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WEC2023年シーズン 第1戦 セブリング1000マイル 決勝 TOYOTA GAZOO Racing、 新時代のハイパーカーバトル初戦を制し、1-2フィニッシュ【トヨタ自動車】

2023年3月18日

  

WEC2023年シーズン 第1戦 セブリング1000マイル 決勝
TOYOTA GAZOO Racing、
新時代のハイパーカーバトル初戦を制し、1-2フィニッシュ

  

 3月17日(金)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルの決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車が優勝。8号車が2位で続き、11台のハイパーカーによる新時代バトルの初戦を1-2フィニッシュで飾りました。

  


  

 小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブする7号車は、クラッシュを喫した16日(木)の公式練習走行からの見事な復帰で、米国耐久レースの聖地であるセブリングでの239周にわたる激戦を制し、見事今季初勝利を挙げました。

 2022年のWECシリーズチャンピオンであり、ル・マンウィナーでもあるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車は、レースを通して僅差のトップ争いを繰り広げ、トップの7号車と僅か2.168秒差の2位でチェッカー。TGRは1-2フィニッシュという完璧な結果でシーズン初戦を制しました。

 TGRは完璧なチームオペレーションとタイヤマネージメントで8時間にわたるレースを安定して走り抜き、キャデラック、フェラーリ、ポルシェといった新たなハイパーカー勢の挑戦を退け、現行WECでの40回目の優勝を果たしました。

 17日(金)、フロリダのまぶしい日差しが降り注ぐ中、現地時間正午に長いレースのスタートが切られました。16日(木)に行われた予選で、TGRは惜しくもポールポジション獲得は逃すこととなりましたが、2台のGR010 HYBRIDは2,3番手グリッドの好位置からスタートを切るとすぐに首位争いを展開。スタートドライバーを担当した8号車のブエミが、1周目からポールシッターのフェラーリ50号車にプレッシャーをかけ続け、コンウェイもすぐ後方の3位で続きました。

 スタートして間もない5周目に、GTクラス車両のアクシデントにより早くもセーフティカーが導入され、25分ほどしてレースは再開されました。このセーフティカー走行中に、首位のフェラーリが給油のためにピットイン。これで2台のGR010 HYBRIDは1-2位に浮上しました。8号車のブエミはファステストラップをマークする速さを見せ、7号車のコンウェイと共に後続との差を広げていきました。

 スタートから2時間を過ぎた時点で、2台のGR010 HYBRIDは最初のドライバー交代を行いましたが、ライバル勢から1-2位の順位は守れるだけの充分なギャップを築いていました。7号車はコンウェイから小林へとドライバー交代。2周後に首位を行く8号車がブエミからハートレーへと交代しましたが、まもなくチームメイトの7号車からのプレッシャーを受けることとなりました。

 レースが折り返しに近付く頃、7号車の小林が8号車をパスし首位へと浮上。5時間目を迎えたところで7号車のステアリングをロペスへと託しました。2位で追う8号車も平川へと交代。この時点で3位以下とは1周ほどの差がついており、チームメイト同士での優勝争いが続けられました。

 その後は再び小林とブエミがドライブ。7時間を迎える頃には首位7号車と2位8号車の差がやや開き始めており、残り47分ほどで、コンウェイが7号車の最後の担当として乗り込み、8号車をハートレーが受け継いだときには、2台の差は23秒ほどに広がっていました。

 日没を迎えたセブリングを闇が覆っていく中、首位を行く7号車のコンウェイはリスクを負うことなく周回を重ね、2位の8号車ハートレーは首位との差を詰めていき、暗闇をライトが照らす中でチェッカーフラッグが振られました。7号車は2.168秒差で逃げ切り、現行WECでの最上位クラス過去最多出場となった開幕戦を制覇。8号車が2位で続き、TGRはこの決勝レースで最大のポイントを獲得することとなりました。

 1か月後の4月16日(日)にポルトガルで開催される今季第2戦ポルティマオ6時間レースで、ハイパーカー間の激戦が再び始まります。

豊田章男(TOYOTA GAZOO Racing チームオーナー):
新たなシーズンが新たなライバル達と共にスタートしました。

その大切な初戦をワンツーフィニッシュで走り切ってくれたドライバーのみんな、
チームのみんなに「おめでとう」「ありがとう」と伝えたいと思います。

レースに勝ったのが7号車という結果にも嬉しさを感じています。

昨シーズンも悔しい想いをすることが多かった7号車が
“幸先の良いスタートを切れた”という嬉しさもありますが、それだけではありません。

7号車は今回のレースウィークでも苦労していました。

走り出したらなかなかタイムが上がらない…。
それをドライバーとメカニックが一丸となって原因を突き止めて改善してくれていました。

そうして走り出したらホセがクラッシュ…。
そのクルマをメカニックたちは必死に修理してくれました。
ドライバーたちは、ホセが気持ちを取り戻して決勝で走れるよう、
ホセを思いやるコミュニケーションを続けてくれました。

クルマが変わっても、ライバルが増えても、
レースは“チームで戦うもの”ということを改めて感じます。
可夢偉が代表になり、チームの力は確実に強くなってきました。

ドライバーとして勝利に貢献してくれる可夢偉、
メンバーとのコミュニケーションを絶やさずチームをまとめてくれる代表としての可夢偉。
二人の可夢偉にも改めてお礼を言いたいと思います。可夢偉、本当にありがとう。

ライバルたちのクルマもどんどん鍛えられて速くなってくると思います。
我々も、GR010を“もっといいクルマ”にし続けて戦っていきましょう!
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
 このレースで勝つことができて最高の気分ですし、TGRチームオーナーである豊田次期会長、また佐藤次期社長を含む日本で支えてくれた皆様をはじめとして、サポートしてくれた全ての方に感謝いたします。TOYOTA GAZOO Racingファミリーは今シーズンへ向けた準備のために本当に一生懸命、努力をしてくれました。昨日の予選はとても大変でしたが、力強く復帰することができ、全員の努力によるワンチームという我々の哲学を示せました。1-2フィニッシュは望みうる最高の結果ではありますが、まだ激戦が予想される今シーズンが始まったばかりです。今日の決勝で我々は勝つことができましたが、ライバル勢を過小評価してはなりません。今日は経験が助けてくれましたが、今季はライバルからの挑戦に立ち向かうことになるでしょう。我々もさらに強くならなくてはなりませんし、戦いは激しさを増すことになります。チャンピオン争いは本当に面白いものになるでしょうし、その中に居られるのはとても嬉しいことです。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
 1-2フィニッシュでシーズンのスタートを切れたというのは最高の結果です。2台によるレースはとても僅差で、それを制して勝てたことは本当に嬉しいです。セブリングは路面が荒れており、ミスもしやすいとても難しいコースですが、7号車のクルーは全員が全て上手くやってくれました。可夢偉もホセも素晴らしい走りでした。最後は、1年前に亡くなった父のことを思い出し、感慨深いものがありました。今日の勝利を彼に捧げます。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
 チームのためにも本当に嬉しいです。全員が素晴らしい仕事をし、激戦にもかかわらず1-2フィニッシュを果たせました。予選こそ最高の結果とは言えませんでしたが、決勝レースへ向けては良いクルマに仕上がっていることはわかっていましたし、クルーも素晴らしい仕事をしてくれました。昨日のアクシデントの後、最初にクルマへ戻るのは簡単ではありませんでしたし、自信を取り戻すのに数周かかりました。とは言え、私自身のスティントには満足しています。もちろんマイクと可夢偉もしっかりと仕事をしてくれました。完璧なレースで、最高のシーズンスタートとなりました。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
 チームにとって、このような力強いパフォーマンスを見せて1-2フィニッシュでシーズンのスタートが切れたということには、もちろん非常に満足しています。全てのドライバーが勝利を望んでいますが、我々のように2台体制のチームでは、勝つことができるのは1台だけです。7号車のクルーは今日とても良い仕事をしました。チーム全体のパフォーマンスは本当に良かったですし、レースウィークを通して、ライバルに対しても良い位置で戦うことができました。今日のレースはまだ一歩目であり、今シーズンは厳しい戦いになると思いますが、まず1-2フィニッシュが飾れて本当に嬉しいです。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
 チームにとって最高の結果であり、ハードワークを続けてきてくれた皆に応えられたという意味でも本当に嬉しいです。僅差のレースで、我々も首位を走っていただけに、8号車が2位だったのは少し残念ですが、我々にはやや運が足りなかったのだと考え、優勝した7号車を祝福します。あのような激しいレースで、最終的に2台が僅か2秒差でフィニッシュできたというのは、チームがいかに素晴らしい仕事をしてくれたかを示していると思います。
平川亮(8号車 ドライバー):
 ハイパーカー新時代のスタートとなる、新たなシーズンの開幕を1-2フィニッシュで飾ることができ、チームにとって完璧なレースでした。セブリングでのこの結果は本当に嬉しいですが、シーズンはスタートしたばかりで、今季は最大の目標であるル・マンを含めまだ6戦残っています。我々は順調ですが、ライバルも改良を続けてくるはずなので、プッシュを続けて行く必要があります。このチャレンジの一員であることは楽しいですし、もう次のレースが楽しみです。

  

WEC第1戦セブリング1000マイル 決勝結果(総合順位)

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差
17マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
239
28セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2392.168
350アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
2372 Laps
42アール・バンバー
アレックス・リン
リチャード・ウェストブルック
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
2372 Laps
55デイン・キャメロン
ミカエル・クリステンセン
フレデリック・マコヴィッキィ
ポルシェ・ペンスキー・
モータースポーツ/
ポルシェ 963
2354 Laps

  

  

  

  

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