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新たなアイドルストップシステムに搭載される電池パックを開発【デンソー】
2012年10月4日
~鉛バッテリーとの併用により搭載車両のさらなる燃費向上に貢献~
㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)は、アイドルストップシステムのさらなる燃費向上に貢献するリチウムイオン電池パックを開発しました。
近年、アイドルストップシステムは、燃費向上の有力な手段の一つとして多くの車両に搭載が進んでおり、さらなる性能向上が求められています。
今回、開発した電池パックは、電池セル、バッテリーマネジメントユニット、電源切り替えスイッチを一体化したもので、従来の鉛バッテリーのみのシステムと比較して、より多くの回生電力の活用に貢献しています。
この電池パックは、車両側の指示に基づき回生電力を充電するとともに、カーナビゲーション、オーディオなどの機器へ安定した電力供給を行います。また、走行中には、充電した回生電力を、車両側からの指示に基づき、各電気部品に供給することが可能となり、発電機であるオルタネーターによる発電を抑制し、オルタネーター作動のための燃料消費抑制を実現し、車両の燃費向上に寄与します。
リチウムイオン電池パックを構成する部品の概要は以下のとおりです。
1. 電池セル
高入出力タイプのリチウムイオン電池セルを採用することで、鉛バッテリーに比べて短時間により多くの電力を充電することができ、ごく短時間に発生する回生電力を効率的に充電できます。
2. バッテリーマネジメントユニット
リチウムイオン電池の容量を検知し、過充電、過放電にならないよう、最適な容量に維持、管理します。
3. 電源切り替えスイッチ
車両の走行状態に応じ、減速時におけるタイヤの回転力を利用した回生電力の電池セルへの充電、走行時におけるカーナビゲーションやオーディオへの電力供給などを制御します。
さらに、今回開発した電池パックは、特別な冷却装置を必要としない自然空冷方式です。そのため小型・軽量【注】であり、かつ、複雑な補機類が不要で長寿命であるため、交換を前提とした場所に設置する必要がありません。そうしたことから、スペースの有効活用が求められる車両において重要となる搭載場所の自由度向上にも貢献しています。
<注釈>
【注】長さ200mm×幅178mm×高さ70mm、2.5kg
デンソーは、これまで、AEスターター、常時噛み合いスターター、そしてタンデム・ソレノイド・スターターと、お客様のニーズに合わせたアイドルストップシステム実現に貢献するスターターを開発、提供してきました。
また、新たに、主に暑熱時のアイドルストップ効果向上に寄与する蓄冷エバポレーター(2012年9月7日発表)を開発し、タンデム・ソレノイド・スターター、電池パックと合わせて、今月、スズキ㈱から発売された新型ワゴンRに提供しています。
デンソーはこれからも、より環境にやさしい社会の実現に向け、さまざまな技術・製品開発に取り組んでいきます。
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