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WRC 第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ4 ロバンペラがアクロポリスで2年ぶり通算2回目の優勝
2023年9月11日
WRC 第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ4
ロバンペラがアクロポリスで2年ぶり通算2回目の優勝
エバンスはひとつ順位を上げ総合2位でフィニッシュ
9月10日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」の最終日デイ4が、ギリシャのラミアを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位で、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)は総合10位でフィニッシュしました。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合6位を獲得しました。
ヨンネ・ハルットゥネン、カッレ・ロバンペラ |
アクロポリス・ラリーのデイ4は、ラミアのサービスパークを起点に、西北エリアで3本のステージを走行。その合計距離は41.37km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は242.46kmでした。路面は全体的にドライコンディションでしたが、週の前半に降った大雨により非常に荒れている区間も多く、走行距離は短くとも決して油断のできない一日になりました。
前日のデイ3でトップに立ち、総合2位のダニ・ソルド(ヒョンデ)に2分以上の差を築いたロバンペラは、十分なリードがあることから最初の2本のステージをペースをかなり抑えて走行しました。一方、デイ3総合3位のエバンスは、オープニングのSS13でベストタイムを記録し、2番手タイムのソルドを9秒上回るタイムで総合2位にポジションアップ。続くSS14ではソルドがベストタイムで応戦し、エバンスとの差は2.7秒に縮まるも順位は変わりませんでした。そして迎えた最終のSS15は、ボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージ。抑えた走りを続け力を蓄えていたロバンペラは、ここで一気に猛プッシュ。今大会8本目となるベストタイムを記録し、ボーナスの5ポイントも獲得する完全勝利で今シーズン3勝目を獲得しました。エバンスもまた、パワーステージで速さを発揮し、ロバンペラに次ぐ2番手タイムで総合2位を獲得。ボーナスの4ポイントも手にしました。TGR-WRTはこれまで苦手としてきたギリシャで最良の結果を残し、ふたりのドライバーがマキシマムポイントを獲得したことにより、マニュファクチャラー選手権におけるリードを91ポイントに拡大しました。また、前戦ラリー・フィンランドでリタイアを喫しノーポイントに終わったロバンペラは、ドライバー選手権での2位エバンスに対するリードが25ポイントに縮まりましたが、今回の完全勝利により差を33ポイントに拡大。一方、エバンスはドライバー選手権2位の座を守り、3位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に対するリードを33ポイントに拡げました。
なお、デイ3で首位に立ちながらもタイヤとサスペンションのダメージによりデイリタイアとなったオジエは、デイ4で再出走。総合10位で波乱のラリーを戦い終えました。また、勝田はデイ3で2回タイヤにダメージを負い、その交換作業により多くのタイムを失いましたが、それでも総合6位でフィニッシュし、ドライバー選手権ポイントを獲得しました。
<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
先にラリー北海道のことから言わせてください。ヤリ-マティ、ユホ、ラリー北海道優勝おめでとう! デモではないコンペティションの道で世界レベルの走りを見せてくれたこと感謝しています。ヤリ-マティの走りにファンは魅了され、ドライバーたちは奮起していました。日本のラリーが世界に近づく手助けをしてくれたと思います。本当にありがとう。 走っているヤリ-マティはずっと笑顔でした。ただ裏では少し不安げな表情も見せていたと思います。なぜならギリシャで彼のチームが戦っていたからでした。しかし、私は一切そのことを心配していませんでした。TOYOTA GAZOO Racing WRTは”現場を中心としたチーム”だと知っていたからです。先月、フィンランドで代表代行を務めた時、チームメンバーの仕事を間近で見ることができました。なにかあれば、現場に近い人が判断をし、上はそれをサポートする…。TGR-WRTは、そういう仕事のやり方が根付いてるチームです。ヤリ-マティがつくった”そんなチーム”であれば、チーム代表に北海道に来てもらっても大丈夫とわかっていたのです。 チームは思っていたとおりの力を発揮してくれました。カッレ、ヨンネ、フィンランドの悔しさを取り戻す”嬉しい勝利”おめでとう! そしてエルフィン、スコット、大逆転のワンツーフィニッシュをありがとう! 君たちの活躍が、チーム代表の不安げな表情をきれいに吹き飛ばしてくれました。チーム全員が11月の日本でまた最高の笑顔になれるよう、それぞれの現場で努力を積み重ねていきましょう! ギリシャでがんばったみんなに感謝! |
<<カイ・リンドストローム (スポーティングディレクター)>>
ラリーとパワーステージの両方で1-2を達成することができて素晴らしい気分です。今週はレッキ中にコンディションが大きく変化したため、非常にタフな一週間になりました。選手たちは路面コンディションの変化に対応しなければならなかったですし、チームもそのようなコンディションでクルマの性能を発揮させるために上手く適応する必要がありました。1年前のギリシャではがっかりさせられましたし、やるべきことが多くあることも分かっていました。今年の序盤戦のメキシコでも既に、改善が進んだことによる成果が見えましたが、今回の結果はチームがどれだけいい仕事をしたかを示すものです。カッレは大会中、誰よりもスマートに戦い、プッシュできるところと、気をつけなければならないところを見極めていました。また、エルフィンも本当に素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。いくつか問題に直面しましたが慌てることなく走り続け、それが最後に実を結んだのです。 |
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
もちろん、いい週末でした。このラリーはいつもトリッキーで、レッキの段階から既に難しいコンディションでしたし、とてもタフな一週間でした。大きなチャレンジで、出走順がトップだったので1位でフィニッシュできるとは思っていなかったですし、30ポイントも獲得できたことが信じられません。昨年のギリシャでは最初から最後まで苦戦しましたが、今年は出走順トップでも他のクルマと戦うことができました。非常に強いクルマを用意してくれたチームに感謝します。土曜日は、トラブルに巻き込まれることなく、この種のラリーでは常に必要なことですが、クルマとタイヤをいたわりながら走行し、非常にいい戦いができました。そして、パワーステージではいつものように本当に頑張って走りました。この後は一貫性を保ち、次のラリーに集中しなくてはなりません。 |
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
アップダウンの激しい週末でした。土曜の日中を振り返ってみると、ラジエータにダメージを受けながらも、ラリーに残れたのはとてもラッキーだったと思います。そこで1分以上タイムをロスしたのですから、全体を考えれば2位まで挽回できたことに満足するべきでしょう。ダニから終始プレッシャーを受けていたので、ファイナルステージに入ってもタイトな展開でしたが、最終的に2位でフィニッシュし、パワーステージポイントも獲得できたので良かったです。今回はカッレがとても強く、チャンピオンシップの面では完璧とはいえない週末でした。カッレを祝福しますが、自分たちはこれからも全力で戦い続けます。チームにとっては、信じられないような素晴らしい結果になりました。昨年から今年にかけて、大きな飛躍を遂げたチームを称賛したいと思います。 |
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
自分が望んでいたようなラリーにはならなかったですが、そういうこともあります。非常に荒れたコンディションで、運を味方につける必要があるラリーでしたが、残念ながら昨日は問題が積み重なりストップせざるを得ませんでした。今日はパワーステージでベストを尽くしましたが、出走順がかなり早かったので、そう簡単ではありませんでした。全体的に見れば、この週末にいいパフォーマンスを発揮することができたのはポジティブなことです。それが報われることはなかったですが、少なくともチームがラリーとパワーステージの両方で1-2を達成したのは、両選手権にとって本当に良かったと思います。 |
<<アクロポリス・ラリー・ギリシャの結果>>
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3h00m16.7s 2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m31.7s 3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m35.9s 4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +4m28.4s 5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +6m22.3s 6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +7m20.9s 7 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m41.0s 8 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m51.3s 9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +11m07.0s 10 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +11m43.4s (現地時間9月10日14時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。) |
<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、9月29日(金)から10月1日(日)にかけて、南米のチリで開催される第11戦「ラリー・チリ・ビオビオ」です。ラリー・チリは2019年に初めてWRCとして行われ、今年で2回目のWRC開催となります。大会の中心となるのは、チリ中南部ビオビオ州の州都「コンセプシオン」。路面はグラベルで、コースは森林地帯の中高速ステージが大部分を占め、路面は全体的にスムーズです。TGR-WRTは2019年大会で優勝しており、大会2連覇がかかっています。 |
表彰式 |
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン) |
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン) |
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ) |
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