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トヨタ・モビリティ基金が支援する、水素社会構築を目指す研究者チームによる共同研究の成果がInternational Journal of Hydrogen Energyに掲載

2023年2月8日

  

トヨタ・モビリティ基金が支援する、水素社会構築を目指す研究者チームによる
共同研究の成果がInternational Journal of Hydrogen Energyに掲載

  

一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、以下TMF)が支援する研究者チームによるレビュー論文が、蘭ELSEVIER社が発行する水素に関する世界的に著名な学術誌であるInternational Journal of Hydrogen Energyに掲載されました。

タイトル :Influence of renewable energy power fluctuations on water electrolysis for green
      hydrogen production(グリーン水素製造のための水電解における再生可能エネルギー
      出力変動の影響)

著者   :小島 宏一(産業技術総合研究所)、長澤 兼作(横浜国立大学)、轟 直人(東北大学)、
      伊藤 良一(筑波大学)、松井 敏明(京都大学)、
      中島 良(テクノ2050中島技術士事務所・TMFアドバイザー)

HP(英語)https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0360319922052028

脱炭素社会の実現に向けては、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の大量導入が不可欠ですが、再エネは時間帯や天候により発電量が変動する特性があります。その変動電力を調整する役割として水素が期待されており、そのエネルギー変換を行うキーテクノロジーが水電解です。

このレビュー論文では、水電解の電源として再エネを使用する際の制約や電解装置の耐久性、触媒の劣化等の多岐に亘る課題について主な水電解の方式ごとに調査したうえで、再エネ変動に適応可能な水電解のシステムや材料に求められる性能と、今後議論すべき課題について述べています。

TMFは、環境・エネルギー問題を持続可能なモビリティ社会に向けた重要なテーマと位置付け、「つくる」「はこぶ」「つかう」という水素サプライチェーン全域を対象に、CO2フリー水素(グリーン水素)の低コスト化に寄与する研究を支援する「水素社会構築に向けた革新研究助成」プログラムを2017年に創設しました。このプログラムでは、3期にわたる公募を通じて29件の有望な研究テーマを採択して助成を行い、水素やエネルギーシステムの有識者からなる、評価委員会による定期的な評価・助言や採択研究者同士の交流、相互研鑽の機会を提供してきました。

2020年10月には政府により「2050年カーボンニュートラル」が宣言され、TMFとしても脱炭素社会の早期実現に向け、研究者個人の基礎研究の支援に加えて、研究者のチームによる共同研究プログラムを2021年4月より新たに開始しました。共同研究では、脱炭素社会を目指すうえで重要テーマである「水素社会/エネルギーシステム」「水電解」という二つのワーキンググループ(以下WG)を編成し、「水素社会構築に向けた革新研究助成」プログラムの採択研究者の中から各WG 5名を選出しました。

レビュー論文を取りまとめた水電解WGの研究チームは、水電解システムに対する再エネ出力変動の影響に関する文献調査で得た情報を基に、国立研究開発法人産業技術総合研究所の協力により設置した、実用レベルの水電解装置を用いた研究を開始しました。水電解装置の実機を用いて再エネ電力の変動による挙動や性能劣化、耐久性への影響を調査した研究はこれまで公開された例が少なく、水電解の性能向上・コスト低減に向けた課題解決に資する成果が期待されます。

装置仕様  :固体高分子(PEM)形水電解水素発生装置

水素製造能力:10Nm3/h

設置場所  :国立研究開発法人産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所


(写真)水電解水素発生装置

トヨタ自動車は創業以来、お客様、ビジネスパートナー、従業員、そして地域社会等、全てのステークホルダーを尊重しながら、自動車を通じた豊かな社会づくりを目指して事業活動を行っています。そして、より公益的な活動を行うことを目的に、2014年8月、TMFを設立しました。

TMFは、誰もが自由に移動できるモビリティ社会の実現に向け、幅広いプロジェクトを通じて世界中の移動課題の解決に取り組んでいます。今後も、トヨタグループが事業活動を通じて培った技術やノウハウを活用し、多様なパートナーとの協働を通して、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の考え方にも沿った活動を進めながら、人々が心豊かに暮らせる社会の実現に向けて貢献していきたいと考えています。

  

以上

  

  

  

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