水素(Grade-D水素)を必要としないことからも、化学工場などの低コストの副生水素の活用により、燃料としての水素コストそのものの低減を可能にします。このように水素エンジンは、特に産業領域における脱炭素化に有効なソリューションと言えます。また、エンジンの水素化コンバージョンの普及は、世界に誇る日本のエンジン技術を活用することで、日本の産業競争力の維持・拡大にも貢献できると考えます。
このたび2社は、双方の技術開発力やエンジン技術の専門的なネットワークを組み合わせることで、日本の内燃技術の競争力強化のみならず、世界的な産業分野の脱炭素化に大きく貢献するビジョンで一致し、業務提携を行うことに合意しました。
今後は、i Laboが開発する水素エンジン、水素燃料系装置、エンジン制御システム、安全装置などを、JALエアテックが車両に搭載する為の架装の設計、製造を担い、安全で高性能な水素車両の提供を進めて参ります。
iLabo株式会社 ホームページはこちら