ニュース
金属材料測定向け「万能試験機自動化システム」を中国で発売 現地スタートアップとの共同開発【島津製作所】
2023年9月26日
金属材料測定向け「万能試験機自動化システム」を中国で発売
現地スタートアップとの共同開発
「万能試験機自動化システム SAGX-Vシリーズ」の設置イメージ |
島津製作所は、金属材料測定向けの「万能試験機自動化システム」を中国で発売しました。本製品は、当社製の万能試験機を含む強度試験を全自動化するシステムです。ロボット分野のスタートアップ企業である「識時(上海)自動化科技有限公司」(上海市)と共同開発しました。今後は同国全土で主に金属材料の測定用途として自動車、部品、鉄鋼などのメーカーへ販売してまいります。
万能試験機は、材料の強度や力を加えた際の変化を測定する強度試験に使用されます。電気自動車(EV)や環境に配慮した新素材・新構造の部品・製品が増え、強度試験の需要は高まりつつあります。中国においては、EV生産ラインなどでワーク(測定対象物)入れ替えなどの手作業がボトルネックになっており、また安全面からも作業の無人化・省人化が求められていました。
「万能試験機自動化システム」は、試験機本体に加えてロボット、ワークサイズ計測用のレーザー、専用ソフトウェアなどから構成されています。ロボット1台に試験機本体1台が対応する「SAGX-Vシリーズ」と、ロボット1台に対して試験機本体2台が対応する「SAGX-V Plusシリーズ」があります。対象機種は当社製の精密万能試験機「オートグラフAGX-V2シリーズ」です。
新製品の特長
1. ロボットとの組み合わせで連続自動運転
ロボットがワークを取り出し、レーザーでワーク寸法(幅、厚さなど)を測定します。寸法データはソフトウェアに転送されるため、手動入力の必要がありません。寸法測定後、ロボットが試験機にワークをセットし、引っ張り試験を行います。引っ張り試験と次のワークの寸法測定を並行して実施するため、連続で測定する場合に、効率的に試験データを取得できます。ワークホルダーには108本のワークがストックでき、測定中もワークホルダーのワークを随時交換できるため、無制限の連続自動運転を実現しました。
2. 初心者でも操作が簡単なソフトウェア
ソフトウェアは自動データ転送機能を備えており、操作画面上で試験状態がリアルタイムに把握できます。試験結果の解析や集計に不慣れな初心者でも簡単に操作できます。
3. トレーサビリティ機能にも対応
強度試験では、試験データの一元管理と高い信頼性が求められます。「万能試験機自動化システム」の試験データは自動的にデータサーバーに保管されます。解析内容や装置の使用記録なども保管されるため、データの改ざんや人為的な変更を防ぎます。
価格 | 422万人民元~605万人民元(約8400万円~1億2000万円)(税別) |
目標販売台数 | 発売後3年間で10台 |
株式会社島津製作所 ホームページはこちら