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TOYOTA GAZOO Racing、 その歴史に新たな一章を刻むべく、 ハイパーカーの強敵が揃う100周年記念のル・マンへ挑む
2023年6月1日
WEC2023年シーズン 第4戦ル・マン24時間 プレビュー
TOYOTA GAZOO Racing、
その歴史に新たな一章を刻むべく、
ハイパーカーの強敵が揃う100周年記念のル・マンへ挑む
6月10日(土)から11日(日)にかけて、世界で最も有名な耐久レースである、ル・マン24時間レースが開催されます。今年は100周年記念大会でもあり、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、大観衆の見守る中、これまでで最多のハイパーカーが激突することとなるル・マンで、耐久レースの歴史に新たな1ページを刻むべく挑みます。
今年のル・マン24時間には、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そして、ポルシェといった耐久レースの歴史で数々の伝説を打ち立ててきたメーカーによる、16台のハイパーカーを含む62台が出場。2018年に悲願の初勝利を挙げて以来、5年連続でル・マンを制して来たTGRにとって、次なる目標は、これらの強力なライバルとの戦いを制しての6連覇です。過去にル・マンで6連覇を成し遂げたのは1960年から1965年にかけてのフェラーリと、1981年から1987年にかけてのポルシェの2メーカーのみです。
1923年に第1回大会が開催されて以来ル・マン24時間レースは、公道を走行する自動車の革新技術開発の場でもあり続けています。100周年記念となる今年の大会には、30万人の観衆が集まると予想されています。
TGRは今シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)で、開幕から3連勝という好戦績を修めてきており、前戦スパ・フランコルシャン6時間では1-2フィニッシュを果たしています。ル・マン24時間は6時間レースの2倍のポイントが獲得できるため、チームにとっては5シーズン連続の世界チャンピオン獲得のために非常に重要なレースでもあります。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、4月末に行われたスパ6時間レースで勝利を挙げました。ル・マンへ向けた準備をしっかり行い、そのトリオでのル・マン2勝目を目指す彼らは、ハイパーカー初年度となった2021年以来の勝利を目指します。
昨年のル・マンウィナーであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、選手権リーダーとして今大会に挑みます。8号車は前戦スパで、最後列スタートにもかかわらず猛烈な追い上げを見せ2位フィニッシュを果たしました。
TGR WECチームの中で、ブエミはル・マンで最も成功したドライバーで、TGRと共に4勝を挙げています。また、TGRはチームとしては2017年以来6年連続のポールポジションを獲得していますが、そのうち5回は小林によるものです。
今年の大会は、トヨタが1985年にル・マンへデビューして以来25度目、また、ハイブリッド・パワートレーンを搭載したレーシングカーとしては12度目の出場となります。TGRは、ル・マン、及びWECで耐久レースにおけるハイブリッド車両での参戦を続けてきており、モータースポーツを通じたお客さまのための「もっといいクルマづくり」へ繋げています。
GR010 HYBRIDは2年前にル・マンデビューし、ハイパーカーとして初のウィナーになりましたが、その後も冬季オフシーズンを含め絶えず進化を続けてきました。GR010 HYBRIDの高性能なハイブリッド・パワートレーンは520kW(707馬力)を発揮する3.5リッターエンジンと、200kW(272馬力)の電気モーターとの組み合わせからなり、ル・マンを10年以上にわたって戦ってきた経験から培われてきた独自の知見の積み重ねにより、重量削減と信頼性向上のための改良がなされてきました。
2023年仕様のGR010 HYBRIDは100%再生可能なバイオ燃料を使用し、空力などの細かな変更により、ドライバビリティと空力の安定性向上を図っています。これらの車両改良点は、既に今シーズン開幕からの3戦で効果は検証されていますが、ル・マンに於いては、今週末の4日(日)に行われるテストデーでサルト・サーキットを走りだすときに初めて披露されることになります。
レースウィークの公式走行セッションは来週の7日(水)に最初の予選を挟んで行われる2度の練習走行からになります。この予選結果から各クラス上位8台が、翌8日(木)に30分間で行われるハイパーポール予選への出場権を獲得。このハイパーポールは現地時間午後8時(日本時間9日(金)午前3時)に開始されます。8日(木)はこのハイパーポールに加え2度の練習走行セッションがあります。
2日間、合計4回の練習走行と予選を追えたレース車両は、走行のない9日(金)にチームによって組み直されます。そして、第91回ル・マン24時間の決勝レースは10日(土)午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られ、その24時間後、最も偉大な耐久レースの歴史に新たなページが刻まれることになります。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
ル・マンは我々にとってシーズンのハイライトであり、最も勝ちたいレースです。この1年、日本の東富士研究所とドイツ・ケルンのメンバー、そして、全てのサプライヤー様とパートナーの皆様が一丸となって、ル・マンへ向けた準備をしてきました。トヨタ自動車とGAZOO Racing Companyの皆さまをはじめとした、サポートをしてくれる全ての方々のおかげで、今季ここまで開幕3連勝を飾ることができ、本当に感謝しています。これら勝利のおかげで我々は現時点ではランキングトップにいますが、ここまでの3戦の結果は、ル・マンを戦う上では大きな意味を持ちません。戦いは常に激しさを増しているので、初心に立ち返り、クルマを完璧に準備するため、最善の車両セットアップを見出し、もう一度、素晴らしいチームスピリットを発揮する必要があります。ル・マンでは様々なことが起こり得るので、あらゆることに備えなくてはなりません。この偉大なレースの100周年記念となる今大会は、非常に多くのファンの皆様と共に楽しめる、本当に特別なレースになると思いますし、待ちきれません。 |
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
ル・マンは偉大なレ-スであり、誰もが勝利を望んでいます。7号車はここ数年、ル・マンで常に勝利を争う位置にいながら、何度も勝利を逃してきました。しかし、それこそがル・マンの本質であり、勝つのが本当に難しいレースなのです。今年も再び勝つための要素は全て揃っていると思っていますし、トップ争いができる力があるということもわかっています。チーム全体にとって大きなチャレンジになるでしょう。毎年タフで大変なレースウィークになりますが、目の前のやるべきことがわかっています。このチームはル・マンでの勝ち方を知っていますし、必ずまた勝つつもりで挑みます。 |
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
このル・マンをずっと楽しみにしてきましたし、このような歴史的なイベントに、このチームで参加できることを嬉しく思います。レース自体も、コースもとても大好きです。我々のGR010 HYBRIDでル・マンを走るのは最高の体験で、このクルマがル・マンのために生み出されたということを実感できます。今年は100周年記念大会というだけでなく、多くの伝統あるマニュファクチャラー間の戦いになるということもあり、30万人ものファンの皆様が集まると聞いています。それもよくわかりますし、私自身も本当に楽しみです。トップ争いができるよう頑張りますし、もちろん目標は勝利のみです。 |
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
あの独特の雰囲気と歴史を持つル・マンで戦うというのはいつだってエキサイティングなことですが、今年はさらに特別です。ル・マンは究極の耐久テストであり、中でも特別な大会となる今年、ドライバーとして参加できるのは光栄です。私にとって、今大会はTGRとの12回目の挑戦になります。その間ずっと、我々は共に素晴らしい経験と、多くの感動を味わってきました。特に、ル・マンでは2012年に全てが始まりました。その当時は、後に私が4度もル・マンで勝てるとは夢にも思っていませんでしたし、こんなに長くチームと共に戦い続けているとは想像もできませんでした。今年の大会では、強力なライバルからの挑戦を受けることになるので、これまでに培ってきた経験を総動員する必要がありますが、良い戦いができる自信はあります。 |
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
100周年記念大会という歴史に残る本当に特別なレースのグリッドに並ぶことができるというのは、とても光栄なことです。ル・マンはいつも大変な挑戦になりますが、今年は多くのハイパーカーが参戦してくるので、例年以上に厳しい戦いになるでしょう。我々はシーズン開幕から3連勝を果たしていますが、ライバルチームは着実に実力を高めてきていますし、我々同様、彼らもル・マンへ向けて大変な努力をしているはずです。それだけに、激戦になるだろうことは予想できますし、ミスは許されません。ファンの皆様にとっては素晴らしいイベントになると思いますが、チームやドライバーにとっては多くのハードワークが待っています。とは言え、私自身はル・マンが待ちきれません。 |
平川亮(8号車 ドライバー):
昨年は、ル・マンでの勝利という夢が叶った、信じられない瞬間となりました。ル・マンのレースウィークは、コース上でもそれ以外の場所でも全開を強いられ、常にベストを尽くすためにエネルギーが必要な、大変な1週間でしたが、あれからセバスチャンとブレンドンとチームの一員として1年を共に戦ってきたことで、今は全く問題なく、落ち着いて臨めるようになってきました。ル・マンで何を期待され、どう準備すれば良いのかもわかっているので、今年はさらに良い状態でレースを戦えると思います。我々のGR010 HYBRIDの競争力は証明されていますし、チームは耐久レースでの経験も豊富です。自信はありますが、クルマをもっと良くするため、常に努力を続けて行きます。 |
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