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航空機・車載システム向け超高速モータ用高磁束プラスチック磁石ロータ(回転子)の開発に成功【IHI】

2023年6月15日

  

航空機・車載システム向け超高速モータ用高磁束プラスチック磁石ロータ(回転子)の
開発に成功

~モータの大出力化・小型化・軽量化および製造時間・コスト削減を可能に~

  

 IHIは秋田大学(学長:山本文雄氏)と共同で,航空機・自動車向け超高速モータ用高磁束プラスチック磁石ロータの試作に成功しました。 本件は,IHIと秋田大学が,秋田県産業技術センター(所長:斉藤耕治氏)の支援を受けた秋田県内の企業
(宮腰精機株式会社,株式会社フルヤモールド,小林工業株式会社)と連携して取り組み,実現したものです。

 高磁束プラスチック磁石ロータ(モータの回転子)とは,溶融したプラスチックに粉末磁石を混合した複合材料を射出成形すると同時に,成形してできたプラスチック磁石を,ハルバッハ配列(※1)と同様に,磁場配向(※2)することで磁石の利用効率を最大化し,モータの大出力(高効率)化,小型化,軽量化を実現。また,磁石を射出成形で製造することにより機械加工を大幅に削減し,製造時間短縮・コスト削減が期待できる,新しい電動モータ用のロータです。 
 さらに射出されたプラスチック磁石を高強度のカーボンファイバー複合材(CFRP)リングで覆うことで,毎分10万回転を超えるモータ回転数に耐えうる構造を実現しました。 


図1 プラスチック磁石ロータ構造

図2 超高速モータ(適用例)

 完成した試作品について,電動化システム共同研究センター(※3)にて特性評価を行った結果,設計上の磁力が100%磁石で占められる従来の焼結磁石製ロータと同等以上の性能が得られることを確認しました。この成果は,ほぼ50%をプラスチックが占める磁石で従来品と同等な出力を達成できることから,レアアースの使用量の削減にも寄与します。

 IHIでは,引き続き航空機の電動化に向けた電動ハイブリッド推進システムの開発に取り組み,2030年代の実用化を目指すとともに,航空機システム全体の電動化・最適化にも取り組んでいきます。

  

※1 ハルバッハ配列
永久磁石の特別な配置方法。一般の磁石配置では,両面は同じ磁力となっているのに対し,配列の片側の磁力を増強し,反対側の磁力をほぼゼロにすることで,磁石の利用効率を最大化することが可能。

※2 磁場配向
磁石製造の成形工程で,磁石材料に磁場をかけながら成形し材料の結晶配列方向を揃えること。それにより,成形後の磁石において特定方向の磁力を強くすることができる。今回のようにハルバッハ配列と同様に配向することは極異方性配向と呼ばれる。

※3 電動化システム共同研究センター
秋田大学が内閣府「地方大学・地域産業創生交付金」の交付事業を受け,秋田県立大学(学長:福田裕穂氏)と共同で運営する電動化システム共同研究センターを令和3年4月に設置。

  

  

  

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