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国際規格準拠の検査でバッテリーの品質を証明 DC 耐電圧絶縁抵抗試験器 ST5680 を発売【日置電機】
2022年12月22日
国際規格準拠の検査でバッテリーの品質を証明
DC 耐電圧絶縁抵抗試験器 ST5680 を発売
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、バッテリーモジュール の安全検査工程に向けた DC耐電圧絶縁抵抗試験器 ST5680 を、2022 年 12 月 22 日(木)に発売します。耐電圧絶縁抵抗試験は、LIB(リチウムイオンバッテリー)のバッテリーモジュールの生産における電気的安全試験のひとつで、対応する規格によって要求が異なります。さまざまな国際規格に準拠した検査で、バッテリーの品質を証明します。信頼性の高い検査の実現により、高品質で安全なバッテリー生産に貢献します。
■開発の背景
限りある資源を次世代につないでいくため、あらゆる分野でサーキュラーエコノミーの取り組みがはじめられています。自動車業界では脱炭素化を目的に電気自動車への移行が世界中で急速に進められています。電気自動車は動作時にCO2を排出しない電気エネルギーを使用します。動力源であるLIBは多くの電力を蓄える一方で、不良が発生した場合には感電や火災を起こす危険性もはらんでいます。電気自動車の安全性を高めるためには、バッテリーの安全性および品質管理は不可欠です。また、バッテリーの安全品質に対する国際的なニーズを共有するため、国際安全規格も整備されています。当社は脱 炭素化を目指す安全な電気自動車の普及のため、DC耐電圧絶縁抵抗試験器 ST5680 を開発しました。
■概要
バッテリーモジュールの外装部分は、本来電気が流れない状態(絶縁状態)になるよう設計されています。しかし生産工程でバッテリーに傷や不良があると、本来流れてはいけないところに電気が流れ、事故の原因となります。耐電圧試験および絶縁抵抗試験は、試験対象に高い電圧を与えることで不良の有無を電気的に確認する試験です。これらの試験はさまざまな規格で規定されており、電気製品の安全検査ではほぼ必ず実施されます。従来の耐電圧絶縁抵抗試験では、バッテリー内部の微小な傷や、絶縁部に混入した異物などが原因で起きる瞬間的なアーク放電は明確な不良とみなされませんでした。しかし、このような潜在不良は設計時の想定より短い時間でバッテリーを劣化させ、感電や火災といった事故を引き起こすおそれがあります。ST5680 は高電圧化するバッテリー製品の DC耐電圧絶縁抵抗試験に対応します。試験電圧をモニターし、アーク放電が発生した際は波形を検出、記録できます。試験結果の数値だけでなく波形も記録し、生産品質の担保や問題発生の際の原因追跡を可能にします。安全で信頼性の高いバッテリーの設計と生産に貢献し、電気自動 車の普及に貢献します。
■特長
1. 波形と数値で絶縁性能を証明
ST5680 はさまざまな国際安全規格に基づいたDC耐電圧試験および絶縁抵抗試験ができます。数値を用いたバッテリーの良否判定に加え、試験時の出力電圧波形や漏れ電流の波形を表示できます。波形表示により、数値だけでは見えない試験中の挙動がわかり、不良の原因解析につながります。
2.微小な絶縁不良を検出し、バッテリーの信頼性向上に貢献
バッテリー内部に異物が存在している場合、DC 耐電圧試験工程においてアーク放電が発生することがあります。ST5680はARC放電検出機能により、アーク放電によって微小な絶縁不良を起こしたバ ッテリーを検出できます。高品質なバッテリーを選別し、信頼性向上に貢献します。
3. 誤判定による不良品の流出防止
耐電圧試験や絶縁抵抗試験では、配線や設備に不良があった場合、試験対象に触れていなくても良品と判定してしまうことがあります。この場合検査結果は誤判定となり、不良品の流出を招きます。 ST5680 は、試験対象に正しく接触しているか判断するコンタクトチェック機能により誤判定を防止します。
■主な用途
LIB 向けバッテリーセル生産ラインにおける DC 耐電圧試験および絶縁抵抗試験
バッテリーモジュール完成品における DC 耐電圧試験および絶縁抵抗試験
■年間販売目標台数
国内および外国 2,000 台
■価格
500,000 円 (税込み 550,000 円)
【本リリースに関するお問い合わせ先】
本社カスタマーサポート
TEL: 0268-28-0560
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