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業界初の車載バッテリ・モニタリング向け CAN通信機能付きインテリジェント・センサを発表【フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン】

2012年10月22日

東京(フリースケール・テクノロジ・フォーラム・ジャパン)-フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン㈱(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、条件の厳しい車載環境において、鉛蓄バッテリ/リチウムイオン・バッテリの電圧、電流、温度を精密に測定して、バッテリの状態を判定する業界初のバッテリ・センサ「Xtrinsic(エクストリンシック)MM9Z1J638」を発表しました。現在の自動車業界では、ハイブリッド車の増加、車載電子コンテンツの普及、スタート/ストップ・システムの採用に伴い、各種のバッテリ・パラメータを正確に把握することが極めて重要になっています。

Xtrinsicバッテリ・センサMM9Z1J638は、車載/産業アプリケーションにおいて、主要なバッテリ・パラメータを精密に測定する堅牢かつ費用対効果に優れたソリューションを実現します。このデバイスは、S12ZマイクロコントローラとSMARTMOSアナログ制御ICをシングル・パッケージ・ソリューションに統合しており、車載/産業環境の低消費電力化を実現します。Xtrinsicバッテリ・センサMM9Z1J638は、
-40℃~+125℃の動作温度範囲において車載認証AEC-Q100の要件に対応しており、小型の7mm x 7mm QFNパッケージで提供されます。

フリースケールの副社長 兼 アナログ・ミックスド・シグナル・プロダクト・ディビジョン ジェネラル・マネージャであるガビン・ウッズは、次のように述べています。「自動車内により多くの電子コンテンツやスタート/ストップ・システムが搭載されるようになり、重要性が増す中、インテリジェントなバッテリ・センサがますます不可欠になっています。フリースケールが提供する費用対効果に優れた業界初のCAN通信機能付き車載認証対応ソリューションにより、重要なバッテリ・パラメータの精密なモニタリングが実現します。」

今日の自動車は電力負荷が増大しており、バッテリ設計が大きな課題となっています。車載バッテリには、エンジンを駆動するために十分な電力を供給する能力が必要とされ、さらに、スタート/ストップ・システムやインテリジェント・オルタネータ制御といった新しい機能をサポートするための動力源として機能することが求められます。バッテリの劣化状態(SOH)、充電状態(SOC)、機能状態(SOF)を正確に把握することで、電気系統に起因する車両故障の主要原因となる潜在的な障害を早期に検知することができます。他方、エネルギー効率を維持するには、バッテリ・センサ自体の消費電力も最小限に抑える必要があります。

フリースケールの完全統合バッテリ・モニタリング・デバイスには、バッテリの電圧と電流を同時計測可能な2チャネル16ビットADC(アナログ・デジタル・コンバータ)と、さらに温度測定用の16ビットADCが組み込まれています。このバッテリ・センサは、最悪の条件下でも高い分解能で正確なモニタリングを実行するため、バッテリのSOH、SOC、SOFを適切に予測することができます。各パラメータは、一定間隔、もしくは車載ネットワークからのリクエストに応じて、LIN/CANプロトコル経由でバッテリ・センサから通信されます(CANの場合、外部PHYが必要です)。

MM9Z1J638は、バッテリの負極の外部シャント抵抗により電流を精密に測定し、正極の直列抵抗により電圧を精密に測定します。また、バッテリの取付けブラケットに組み込むことで、内部温度センサによりバッテリ温度を精密に測定します。外部温度センサ入力を利用すると、精密な電池温度測定が可能になります。

Xtrinsicバッテリ・センサMM9Z1J638の主な特長

バッテリ電圧測定
専用の2次ΣΔ型16ビットADC、多様な測定範囲に対応する4つの専用電圧入力(10V、16V、28V、52V)
電流チャネルとの同時サンプリング
電流測定と共有のプログラマブル信号フィルタリング
内部分周器による4種のバッテリ電圧測定
5つの電圧センサ入力、電圧と温度の両チャネルにルーティング可能
差動型バッテリ電流測定
専用の2次ΣΔ型16ビットADC、4種のプログラマブル・ゲイン係数に対応するプログラマブル・ゲイン・アンプ
自動ゲイン調整をサポートするゲイン制御ブロック
最大+/-2000Aの測定範囲(5mAの精度、1mAの分解能)


温度測定
内部温度センサ
専用の16ビットADC、アンチエイリアス・フィルタを統合
精度 : +/-2℃(-20℃~+60℃)、+/-3℃(-40℃~+125℃)
5つのシングルエンド・センサ、Tsense ADC(PTBx)へのルーティングが可能でレシオメトリック測定に対応(ICによる電力供給とグラウンド切り替えにより、不使用時の電流を節約)
グラウンド・スイッチ、温度測定オフ時に消費電力を低減


通常モード/低消費電力モード

低消費電力モード時 : 32ビット・アキュムレータによる電流積分
低消費電力モード時 : プログラマブルな電流しきい値の検知
プログラマブルなウェイクアップ・タイマ、LINによるウェイクアップのトリガ


先進的なシステムレベル管理
1%精度の内部オシレータ
内蔵自動ADC温度補償、指定温度範囲で最適な測定精度を実現
LIN 2.1/LIN 2.0インタフェースによる通信、LINによる高速Flashプログラミングが可能
msCANプロトコル・コントローラ、TxD/RxD端子を備え、バス・ウェイクアップ検知に対応
拡張5Vレギュレータ機能、マイクロコントローラやCAN PHY、外部コンポーネントに電力供給
高性能S12Zマイクロコントローラ、32ビットALU、50MHz、128KBのFlashメモリ、8KBのRAM、4KBのEEPROM、すべてECC搭載
高速ダイ間バス・インタフェース、アナログICレジスタとマイクロコントローラ・レジスタ・マップのトランスペアレントな統合、自動同期化、エラー検出


動作条件
動作周囲温度(Ta) : -40℃~+125℃
動作接合部温度(Tj) : -40℃~+150℃

価格と供給

MM9Z1I638/MM9Z1J638は、2013年下期に供給を開始する予定です。1万個購入時の1個あたりの参考価格は、それぞれ4.25ドル(USD)と4.41ドルです。

フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて

イノベーションとコラボレーションの活性化を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、組込みシステム業界の毎年恒例の開発者イベントです。2005年に開催を開始して以来、世界中のFTFイベントへの参加者は4万8000人を超えています。日本では、FTF Japanを東京にて2012年10月22日・23日に開催中です。詳細は、http://www.freescale.co.jp/event/ftfj/2012/index.php?r=2PRNADDをご覧ください。

フリースケール・セミコンダクタについて

フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.co.jp/をご覧ください。

FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。



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