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新型「メルセデス AMG SL 63 4MATIC+」を追加

2023年4月25日

  

メルセデス AMG のラグジュアリーロードスター
新型「メルセデス AMG SL 63 4MATIC+」を追加

  

・ 最高出力430kW(585PS)、最大トルク800N・mのV8ツインターボエンジンを搭載

・ SLとして初めて四輪駆動システム「4MATIC+」とリア・アクスルステアリングを採用

・ アンチロール機能を備えたAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンション

 メルセデス・ベンツ日本株式会社(社長:上野金太郎、本社: 東京都品川区)は、 メルセデス・ベンツのラグジュアリーロードスター新型メルセデス AMG SL に「SL 63 4MATIC+」を追加するとともに、SL 43 の装備を一部見直し、全国のメルセデス・ベンツ 正規販売店ネットワークを通じて本日より発売します。

 「Super」と「Light」(軽量)を略したモデル呼称であるSLは、1952年に公道を走行できる レーシングスポーツカーとして発表され、ルマン24時間レースで見事なワンツー フィニッシュを飾ったほか、世界各地のレースで輝かしい戦績を重ねた 「300 SL」(W194)をベースに、1954年に「300 SL」(W198)として発売されました。初代 300 SLの誕生から70年を迎え、新型SLはメルセデスAMGによる完全自社開発モデル として生まれ変わりました。SL専用の高剛性プラットフォームによる卓越したドライビング パフォーマンスと快適性を兼ね備えたドライバビリティ、2+2シートレイアウト*1、そして AMG製V8ツインターボエンジンがもたらすパワフルなドライビングを楽しむことができる モデルです。また、インテリアはアナログとデジタルを融合した「ハイパーアナログ」 デザインを採用することで、300 SLのデザインをオマージュしながらもラグジュアリーで 快適な空間を実現しています。
*1: 安全上の理由から後席は対応身長150cm以下、チャイルドシート装着時は対応身長135cm以下となります。


メルセデスAMG SL 63 4MATIC+

  

パワートレイン
 SL 63 4MATIC+はメルセデス AMG 社が完全自社開発した、最高出力 585PS (430kW)、最大トルク 800N・m を発揮する AMG 4.0 リッターV 型 8 気筒直噴ツインターボ エンジン「M177」を搭載しています。砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウム クランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせることで、軽量かつ高強度 なエンジンを実現しました。また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射 コーティングする NANOSLIDE®摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減 しています。さらに、燃料を効率的に消費するために、「Comfort」モードで走行中、 エンジン回転数が 1,000~3,250 回転で低負荷の際に、2/3/5/8 番の 4 気筒を休止 することで燃料消費量と CO2 排出量を抑えることができる「AMG シリンダーマネジメント」 も搭載しています。

 なお、SL 63 4MATIC+の 0-100km/h 加速は 3.6 秒、最高速度は 315km/h です。

 ターボチャージャーは、2 基搭載し、この 2 基のターボチャージャーは V 型シリンダー バンクの外側ではなく内側に配置する「ホットインサイド V」レイアウトとしています。 また、採用されたタービンは、レスポンスをさらに改善する狙いから、ツインスクロール ターボチャージャーとし、ハウジングが 2 つに分割され、並行するフローチャンネルと なっているほか、これに合わせてエグゾーストマニホールドのダクトも 2 本とされているため、 排気をタービンホイールまで 2 つの経路に分離して導くことができます。一方のダクトには、 同一シリンダーバンクの 1 番目および 2 番目のシリンダーからの排気が、もう一方 のダクトには 3 番目および 4 番目のシリンダーからの排気がそれぞれ供給されます。 これは、シリンダー間の排気干渉を防いでガスサイクルを改善するためのもので、 これにより排気の背圧が低減され、ガス交換が改善されます。その結果、出力の増強 (新たな混合気によるシリンダー充填が改善することによる)、低速トルクの増強、 そしてより速いレスポンスが実現します。

 SL 63 4MATIC+に搭載される M177 エンジンの特長は、重量を最適化したピストン の採用や、エアインテークおよびインタークーラーシステムの改良、広範な新開発 ソフトウェアの導入などが挙げられます。ピエゾインジェクターとスプレーガイド式 ガソリン直噴燃焼システムに加え、100%アルミニウムのクランクケース、可変カム シャフトを採用した 4 バルブ方式、水冷式インタークーラー、ジェネレーター管理、 ECO スタートストップ機能、セーリング機能などは、先代モデルよりそのまま受け 継がれています。

 この M 177 エンジンは SL に搭載されるにあたり、新しいオイルパンとインタークーラー の搭載位置変更、アクティブクランクベンチレーションシステムが採用されました。 吸気ダクトと排気ダクトについては最適化が施され、ガス交換の効率がさらに高まり ました。また、触媒コンバーターボックスとガソリンエンジン用粒子状物質除去フィルター に対する排気流路が拡大されています。SL 63 4MATIC+の出力増強は、主にブースト圧 の引き上げと気流の増大、エンジンソフトウェアの変更によって実現したものです。

エンジンと車体との接続部には磁性流体の可変マウントである AMG ダイナミック エンジンマウントを採用しています。各種センサーからの情報によりドライビングの状況 を検知して、マウントの硬さを自動で調整します。通常走行時は柔らかいマウントによって ドライブトレインからのノイズと振動を効果的に遮断し快適性を高めます。ダイナミック なドライビング時にはマウントを硬くすることでドライブトレインのロールモーションを 減少しクイックなコーナリングを実現します。

 SL 63 4MATIC+では、高出力のエンジンを効率的に冷却するために、高温回路と 低温回路、エンジンオイルを冷却する回路、合計 3 つの独立した冷却回路を設けて います。

 互いに独立して作動する 3 つの回路の構成は 3 列構造の主冷却モジュール(高温 ラジエター、低温ラジエター、コンデンサー)と、フランジに取り付けた冷却ファン、 それに補助インテークラジエター(高温回路用)は、大型のラジエターシュラウドの後ろ、 エンジン前方中央に配置されています。これによって、大量の空気を最適な形で ラジエターに供給可能となります。

 このうち高温回路は、AMG 4.0L V8 ツインターボエンジンと 2 基ターボチャージャーを 冷却するもので、室内に対してオンデマンド型の快適な温度制御を行う暖房用熱交換器 もその対象としています。機械式ウォーターポンプは省スペースの観点からエンジン ブロック上に配置され、カムシャフト上のピニオンがウォーターポンプの歯車に噛み 合う形で、タイミングアッセンブリーにより直接駆動されています。このポンプは圧力 最大 4 bar、吐出量 400L/分で作動し、総量 12.3L の冷却液を循環させます。

 低温回路は容量 7.2L とやや小さめで、インタークーラーと AMG スピードシフト MCT 9 速トランスミッション、それにエンジン制御装置を対象としています。また、メイン ラジエターの能力をサポートするものとして、左側ホイールアーチ内に補助ラジエター が設けられています。間接的に冷却を行う水冷式インタークーラーを採用することで 効率的な給気冷却(過給された吸入気の冷却)が可能となっており、環境条件が 厳しい場合でも高い性能を発揮します。プラスチック製の吸気ボックスは、圧力損失 を最小限に抑えつつパイプ内の空気を最大限に均等化できるよう設計されています。 給気冷却用の各コンポーネントはサイズを工夫することで、給気の温度が周囲の 温度より高い、正確に決められた値に保たれるようになっています。

 第 3 の冷却回路は、エンジンオイルを対象とするもので、右側ホイールアーチにある 水冷式オイルクーラーにより、オイルを速やかに昇温させることができます。これに はエンジンの寿命を延ばし、コールドスタート時の燃費を抑える効果があります。 さらに、この回路はエンジンのオーバーヒートによる損傷を防ぎます。エンジンの外に 設けられたオイルクーラーは、専用のオイルサーモスタットによって制御されています。 オイル用の配管と冷却水用の配管には、スチール製ではなくアルミニウム製を採用 することで軽量化を図っています。

  

AMG スピードシフト MCT 9 速トランスミッション
 SL 63 4MATIC+にも AMG スピードシフト MCT 9 速トランスミッション(MCT=Multi-Clutch Transmission)が搭載され、特別なチューニングが施されています。トルクコンバーター の代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと 高い伝達効率を実現しています。トルクコンバーターに見られる損失を低減し、 軽量化も相まってレスポンス向上に貢献しています。シフトダウン時の自動ブリッピング 機能やレーススタート機能によってダイナミックな走りも愉しめます。さらに、高速走行時 などにアクセルから足を離すとエンジンとトランスミッションを切り離して燃料消費を 抑えるセーリング機能の採用によって燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティな ドライビングが愉しめる「Sport」「Sport+」「RACE」、滑りやすい路面を安全に走行する 「Slippery」、様々なパラメーターを個別に設定できる「Individual」の 6 つのモードを 設定しました。

 また、シフトダウン時に一速飛ばしたギアを選択したり、自動ダブルクラッチ機能な ど効率良くシフトチェンジを行います。

 ドライブモードは以下のとおり。さまざまな走行状況やドライバーの好みに合った走り をお届けします。

・Slippery:パワーを落とし、トルクカーブをフラットに保つことで、滑りやすい路面 や凍結路面に対応するモード。具体的には、滑らかなギアチャンジを行うこと、 シフトアップタイミングを早めることにより、安定性重視の走りを実現します。

・Comfort:快適かつ低燃費の走りをサポートするもので、そのためにシフト アップのタイミングを大幅に早めるほか、サスペンションとステアリングの 設定では快適性を強調。また、ECO スタートストップ機能も作動します。

・Sport:スポーティな特性を持つモード。ドライバーのアクセル操作に対してより 俊敏に反応するほか、シフト時間が短くなり、シフトダウンのタイミングが 早まります。さらに、ブリッピング機能により、通常よりはるかにエモーショナルな ギアシフトが行われます。サスペンションとステアリングもよりダイナミックな 設定となります。

・Sport+:きわめてスポーティな特性。スロットルレスポンスがさらに鋭くなるほか、 シフトダウン時のブリッピング機能のエンジンサウンドが強調され、シフト アップ時にはシリンダー抑制による目的に沿ったトルクコントロールによって シフト時間が最適化されます。また、アイドリングの回転数を高め、より速やかな 発進を可能にします。サスペンション、ステアリング、パワートレインはいっそう ダイナミックな設定となります。

・Individual:個々のパラメーターを個人の好みに応じて選択・保存できるモード です。また、パワートレイン設定を「リデュースト」または「モデレート」にすると、 セーリング機能も使えるようになります。

・Race: レース用サーキットでの走行に適したモードです。
(サーキット走行専用のため、公道では使用しないでください。)

  

AMG のパフォーマンス志向連続トルク可変配分式四輪駆動システム「4MATIC+」
 SL 63 4MATIC+には初代以来 70 年近くにおよぶ SL の歴史の中で、今回初めて 四輪駆動が採用され、AMG のパフォーマンス志向連続トルク可変配分式四輪駆動 システム「4MATIC+」を標準装備しています。このシステムは、異なる駆動方式の利点を 兼ね備えています。駆動トルクの前後配分比を無段階*2 で連続的に変化させることで、 物理的限界まで最適なトラクションを確保するだけではなく、ドライ、ウェット、スノー といったあらゆる走行条件下で高い操縦安定性と安全性を実現します。また、制御 機能を車両全体のシステムアーキテクチャーに統合する洗練されたマトリックスを ベースとして、後輪駆動から四輪駆動、またその逆の移行が間断なく行われます。
*2: フロントの駆動配分は 0~50%

 常時駆動されるリアアクスルに、可変的にフロントアクスルを接続するのは電子制御 機械式クラッチです。走行条件やドライバーの運転操作に応じて、最善のトルク配分 を常に計算することで、トラクション重視の四輪駆動と純粋な後輪駆動の間を連続的 に変化させながら走行することができます。四輪駆動は優れたトラクションと横方向運動 特性を実現するほか、前後方向の運動特性も改善することから、いっそうパワフルな 加速が可能となります。

  

マルチリンク フロントサスペンションとアクティブアンチロール安定化機能
 SL 63 4MATIC+のフロントには、メルセデス AMG の量産車としては初めて 5 本の リンクをホイールの内側にすべて収めたマルチリンク式が採用されており、そのため 運動学性能が大幅に向上しました。ホイールをコントロールする部分とサスペンション 機能を受け持つ部分を相互に独立させることで、高い横加速度を可能としつつ、

 ステアリングシステムに対する駆動力の影響を最小限に抑えています。リアサスペンション にも、5 リンク式が採用されています。

 またサスペンションには、新たに開発された AMG ACTIVE RIDE CONTROL サスペンション が採用されました。メルセデス AMG の量産モデルとしては初めての搭載となります。 トーションバー(スタビライザー)を利用した従来の機械的なアンチロールバーに代えて 能動的な油圧機構を採用したことによりロールを瞬時に補正することが可能になり ました。これを実現するため、アダプティブダンパーも 2 つの油圧接続を備えています。 一方はダンパーの縮み側に、他方は伸び側にあり、全 4 輪におけるダンパーチャンバー とラインの接続は、アダプティブダンパーのコントロールバルブを介してなされています。

 4 本のサスペンションストラットを相互に油圧接続するとともに、ポンプとスイッチング バルブに対して圧力調整を行うことで、きわめて広いロールレートの確保と同時に ロール動作の低減が可能となりました。これにより日常走行では、片側に凹凸が あっても個別に補正されるため、快適性が向上します。また、ダイナミックなコーナリング時 には、油圧装置によりキャンバーの減少が能動的に抑制されることから、結果として 高いキャンバー安定性が得られ、きわめて正確なコーナリングが可能になります。

 直進時には、ドライブモードや走行状況に応じて、ロールの原因となる個々の障害物 に対して補正を行います。そのため、ドライバーも同乗者も極めて快適な走行を楽しむ ことができます。コーナリング時はロールが低減され、快適性とドライビングダイナミクス との両面で効果が得られます。また、各ドライブモードの特性も、快適志向とスポーティ な走りとの間の開きをいっそう広げることが可能になりました。

 サスペンションの基本原理は、車両の各ダンパーの縮み側と伸び側が相互に 接続されていることに基づいています。左前のダンパーの縮み側は、右前のダンパーの 伸び側と油圧ラインを介して接続されています。さらに、左後ろのダンパーの縮み側 および右後ろのダンパー伸び側とも接続されています。また、ダンパーチャンバーの 他方の側も、別の回路を介して相互に接続しています。つまり、それぞれの油圧ライン 経路は「H」の形となります。

 ダンパーの相互接続に加え、システムには他にもサスペンション機能にとって重要 なコンポーネントが採用されています。このうち、ダンパーの伸び側と縮み側を直接 接続しているのが、「コンフォートバルブ」と呼ばれる電子制御 2/2 ウェイバルブです。 また、ダンパーの縮み側にはそれぞれアキュムレーターが取り付けられています。 さらに、2 つの回路をつなぐ中央ポンプがありますが、これは両方の回路で油圧システム の圧力を調整できるようにするもので、このポンプと 2 つの回路を接続しているのが 上述の 2/2 ウェイバルブです。この 2/2 ウェイバルブの下流には圧力センサーがあり、 それぞれのライン内のシステム圧力を監視しています。システム圧力を自由に選択 できることから、アンチロールサポートの程度を選ぶ自由が生まれます。その場合、 システム圧力が高いほどロールが発生しにくいということが原則となります。

 このシステムは、車両がすでに持つ運動エネルギーを利用してロール挙動にプラスの 影響を与えるもので、そのため動作はきわめて効率的です。AMG ACTIVE RIDE CONTROL サスペンションの油圧回路は、フロントアクスルリフトシステムにも対応 しています。必要な場合にフロントエンドを 30mm 上昇させることで、地下駐車場への 進入や減速バンプを乗り越えるのを容易にするもので、操作は、センターコンソール のメディアディスプレイで行います。コントロールバーにあるスイッチを押すと、関連 するメニューが表示されます。また、フロントアクスルリフトシステムを使用した場所 を GPS を利用して記憶することも可能です。記憶する事で、その場所を再び通る際、 フロントエンドが自動的に上昇するようになります。

  

リミテッド・スリップ・デフ
 SL 63 4MATIC+にも SL 43 と同様に、リアに電子制御リミテッド・スリップ・デフを 標準装備することで、あらゆる走行状況において卓越したトラクションと最大限の 走行安全性を約束します。これにより、後輪のトラクションがさらに改善されるほか、 物理限界におけるコーナリングスピードも向上します。また、高速で車線変更する際 も最大限の操縦安定性が確保されます。このシステムは、加速時とアクセルオフ時 に可変的に差動制限効果を発揮するほか、さまざまな走行状況や路面摩擦係数に 対応しています。

  

リア・アクスルステアリング
 SL 63 4MATIC+には長い歴史を誇る SL に今回初めて、リア・アクスルステアリングが 標準装備として導入されました。車速に応じて、左右の後輪に前輪と同方向あるいは 逆方向に舵角を与えるもので、SL 63 4MATIC+の特性に合わせて精密にチューニング されており、アジリティと操縦安定性を同時に実現します。また、リア・アクスルステア リング搭載した事に加え、前輪のステアリングギア比を 12.8:1 とよりダイレクトに 変更した事で、限界域におけるコントロールが容易になる事やステアリング操作の 負担が小さくなる、などのメリットが生まれます。(リア・アクスルステアリングが無い 場合のステアリグギア比は 14.2:1)

 システムの中核をなす電気機械式アクチュエーター2 個(スピンドル駆動装置付き 電気モーター)では、ステアリングホイールには機械的に接続されていません。これが、 リアアクスルにおいて通常のコントロールアームに代わるものとなります。この「バイワイヤ」 システムにより、あらかじめ設定した特性マップの範囲内で後輪に対して電子制御 の調整が行われます。後輪の最大操角は 2.5 度となります。

 100km/h 以下では、後輪は前輪とは逆方向に操舵されます。これは、ホイールベース を短くするのと同等の効果を生み出し、その結果、コーナリング進入時のアジリティ がはるかに高まるため、ドライビングがいっそう楽しくなり、ドライバーによる操舵量 も小さくて済みます。その他のメリットとしては、方向転換時や駐車時など日常の 走行場面における機動性の向上や回転半径が小さくなることなどが挙げられます。

 100km/h を超えると、後輪は前輪と同じ向きに舵角が与えられます(最大舵角 0.7 度)。 これによりホイールベースを長くすることと同じ効果が生じるため、操縦安定性が 高まります。同時に、方向を変える際、後輪に働く横力がはるかに速く高まるようになり、 ステアリング操作に対するレスポンスが素早くなります。

 リア・アクスルステアリングはコーナリング性能を高めるだけでなく、限界域での コントロールをより容易なものとするため、突然の回避操作でもドライバーをアシスト することでアクティブセーフティを強化します。

 リア・アクスルステアリングのレスポンスは、AMG ダイナミックセレクトのドライブモード によっても変わります。例えば「Sport+」モードでは、低速でいっそう敏捷でダイレクト なレスポンスとなります。

  

内外装デザイン
 SL 63 4MATIC+の内外装は、SLの最高峰モデルを体現するデザインを採用し、特に フロントとリアはさらにスポーティなデザインとなり、その高い動力性能を表現しています。 また、オプションのAMGカーボンパッケージを選択すると、フロントスポイラーやサイド エアインテーク、サイドスカートトリム、リアディフューザートリム等にカーボンファイバー が装着されるとともに、マットブラックペイント21インチAMG 10ツインスポークアルミホイール(鍛造)となり、さらにスポーティなエクステリアとなります。インテリアにも AMGカーボンファイバーインテリアトリムをオプションとしてご用意しています。

  

内外装デザイン
 SL 63 4MATIC+の内外装は、SLの最高峰モデルを体現するデザインを採用し、特に フロントとリアはさらにスポーティなデザインとなり、その高い動力性能を表現しています。 また、オプションのAMGカーボンパッケージを選択すると、フロントスポイラーやサイド エアインテーク、サイドスカートトリム、リアディフューザートリム等にカーボンファイバー が装着されるとともに、マットブラックペイント21インチAMG 10ツインスポークアルミホイール(鍛造)となり、さらにスポーティなエクステリアとなります。インテリアにも AMGカーボンファイバーインテリアトリムをオプションとしてご用意しています。

  

SL 43 にメモリーパーキングアシストを標準装備
 SL 43 に、所定の A 地点(ご自宅駐車場等)と B 地点(乗降場所等)のルートを 車両に記憶させることで、車両が区間の移動および駐車する*3 メモリーパーキング アシストを標準装備しました。なお、ルート上に障害物を検知すると停止します。

 また、新デザインのボンネットエンブレムを採用しました。

 さらに、新たにヒマラヤグレーペイント 21 インチ AMG 10 ツインスポークアルミ ホイールと内装色クリスタルホワイト/ブラック(ナッパレザー)を有償オプションとして ご用意しました。
*3: ドライバーは運転席に残る必要があります。また、メモリーパーキングアシストの使用は私有地に限定さ れます。公共の駐車スペースなど公道では使用しないでください。

  

ラインアップ
 メーカー希望小売価格(消費税込み)は以下の通りです。

*4: 上記のメーカー希望小売価格は、付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない 車両本体価格です。また、「自動車リサイクル法」に基づく、リサイクル料金が別途必要となります。 メーカー希望小売価格は参考価格です。価格は販売店が独自に定めておりますので、詳しくは各販売店に お問い合わせ下さい。

*5: BSG は Belt-driven Starter Generator の略称です。

 なお、SL 63 4MATIC+にも、新車購入から3年間、一般保証修理/定期メンテナンス (点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポート/地図データ更新 が無償で提供される走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用 されます。

 また、メルセデス・ケア終了後、有償の保証延長プログラムとして、一般保証および 24時間ツーリングサポートを2年間延長する「保証プラス」をご用意しています。

  

メルセデスAMGについて
AMGは、「モータースポーツこそが技術力の優秀性を何よりも端的に示す」という 確固たる信念に基づき、1967年に誕生しました。その名は、創立者のハンス・ ヴェルナー・アウフレヒト(Aufrecht)、パートナーのエバハルト・メルヒャー(Melcher)、 アウフレヒトの出生地グローザスパッハ(Grossaspach)の頭文字から取られています。 当初はメルセデス・ベンツの市販車をベースに独自の改良を施したレーシング マシンを製造し、数々のレースにおいて輝かしい成績をおさめてきました。1988年 からはメルセデス・ベンツと本格的なパートナーシップを組み、中核となるモーター スポーツ活動を通して培ったレーシングカーテクノロジーとメルセデス・ベンツの 最先端技術を結集し、メルセデスのトップパフォーマンスモデルの開発とエンジン の生産を行っています。 創業55周年を迎える2022年現在、メルセデスAMGの 全世界のポートフォリオは50モデル以上で構成されています。また、パワートレイン は4気筒、6気筒、8気筒のガソリンエンジンはもちろんのこと、さらにF1TMの技術を 採用した高性能プラグインハイブリッド「E PERFORMANCE」、そして電気自動車と、 お客様の幅広いニーズに応えるラインアップを揃えています。

新型SLのその他の特長

  

エクステリアデザイン
 新型 SL のエクステリアデザインは、メルセデス・ベンツのデザイン基本思想である 「Sensual Purity(官能的純粋)」に、AMG のスポーティな要素を取り入れたデザインで す。ボンネットのパワードームなど、随所に SL の長い伝統を受け継ぐ特徴的な要 素が施されています。デザインの優れたバランスにより、先代に比べて機能とスペ ースが拡大されました。光と影の交錯によって全体に軽やかなエクステリアとなっ ており、高い質感と高級感も演出しています。また、SL がスポーツカーとしての原点 に回帰したことを裏付ける筋肉質なプロポーションも特長です。

 2+2 シートを収めるために拡大されたサイズコンセプトは、デザイン担当者が自由 にデザインできる余地も広げました。長いホイールベースと短いオーバーハング、 そしてブラックペイント仕上げのフレームを持つ大きく傾斜したウインドスクリーンに よって、コンパクトで低く構える外観となっています。長いボンネットや後方に 大きく下がったパッセンジャーコンパートメントなど、SL 独自のプロポーションによって、 ラグジュアリースポーツカーの外観を与えられています。ビードやエッジのない 流れるようなフォルムを持つ表面は、格納式のシームレスドアハンドルに至るまで、 名車 SL が持つ独特な精神性を未来に向けて受け継ぐデザインです。ソフトトップを 閉じると、軽やかなエクステリアがいっそう強調されます。また、筋肉質なホイールア ーチや、ボディ面に合わせて装着されたアルミホイールが、パワーとダイナミズムを 強調しています。

 パワフルでワイドなフロントエンドは、AMG 専用のフロントグリルが最大の特長です。 下側が幅広の輪郭と 14 本の垂直ルーバーは、すべての SL の始祖に当たり、 世界的な成功を収めた 1952 年製レーシングスポーツカー「300 SL」から取り入れた デザインです。このフロントグリルは近年、AMG のあらゆるモデルに採用され、最も 目を惹くアイテムとなっていますが、新型 SL では立体形状となったほか、きわめて低い 位置に取り付けられることで、ダイナミックなフォルムをさらに強調しています。

 前後に長い平たいボンネットは、AMG 独自のスポーツカー遺伝子をはっきりと表現 しているデザインで、2 本のパワードームも SL の歴史に対するオマージュとなって います。

 また、きわめてスリムでシャープな輪郭をもつ「DIGITAL ライト」が、新型 SL の 存在感をさらに高めています。このヘッドライトは暗色の内部にあしらわれた精密な グラフィクスにより奥行を強調しています。また、左右それぞれ 2 ヶ所が明るく光る デイタイムランニングライトを備えています。これによって SL はすぐに見分けること ができます。

 サイドは、力強く際立つショルダーとマットブラックペイント 21 インチ AMG マルチス ポークアルミホイールの組み合わせによって、力強く迫力のある足元を演出してい ます。なお、格納式のシームレスドアハンドルは標準装備です。

 リアエンドは、省スペース軽量型 Z フォールドのソフトトップを採用することで、 高さを抑えたパワフルなデザインとなりました。アクティブに作動するリトラクタブル リアスポイラーはトランクリッドにほぼ境目を感じさせることなく組み込まれています。 丸味が際立つリアエンドは、広いトレッドとあいまって、新型 SL の幅を強調しています。 スリムな LED リアコンビネーションランプのデザインは、ヘッドライトの形状に対応し ています。水平に伸びる直線状の部分と光るドット部分により、SL と見分けられるデ ザインとなっています。

  

インテリアデザイン
 新型 SL の室内は、初代 300 SL ロードスターに始まる伝統を現代的に蘇らせたも ので、メルセデス AMG のドライビングパフォーマンスの遺伝子を受け継ぐことで、ス ポーティかつ快適性に優れたモデルとなりました。さらに、上質な素材と丹念なクラ フトマンシップ、ディテールに対する配慮により、ラグジュアリーを感じて頂けるイン テリアに仕上がっています。コックピットは、センターコンソールに配置された電動 角度調整機能を備えたメディアディスプレイに至るまで、ドライバー重視のデザイン とし、全体に調和の取れた空間となりました。2+2 シートレイアウトの採用で一新さ れたサイズコンセプトにより、先代に比べて機能とスペースが同時に拡大されまし た。

 初代 300 SL ロードスターは、世界の名車の中でも屈指の知名度を誇っています。 ミニマリズムに依拠したその上質な室内デザインは、今回の新型メルセデス AMG SL のデザイナーたちにも大きな影響を及ぼしました。結果として、アナログ的幾何学フ ォルムとデジタル技術を融合した「ハイパーアナログ」と呼ばれるデザインが 採用されました。その好例となるのが、100%デジタルのコックピットディスプレイで、 立体的なバイザーにぴったりとはめ込まれています。

 新型 SL は 2+2 シートレイアウトを採用しており、リアシートは日常的に使うための 実用性を高めるもので、着座できる乗員の身長は 150cm までとなっています(チャ イルドセーフティシート装着時は 135cm まで)。後ろに誰も座らない場合は、リアシ ート背後にドラフトストップを装着することで、室内に乱気流が侵入することを防ぎ ます。後席シートはまた、ゴルフバッグなどを積み込む追加の収納スペースとして も利用できます。

 左右対称のダッシュボードは彫刻的で力強い翼形をしており、上下 2 つのパート に分かれています。大きな特長の 1 つとなっているのが、4 つの新開発タービン ノズル形エアアウトレットです。タービンノズル形状の面がパワフルなパワードームの 形でダッシュボードに溶け込んでいます。ダッシュボードの下側部分は、センターコン ソールから流れるように広がり、2 つの部分を継ぎ目なくつないでいます。

 コックピットは左右対称形でありながら、明確にドライバー重視のデザインです。コ ックピットの 12.3 インチ液晶ディスプレイはバイザーの中に収めることで、日光の反 射を防いでいます。

 センターコンソールは運転席と助手席を大きく分割する部分で、幅はきわめて広く、 前方へ向けて急角度で立ち上がっています。そして、そのままダッシュボードの 下側に流れ込んでいきます。このセンターコンソールの機能上・デザイン上の中心 となるのが、前後の本革面の間に埋め込まれた金属パネルです。この NACA ダクト 形状は、AMG GT や GT 4 ドアクーペの遺伝子を受け継いでおり、典型的な AMG スタイルによるインテリアデザインとなっています。NACA ダクトデザインはほぼ 継ぎ目なく 11.9 インチの縦長のメディアディスプレイへと移行していきます。このタッチ 機能付ディスプレイは、ソフトトップ開放時に日光の差し込む向きが変わることで生 じる光の反射を防ぐため、傾きを電動で調整する機能を備えています(調整範囲 12 ~32 度)。縦長のポートレートフォーマットであることから、ナビゲーション使用時など に大きな メリットが得られるとともに、エルゴノミクスの面でも自由度が大きく なります。メディアディスプレイは、SL の歴史に対する美しいオマージュとなる中央 2 個の上質なエアアウトレットに挟まれて浮くように配置されていますが、同時にまた、 室内のエモーショナルなデザインに対してデジタル的なコントラストを醸し出す要素と なっています。

 センターコンソールと同じく、ドア内側の面もダッシュボードから流れるように連続 しており、その結果、アクセントステッチで装飾されたダッシュボードの延長部分の ように見えます。このダッシュボードから続くデザインは室内全体を取り囲んでおり、 左右のタービンノズルを越えて伸びていきます。ドアセンターパネルは官能的な レイヤードフォルムとしてデザインされています。インナーグリップも、センターコン ソールと同様にデザインされており、やはり目を惹く部分です。表面の素材と造形 がこのドアにも反復されており、室内にほどよいバランスを生み出しています。 また、ドアに内蔵されたリアルメタルの BurmesterⓇサラウンドサウンドシステムのス ピーカーも、パーフォレーションパターンが目を惹きます。

 標準装備の AMG スポーツシートの前衛的かつ彫刻的なシートデザインは、表面 素材を重ね合わせたレイヤーや身体を包み込む面を設けることで巧妙な遊び心溢 れるものとなっており、そのためシートはより軽やかで、コンパクトな印象を与えます。 ヘッドレストはバックレストに組み込まれているため、シートをスポーティなフォルムと する上で役立っています。高度なテクノロジーとパフォーマンスラグジュアリーの共 生を生み出した室内空間に華を添えています。

 AMG パフォーマンスステアリングに標準装備の AMG ドライブコントロールスイッチは、 直感操作と鮮やかなカラー液晶表示、モダンなアイコンを特徴としています。 これにより、重要な走行機能とすべてのドライブモードを、ステアリングホイールから 手を離すことなく操作できます。このボタンは、設定リングを回して、液晶表示ボタン を押すことで操作します。選択した設定は、それぞれのボタンに直接組み込まれた液 晶表示部で確認できます。AMG スピードシフト MCT 9 速トランスミッションもまた、ス テリングホイール裏側の左右に配置したアルミニウム製パドルを使って、正確で速 やかなマニュアルシフトが行えます。

  

ボディシェル
 新型 SL のボディシェルには、メルセデス AMG が開発したまったく新しい車両 アーキテクチャーを採用しています。軽量なアルミニウム複合シャーシにより最大限の 剛性を生み出すもので、精度の高いドライビングダイナミクスや優れた快適性、最 適なパッケージング、それにスポーティなボディプロポーションを実現するベースとな っています。

 この新しいロードスターアーキテクチャーは、自立構造を持つ 1 つのアルミニウム製 スペースフレームで構成されています。1952年の初代 SLのスペースフレームと同様、 0 から開発したもので、コンポーネントについては先代 SL はもちろん、AMG GT ロードスターなど他のモデルから流用されたものはありません。

 新型 SL のボディシェルアーキテクチャーには厳しい要件が求められ、仕様書に示 される各種性能の範囲も先代モデルシリーズに比べてはるかに包括的なものとな りました。2+2 シートを採用するための基本レイアウトと多種多様な駆動システムへ の対応、AMG ならではのドライビングパフォーマンスを実現すると同時に、快適性や安 全性に関するメルセデス・ベンツの厳しい基準の両方を満たす必要がありました。

 アルミニウム、スチール、マグネシウム、繊維複合材を使用した材料の組み合わせ によって、重量を抑えつつ可能なかぎり最も高い剛性を実現しました。同時に、 快適性および安全性に関する先進の機能・装備や洗練されたテクノロジー、さらに ソフトトップを搭載することも可能としました。中空の熱間成形高張力スチールによる ウインドスクリーンフレームは、リアシートの後ろにあるオートマティックロールバー とともに、横転時に乗員を保護する安全装備となっています。

 ボディシェル構造のねじり剛性は、先代モデルに比べて 18%高くなりました。 横方向剛性は、きわめて優れている AMG GT ロードスターに比べ 50%増、前後方向 剛性は 40%増となりました。また、シャシーマウントの負荷導入剛性も同じく改善され、 きわめて正確なハンドリングと優れたアジリティが実現しました。ホワイトボディの重 量は約 270kg となっています。

 車両の全体コンセプトは、重心が可能なかぎり低く保たれるよう考えられています。 パワートレインとアクスルの接続部を低い位置に置いていることや、剛性面で重要な コンポーネントをボディシェル構造内に配置しているのはそのためです。具体的な 例としては、フロントおよびリアセクションとセーフティパッセンジャーセルの接続部 が曲げ強度やトルク剛性に優れていることが挙げられます。これは、力の伝達経路 を徹底して可能なかぎり低い位置とすることで実現したものです。

 MIG 溶接、レーザー溶接、パンチリベット、ブラインドリベット、MIG ハンダ、ボンド シーム、フロードリリングスクリューといった最新の接合方法とそれらに必要な 精密な工具製作によって、ボディシェルの品質が最高水準にまで高められました。 隙間の寸法や曲率、接合部の経路についても同様です。また、この新しいボディシ ェルアーキテクチャーは、多くの面で法的要件をはるかに超える、社内の厳しい衝 突関連要件をすべて満たしています。

 こうした厳格な品質基準にもかかわらず、デジタル開発に使用したソフトウェアの 品質が高かったため、シャーシプロトタイプの実物がなくても量産用機械の製造を スタートさせることが可能となったのです。また、事故時のパッシブセーフティにとっ てきわめて重要な、いわゆる構造確認車両は、すでに初回の実際の衝突テスト時から 厳格な社内要件を満たしていました。

  

ソフトトップ
 ルーフについては、新型 SL がスポーツ性をより重視したポジショニングを与えられた ことから、先代の金属製バリオルーフに代えて電動ソフトトップを採用することと なりました。21kg も軽く、重心が低くなったことから、ドライビングダイナミクスや ハンドリングにプラスの効果が生まれています。しかし、これと同時に開発プロセスで は、日常的に使える高い実用性と優れた静粛性を保つことが課題となりました。

 これを実現したのが 3 層構造です。ピンと貼りつめた外側シェルと精度よく仕上げた ルーフライナーの間に、防音マットを挟んでいます。このマットは面積当たり重量が 450g/㎡の上質素材を使用しており、優れた防音効果を発揮します。

 省スペース軽量型 Z フォールドの採用によって、一般的なソフトトップコンパートメ ントカバーが不要となりました。前部にルーフキャップが付いていることから、 ソフトトップを完全に開いた後も、周囲の面より突き出ることもなくきれいに収納 されます。開閉は約 15 秒で完了し、車速 60km/h までであれば走行中でも開閉 できます。操作は、センターコンソールのスイッチパネルまたはタッチ機能付の メディアディスプレイで行います。画面には開閉動作の進行状況が動画で表示 されます。

 ソフトトップは、重量を最適化したスチール/アルミニウム製構造の採用により軽量化 が図られており、SL の低重心化に役立っています。また、追加の補強材として、 2 本の丸いアルミニウム製クロスビームが一体化されています。外側のカバーの色 はブラック、グレー*6 、レッド*6 と 3 色あります。また、リアウインドウについては、ヒ ーター付の安全ガラスを使用することで、優れた後方視界を確保しています。
*6:有償オプション

 さらに、ソフトトップコンパートメントもファブリック製の新方式が採用されています。 固定式のシートメタル製コンパートメントなどと比べてはるかに軽くコンパクトとなった ため、その分トランクを大きくすることが可能になりました。トランク容量は 213L あります。ソフトトップを閉じると、このパーティションがスライド上昇して標準の 仕切り位置よりもトランク容量を拡大し、約 240L にします。

 フットトランクオープナーは、リアバンパーの下側に足を近づけるだけで、手を使わずに トランクリッドを自動で開閉できる便利な機能です。

  

アジリティと走行安定性の両立
 新型 SL は、AMG ダイナミックセレクト ドライブモードの 1 つの機能として、AMG ダイナミクスを搭載しています。AMG ダイナミクスは統合型車両運動制御システムとして、 全輪の制御やステアリング特性、ESP®の追加機能に対してアジリティを強化する 介入を行うことで ESP®の車両安定化機能を拡張するものです。例えば、速いスピードで コーナリングする場合、短いブレーキ介入をコーナー内側の後輪に対して行うことで、 車両の垂直軸まわりに所定のヨーモーメントを発生させ、反応よく正確にコーナーに 進入できるようにします。〔AMG ダイナミクスのレベル設定は、〕安全性を大きく重視 するものからきわめてダイナミックなものまで、広い範囲をカバーしています。

 ドライブモードを選択すると、「AMG DYNAMICS」のシンボルがメディアディスプレイ に表示されます。

・「ベーシック」レベルは「Slippery」と「Comfort」の 2 つのドライブモードに割り 当てられるもので、この場合はヨーを強く抑制した、きわめて安定したハンド リング特性となります。

・「アドバンスト」レベルは、「Sport」モードで起動し、中立的なバランスの取れた 車両特性となります。ヨー抑制が緩和されるほか、ステアリングを切る角度 が小さくて済むようになり、アジリティが強化されることで、ワインディング ロードなどでのダイナミックなドライビングをサポートします。

・「プロ」(プロフェッショナルの略)は「Sport+」モードに割り当てられるもので、 ドライバーに対するダイナミックなドライビングのためのアシストがいっそう 強化され、コーナリング時のアジリティと路面フィードバックがさらに高まります。

なお、ドライブモードの「Individual」では、AMG ダイナミクスの 4 レベル(「ベーシック」、 「アドバンスト」、「プロ」、「マスター」)をドライバーが自分で選択することができます。

  

エアロダイナミクス
 新型 SL の開発では、優れた空力効率を達成することが重点目標の 1 つとなりました。 具体的には、空気抵抗の低減と揚力の低減を完璧なバランスで実現することを意味 します。この面では、メルセデス AMG がモータースポーツで培った幅広いノウハウが 大いに寄与しています。前後に設けられた、エアロダイナミクスに関係するさまざまな 能動的に機能するアイテムは、エクステリアデザインに完璧に一体化されています。 そのほか、きめ細かな工夫を施すことで、空気抵抗係数=Cd 値は 0.31 にまで低減 されました。オープントップのスポーツカーとしては非常に優れた値です。この優れた エアロダイナミクスにより、低燃費と安定したハンドリングが実現しました。

 走りの安定性、空気抵抗、冷却、ウインドノイズ――SL のエアロダイナミクスはこの ように複雑な要件を満たしています。バランスの取れたエアロダイナミクスによって、 高速での突然の回避操作などで生じる危険を軽減することが可能になったほか、 ドライバビリティが向上するととともに、優れた効率が得られ、ウインドノイズも低い レベルに抑えられています。

 ロードスターで特に難しいのは、ソフトトップの開閉状態にかかわらず空力バランスを 均等に保つこと。クルマとしての性格やドライビング特性は常に不変でなければなり ません。加えて、サイドウインドウを下げたり、ウインドディフレクターを使用したりして 条件が変わってもノイズレベルが大きく変わらないことが求められます。

 エアロダイナミクスを改善する技術的に重要な装備として、アクティブエアコントロール システム「エアパネル」が挙げられます。上部エアインテーク奥に電子制御式の水平 ルーバーを備えており、これをアクチュエーターモーターの働きで開閉することにで、 気流を導くことにより空力性能を高めます。

 これらのルーバーは、高速走行中も含めて通常は全て閉じており、空気抵抗を 低減します。あらかじめ決められたコンポーネントが一定の温度に達し、特に大量の 冷却気が必要となった時にのみルーバーを開き、各種熱交換器へ流れる空気の量を 最大限に高めます。これにはきわめて高度かつ高速な制御が要求されます。

 もう 1 つ、能動的に機能する空力コンポーネントとして、SL のシルエットにシームレス に一体化されたリトラクタブルリアスポイラーがあります。これは、走行状態によって 角度を変えるものですが、その場合、制御ソフトウェアは、車速や前後方向および 横方向の加速度、操舵速度など数多くの項目を考慮に入れてスポイラーの位置を 決定します。

 スポイラーのポジションは 5 段階に設定されており、車速 80km/h 以上で展開し、 操縦安定性を最適化したり、空気抵抗を低減したりします。積極的なドライビングを 検知した場合は、最大角度のポジションへ移行し、ダイナミックかつ安全な走行を バックアップします。

・ポジション 0(格納状態)、角度マイナス 11 度、0~80km/h:リアスポイラー はトランクリッドのデザインと完全にひとつとなり、停車時や低速走行時の 外観をすっきりとしたものにします。スポイラーの展開・格納を行う機構は、 駐車中には汚れが付着したり異物が侵入したりしないよう保護されます。

・ポジション 1、角度プラス 6 度、80~140km/h:新型 SL の空気抵抗が最も 小さく(ポジション 0 よりも小さい)、可能なかぎり最高の効率と低燃費を実現 します。

・ポジション 2、角度プラス 11 度、140~160km/h:中速域以上での、小さな 空気抵抗と優れた操縦安定性との間の最適なバランスを実現します。

・ポジション 3、角度プラス 17 度、160km/h~最高速度:車両のトップスピード に至るまでの、空気抵抗の小ささとハンドリングの安定性の間の最適なバラ ンスを実現します。

・ポジション 4、角度プラス 22 度、「ダイナミックポジション」、120km/h~最高 速度、きわめてダイナミックな走りが検知された場合:最大限のダウンフォース を生み出すことで、最高のロードホールディングを確保。同時に、最高の 走行安定性を実現します。また、走行状況にかかわらず、ドライバーがステア リングホイールに配置された AMG ドライブコントロールスイッチの液晶表示 ボタンを押すことで、スポイラーをこの位置まで展開させることも可能です。

  

MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)
 新型SLには、12.3インチのワイドディスプレイを採用するコックピットディスプレイと、 11.9インチの縦型メディアディスプレイの2画面を標準装備しています。 また、2018年から順次各モデルに搭載し、熟成が進められてきた、対話型インフォテインメントシステム「 MBUX 」が、さらに進化しました。ボイスコントロ ールは 「Hi, Mercedes」をキーワードとして起動します。音声認識機能は多くのインフォテイン メント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報) に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応して います。また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールに あるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能です。ドライバーの 好みや運転状況に応じて使い分けることが可能で、安全なドライブに寄与します。

  

テレマティクスサービス「Mercedes me connect」
 自動車が通信することによりお客様の利便性を向上する先進的なテレマティクス サービス「Mercedes me connect」は、「安心・安全」と「快適」の側面からお客様のカー ライフをサポートします。

「3 年間無料、以降7年間自動で継続されるサービス」
- 24時間緊急通報サービス*7:事故検知時(エアバッグ、シートベルトテンショナー 展開時)または車内にあるSOSボタン押下時に、コールセンターが消防に 連絡します。
- 24時間故障通報サービス:ツーリングサポートが必要な際に、meボタンを 押すとツーリングサポートセンターにつながります。
- リモート(車両)ステータス確認:車両の走行距離等の状態をアプリ等で 確認できます。
- Send2Car: スマートフォンから、ナビゲ―ションの目的地を遠隔設定できます。
*7: 別途途ボッシュサービスソリューションズとの契約が必要です。
「3年間無料のサービス」(有料で継続可)
- リモートドアロック&アンロック:スマートフォンの操作で車両ドアのロック、 アンロックができます。
- 駐車位置検索:駐車した車両の位置をアプリの地図上に表示します。
- オフストリートパーキング(オンライン駐車場情報):駐車場の場所だけでは なく空車情報もオンラインでナビゲーション地図上に表示します。

  

新型 SL に搭載される安全運転支援システムの詳細説明

「インテリジェントドライブ」
高度化されたステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーの働きにより周囲の 交通状況をより的確に把握することができるようになり、機能が大きく強化されました。

・ アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)
・ アクティブステアリングアシスト

 「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)」は、 ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより、高速道路などの 走行時に先行車を認識して、速度に応じて車間距離を調節します。減速が 必要 な場合 、 アク セ ルおよ びブ レー キ を 調整し てス ム ー ズに減 速し、 先行車が停止した場合は自車も停止します。また、新たに停止している 先行車の検知も可能となりました。先行車および停止中の車両との距離が 突然縮まった場合には、警告灯と警告音でドライバーに知らせます。

 自動再発進機能も備わり、高速道路での渋滞時に自動停止した際、 30 秒以内に先行車が発進した場合は、ドライバーがアクセルを踏まなくても 自動で再発進します(一般道では3秒以内)。30秒以上停止していた場合は、

 アクセルを軽く踏む、またはステアリング上のスイッチを使用して再発進が 可能です。 「アクティブステアリングアシスト」は、車線のカーブと先行車を、車線が 不明瞭な道ではガードレールなどを認識し、車間を維持しながらステアリング 操作をアシスト*9 します。
*8: アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)作動速度範囲:0~約 210km/h 設定可能速度範囲:約 20~210km/h
*9: 車線が不明瞭な場合のアクティブステアリングアシスト作動範囲:0~約 130km/h

 ・ 渋滞時緊急ブレーキ機能
 ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーで、先行車およびその 左右の車線を監視します。突然渋滞の最後尾が現れた場合などに、前走車 との衝突の危険を検知します。その左右などに回避スペースが無いと判断 すると、即座にブレーキが作動し、衝突回避または被害軽減を図ります。回 避スペースがある場合は、ドライバーの回避操作を優先します。ただし、 ドライバーが反応しない、または回避操作が遅れて衝突が回避できないと 判断した場合には、即座にブレーキが作動します。さらに、渋滞末尾で回避 操作を行う空間的余裕がない危険な状況を検知して、通常よりはるかに 早い段階でブレーキを作動させる機能も搭載しました。
*10: 作動速度範囲:約 7km/h~130km/h (他の車線へ回避不可の場合)
  作動速度範囲:約 7km/h~120km/h (他の車線へ回避可能な場合)

 ・ アクティブレーンチェンジングアシスト
高速道路を走行時にアクティブステアリングアシストが起動している際に、 ドライバーがウインカーを点滅させると 3 秒後に車両周囲を監視している センサーが他の車両などとの衝突の危険が無いことを確認し、安全が確認 された場合に車線を変更します。
*11: 作動速度範囲:約 80km/h~180km/h (一般道での利用不可)

・ アクティブエマージェンシーストップアシスト
 アクティブステアリングアシストが起動している際に、ドライバーが一定時間 ステアリング操作を行わない場合、警告灯と警告音によってステアリングを 握るよう促し、それでもドライバーがステアリング、アクセル/ブレーキ、タッチ コントロールボタンの操作の反応が無い場合は、さらに警告音を鳴らしながら、 緩やかに減速して停止します。また、車両停止後は自動的にパーキング ブレーキがかかることで、後方からの衝突による二次災害を防止します。
*12: アクティブステアリングアシストが ON の場合に作動します。 また、作動条件や減速力は道路状況や運転状況等により異なります。

・ アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)
 先行車、前を横切る車両や合流してくる車両、歩行者、路上の物体などとの 衝突の危険性を感知すると、ディスプレイ表示や音でドライバーに警告します。 必要な場合はシステムが衝突を回避するために強力な制動力を発揮できるよう ブ レ ー キ 圧 を 高 め ま す 。 ド ラ イ バ ー が 反 応 し な い 場 合 、 シ ス テ ム が 衝突を避けられないと判断して、最大のブレーキ力で緊急ブレーキが作動し ます。衝突の回避もしくは被害軽減を効果的にサポートします。なお、交差 点での車両飛び出しにも対応します。また、対向車線を横切って右折しよう とするときに、対向車線を直進してくる車と衝突する危険がある場合、通 常の車速範囲内であればブレーキが作動します*16。
*13: 作動速度範囲:約 7~250km/h
*14: 歩行者検知機能 作動減速範囲:約 7~70km/h
*15: 作動速度範囲は、気象条件や道路状況等により変動することがあります。
*16: センターライン(実線、破線、白色、黄色いずれでも可)のある道路で、ドライバーによる進路 変更の意思表示があり(ウインカー操作)、かつ車線境界を越えずに車両を停止させることが 可能な場合。

・ 緊急回避補助システム
 車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、 システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング 操作をアシストします。また、回避後の車線復帰も同様にサポートします。
*17: 作動速度範囲:約 20~110km/h
*18: 本システムはドライバーがステアリングの緊急操作を行うことで作動する機能であり、自動的に は作動しません。

・ トラフィックサインアシスト
 一般道や高速道路を走行中、カメラが制限速度などの標識を読み取り、 ディスプレイに表示し、制限速度を超えた際には警告音を出してドライバー に注意を促す機能も搭載します。
*19: 道路標識の検知は道路状況や気象状況、標識の種類等によって正しく作動しない場合があり ます。

・ アクティブレーンキーピングアシスト
 フロントウインドウのステレオマルチパーパスカメラが車線を検出し、フロント ホイールが走行車線を越えたと判断するとステアリングを断続的に微振動 させてドライバーに警告します。ドライバーが反応しない場合はステアリング 補正によって車両を車線内に戻そうとします。なお、破線の車線走行時には 隣車線の車両もしくは対向車と衝突の危険がある場合にのみ作動します。
*20: 作動速度範囲:約 60~250km/

・ アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付)
 リアバンパー左右のレーダーセンサーにより、車両の斜め後ろのミラーで 見えな い死角エリアに車両や自転車がいることを警告します。さらに、 30km/h 以上で走行時に側面衝突の危険がある時にはブレーキを制御して、危 険回避をサポートします。追い越し車線に移ろうとして斜め後ろにいる車両に 気づかなかった時など、ドライバーの不注意によるミスを予防し、安全な走行を 支援します。また、イグニッションオフから 3 分間、障害物が後方から近づくと、サ イドミラー外側の警告灯が点灯し、さらにドアを開けようとすると、警告音を 発することで、死角から近づく障害物と、開けたドアが接触することを防止す る「降車時警告機能」を追加しました。
*21: 作動速度範囲:約 12~200km/h
*22: 自動コース修正作動減速範囲:約 30~200km/h

・ PRE-SAFE サウンド
 システムが不可避の衝突を検知すると、車両のスピーカーから鼓膜の振動 を抑制する音を発生させ、鼓膜の振動を内耳に伝えにくくすることによって、聴覚 への影響の軽減を図ります。

  

ドライバーを支援するその他のシステム

・ ドライブアウェイアシスト
 車両前方もしくは後方 1m 以内に障害物があり、その方向に進むギアを 選択した場合、アクセルを強く踏んでも時速 2km/h 以上の速度が出ず、警告音 によりドライバーに誤操作の可能性があることを警告します。
*23: 停止した際に、一旦 P にシフトした後、D か R に入れる必要があります。通常走行中に停止し、P にシフトせずに再発進をする場合は、本機能は作動しません。
*24: 時速 2km/h で走行し、警告にも関わらずドライバーがブレーキを踏まない場合は障害物に 衝突します。
*25: 停止した際に障害物から 1m 以上離れている場合、本機能は作動しません。
*26: 傾斜面では本機能は作動しません。
*27: パークトロニックの機能の ON にした時にのみ作動します。

・ 360°カメラシステム
 フロントグリル、左右のドアミラー、リアライセンスプレート上方に 4 つの 広角・高解像度カメラを備え、合成処理された周囲の状況をモニターに表示 します。自車を真上から 見ているような「トップビュー」など、車両周辺の状況 が直観的に把握できます。

・ DIGITAL ライト(ウルトラハイビーム付き)
 左右のヘッドライトの DIGITAL ライトは、それぞれ照明モジュール 1 つを備えて います。このモジュールは 3 個のきわめて強力な LED で構成され、130 万個の 微小な鏡により光を屈折させることで照射方向を定めます。このため、片側の ヘッドライトあたりの解像度は 130 万画素となりますが、鏡が占める面積は親 指の爪ほどの大きさです。

 ヘッドライト片側で 130 万のエリアに分割可能な光を照射するため、きわめて 正確な配光が可能となりました。明暗の境界や他のすべての適応型照明機能 の配光についても精度が大きく高まっており、フォグライトモードやハイウェイ ライト、シティライトなどの照明が最大限効果的なものとなりました。

  

※本プレスリリースに記載されている仕様およびメーカー希望小売価格は、発行日現在の内容です。

  

  

  

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#2023年4月25日