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世界初、大電流(最大1.2A)で広周波数帯域対応の3225サイズ電源ライン用巻線コモンモードチョークコイルを商品化【村田製作所】
2023年3月13日
世界初、大電流(最大1.2A)で広周波数帯域対応の
3225サイズ電源ライン用巻線コモンモードチョークコイルを商品化
株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、3225サイズ(3.2×2.5mm)と小型でありながら、数10 MHz帯から数GHz帯まで広帯域のノイズ対策が可能で、最大1.2Aの電流に対応できる、世界初※1の電源ライン対応の巻線コモンモードチョークコイル「DLW32PH122XK2(以下、当製品)」を開発しました。2023年4月から量産を開始します。
※1当社調べ。2023年3月12日時点。
近年自動車業界では、ADAS(先進運転支援システム)の高精度化により、ミリ波レーダーやLiDAR※2などの高速センシング機器が多数搭載されるようになっています。これらの機器に外部からノイズが侵入するとシステムが正しく動作しなくなることがあります。逆にこれらの機器がノイズを発すると他の機器に悪影響を与えることもあり、ノイズ対策が重要になります。 また、ノイズの周波数を特定することが難しいため、広帯域でのノイズ対策が求められます。電源ラインのノイズ対策部品として使われている巻線コモンモードチョークコイルは、従来、高いインピーダンスで広帯域をカバーする製品がなく、複数個の組み合わせ利用や電磁波シールド※3の併用、GND(グランド)※4の強化など複合的対策が必要でした。
※2LiDAR(Light Detection and Ranging):レーザー光を照射することにより車両周辺の障害物を検出するシステム。
※3電磁波シールド:対象物を金属などの板で囲うことで周囲から電磁界を遮蔽すること。
※4GND(グランド):信号ラインや電源ラインを通った電流が返ってくるための回路。GNDのインピーダンスが十分に低くできないとコモンモードノイズが発生しやすくなる。
そこで当社は、独自の巻線・接合技術と構造設計の最適化、材料技術を組み合わせることで、3225サイズと小型かつ、数10 MHz帯から数GHz帯までの広帯域をひとつの部品で対応でき、定格電流が最大1.2Aと大きい電源ライン対応の巻線コモンモードチョークコイルの商品化を実現しました。 当製品のように広帯域でのノイズ対策が可能な電源ライン対応の巻線コモンモードチョークコイルは、高機能化する民生機器や産業機器でも活用が可能です。
当社は、今後もノイズ対策のあらゆるニーズに対応した製品の拡充により、自動車の高機能化に貢献していきます。
主な特長
・広帯域のノイズ対策に対応:数10MHz帯から数GHz帯まで、広帯域で高いコモンモードインピーダンス※5を実現。最小限の部品点数で、電源ラインでの誤動作を抑制可能。
・小型で大電流に対応:定格電流が1.2A(周囲温度105℃)と高く、幅広い機器に使用可能。
・低直流抵抗:直流抵抗0.05Ω(typ.)。電力損失や発熱の低減も実現
主な仕様
製品名 | DLW32PH122XK2 |
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サイズ | 3.2×2.5×2.5mm |
インピーダンス | 1200Ω(100MHz)、900Ω(1GHz) |
定格電圧 | DC60V |
定格電流 | 1.2A(周囲温度105℃)、1A(周囲温度125℃) |
直流抵抗(Typ.) | 0.05Ω |
使用温度範囲 | -40~125℃ |
主な用途
カメラ、レーダー、LiDARなどを含むADAS(先進運転支援システム)、電動車両(xEV)の制御回路、テレマティクス装置、防犯カメラ、PoE(Power over Ethernet)回路など、GHz帯までの広帯域のコモンモードノイズ対策が求められる小型電源回路
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ムラタについて
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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