ニュース
狭路での協調行動を可能とする自動運転技術を開発【日立Astemo】
2023年5月17日
狭路での協調行動を可能とする自動運転技術を開発
今後、LiDARから新型ステレオカメラとの連携によりコスト競争力強化
日立Astemo株式会社(以下、日立Astemo)は、車両周辺環境の3Dセンシング結果を活用して、狭路などでも安全かつスムーズに、対向車と協調してすれ違うことができる自動運転技術を開発しました。今後、コストメリットを高めた新型ステレオカメラによる3Dセンシングデータの活用を通し、コスト競争力強化を図っていきます。
渋滞の解消・緩和や高齢者などの交通弱者の移動支援といった社会的な課題解決に向け、自動運転へのニーズが更に高まっています。その一方で、一般道における自動運転の実用化には、歩行者等の移動体による複雑な挙動や物陰からの飛び出し等のリスクを予測して事前に危険を回避したり、自動運転化されていない車両と混在した環境でもスムーズに走行できるよう、LiDARやステレオカメラなどの3Dセンシング情報に基づいた安全な走行軌道計画と車両走行制御が求められます。
これまで日立Astemoでは、一般道での自動運転において、歩行者等の行動変化を予測し、安全かつ自然な減速を行うことで、衝突を防止する基本技術に加え、人間が行う運転のように、他の移動体の挙動や物陰からの飛び出し等、潜在的に衝突リスクの高い領域を予測し、予めリスクを回避できる速度や走行軌道で走行する危険予知・回避運転の技術を開発*1してきました。
このたび日立Astemoは、LiDARなどによるセンシングで得た三次元情報を統合し、車両周辺の走行環境を立体的に認識するとともに、検知したフリースペースや対向車両の挙動から進行意図を理解して経路予測を行うことにより、対向車両と協調した、狭路でのスムーズなすれ違い自動運転を可能とする技術を開発しました。
また将来的には、2023年3月から販売されている、汎用性を高めた高精度な新型ステレオカメラとの連携を視野に入れています。この、新型ステレオカメラは、遠方検知と広い画角を両立させるだけでなく、予め機械学習の手法で識別パターンを記憶させることで、高い精度で歩行者や自転車を検知し測距を可能とし、特に交差点右左折時の衝突防止に貢献します*2。さらに、日立Astemoが保有するAI技術や認識技術を生かすことで、コスト競争力のある電子制御ユニット上で、高度な画像認知や車両制御を可能とするソフトウェア処理を実現しており、新型ステレオカメラと連携させることで、狭路での協調行動を可能とする自動運転技術のコスト競争力を高めます
なお、狭路での協調行動による自動運転技術や新型ステレオカメラを、5月23日から、パシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2023 横浜」の日立Astemoブース(小間番号 : 148)で紹介する予定です。
相手車両の行動を認識しながら段階を踏んで相手車両との協調行動を実施 |
日立Astemoについて
日立Astemoは、パワートレイン&セーフティシステム事業をはじめシャシー事業、モーターサイクル事業、ソフトウェア事業、アフターマーケット事業から成る戦略的な事業ポートフォリオにより、事業強化と技術革新に取り組んでいます。「グリーン」、「デジタル」、「イノベーション」を軸とした成長をめざし、排出ガスを低減する高効率な内燃機関システムと電動システムでより良い地球環境に貢献し、自動運転や先進運転支援システム、先進シャシーシステムで安全性・快適性を向上させていきます。このような先進的なモビリティソリューションの提供を通じて、持続可能な社会の実現とともに、お客さまの企業価値の向上に貢献していきます。
以上
日立Astemo株式会社 ホームページはこちら