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混色による色ばらつきを低減した車載インテリア向けRGBチップLEDを開発【ローム】
2023年5月29日
混色による色ばらつきを低減した車載インテリア向けRGBチップLEDを開発
車室内の機能・状態表示用インジケータや装飾照明における、正確な色表現に貢献
ローム株式会社(本社:京都市)は、メーターやCID(Center Information Display)(※1)など車室内の機能・状態表示用インジケータ(※2)や、足元、ドアハンドルなどの装飾照明に最適な、車載インテリア向けRGBチップLED(※3)「SMLVN6RGBFU」を開発しました。
一般的にRGBチップLEDを狙いの色に発光させるためには、搭載されている赤・緑・青(RGB)それぞれの素子の色や明るさを細かく制御する技術と、混色性を高める技術が必要です。ロームは、強みである素子の製造段階から作りこみを行う一貫生産体制により、一般品と比べ素子の色ばらつきを抑えることに成功。加えて、RGBチップLEDに生じやすい混色による色ばらつきを素子の混色制御技術によって低減し、車載インテリアなどで求められる正確な色表現に貢献します。また、ロームが要求仕様に合わせて提供する色度シミュレーションシステムを用いることで、色の合わせ込みを細かく対応できるサポートも行います。
本製品は、2023年2月より当面月産30万個の体制で量産(サンプル価格 500円/個:税抜)を開始しています。生産拠点は前工程がローム株式会社(京都市)およびローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Semiconductor (China) Co., Ltd.(中国)となります。なお、2023年5月よりインターネット販売も開始しており、コアスタッフオンライン、チップワンストップなどから購入することができます。
ロームは今後も品質第一の考え方に基づき、車載ライティングに最適で業界に先駆けた製品開発を行い、安心・快適な車室内環境の構築に貢献していきます。
<背景>
近年、自動車の電子化、高機能化が進んでおり、自動速度制御や車間検知、白線検知など、さまざまな運転支援機能が導入されています。このような各種機能が動作している状態をメーター部などのインジケータで表示するため、多彩な色が表現できるRGBチップLEDの需要が高まっています。また、RGBチップLEDを用いた装飾照明で車室内空間の快適性や高級感を演出したいというニーズも増えています。
こうした中、ロームは内製素子技術により、RGB素子の発光特性を細かく制御し、また混色性を高めることで、色ばらつきを低減したRGBチップLEDを開発しました。
<色度シミュレーションシステム>
SMLVN6RGBFUは、色度ランクごとに調整係数を設定し、より狙いの色に近づけるための合わせ込みサポートを行っています。新製品のRGBチップLEDと高精度な色度シミュレーションをあわせて提供することで、より細かい色の合わせ込みを可能します。
・機能・状態表示用インジケータ:メーター、CID、ナビオーディオ、ヒーターコントロールなど
・装飾照明:足元照明、ルーフ照明、ドアハンドル照明、カップホルダ照明など |
<インターネット販売情報>
販売開始時期:2023年5月から
販売ネット商社:コアスタッフオンライン、チップワンストップ
それ以外のネット商社からも順次発売していきます。
<用語解説>
*1) CID(Center Information Display)
コックピット中央部に埋め込まれている液晶画面のこと。カーナビゲーションシステムやエンターテインメント情報の表示のほか、近年はエアコンなど車載機能の操作部としての役割を担うなど多用途化が進んでいる。
*2) インジケータ
運転手に対して車の状態を示す装置のこと。
*3) RGBチップLED
光の三原色であるR(Red・赤)、G(Green・緑)、B(Blue・青)の3つの素子を組み合わせてフルカラーをつくることができるLEDのこと。
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