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「第73回自動車技術会賞」を受賞【日産自動車】

2023年5月25日

  

「第73回自動車技術会賞」を受賞

  

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠)は25日、公益社団法人 自動車技術会主催の「第73回自動車技術会賞」において、同社の「ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングの開発」が論文賞を受賞したと発表しました。
自動車技術会賞は、1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励することを目的として設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対し贈られています。 今回受賞した技術、技術者および受賞理由は次の通りです。

■ 受賞テーマ:ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングの開発

■ 受賞者:平山 勇人 (日産自動車株式会社)
      柴田 大輔 (日産自動車株式会社)
      内海 貴人 (日産自動車株式会社)
      野間 俊  (日産自動車株式会社)
      篠原 章郎 (株式会社リケン)

■ 受賞理由:

カーボンニュートラル実現に向けたCO2排出量削減のため、エンジンの燃費改善は最重要課題の一つである。燃費改善のためにEGR率(Exhaust gas recirculation; 排気ガスの再循環機構)の増加が有効であるが、排気ガス凝縮水に由来するシリンダーボアの腐食が著しく増加することが課題であった。

この課題に対応するべく、従来鉄溶射に比べ耐食性に優れたステンレス鋼溶射ボアを開発し、腐食を解決した一方、ピストンリングと溶射ボアの摺動による摩耗が新たな課題となった。そこでピストンリングメーカーと共同で、ミクロな摩耗メカニズムを解明し、従来技術である2層構造コーティング*1に対して、新たに硬度と膜厚を高度にコントロールした厚膜DLC*2を開発し、摩耗課題を解決した。

今回開発したステンレス鋼溶射ボアと厚膜DLCピストンリングにより、前型エンジンに対して燃費4%の向上を実現した。本開発で得られた知見は、EGR率のさらなる向上、バイオ燃料へも適用可能な将来も有用な成果である。

*1:窒化クロムコーティング+膜厚1μmのDLC(Diamond-like carbon; ダイヤモンドライクカーボン)の2層構造
*2:膜厚9μmのDLCの単層構造

  

以上

  

  

  

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