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Audi RS Q e-tron E2:重量を削減、空力性能と効率をさらに向上(ドイツ本国発表資料)

2022年9月2日

  

Audi RS Q e-tron E2:重量を削減、空力性能と効率をさらに向上(ドイツ本国発表資料)

  

 第2世代に進化を遂げたAudi RS Q e-tron、10月開催のラリーに初参戦
 ボディを刷新。重量、エアフローを最適化
 オペレーティングストラテジーを改善、制御コンセプトを最適化

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(ドイツ本国発表資料)
2022年9月1日、ノイブルク アン デア ドナウ:Audi RS Q e-tronは、2022年3月開催のアブダビ デザート チャレンジで初の総合優勝を達成し、進化の準備を整えました。この革新的なプロトタイプは、2022年モロッコラリーと、2023年1月開催のダカールラリーに向けて、大幅な改良が施されました。ボディは完全に新しくなり、エアロダイナミクスが大幅に強化されています。これにより、このプロトタイプの重心が下がっています。また、新しいオペレーティングストラテジーを導入したことにより、電動ドライブトレインの効率がさらに向上しています。車内における操作やホイール交換の際、ドライバーとコドライバーは、これまで以上に作業を容易に行うことができるようになりました。今回の進化を受けて、RS Q e-tronにはE2というコードが追加されました。この名称は、1980年代に世界ラリー選手権(WRC)を席巻したグループBマシン開発の最終段階で投入された、伝説のラリーカーAudi Sport quattroを想起させます。

開発プログラムの第2段階
Audi Sport GmbHマネージングディレクター兼アウディ モータースポーツ責任者 ロルフ ミヒェルは、次のように述べています。「私たちは、Audi RS Q e-tronでダカールラリーに初参戦し、アウディにとって初めてステージ勝利を収めるという素晴らしい成果を達成しました。私たちのチームは一丸となって準備を行い、同じ方向に進んでいます。いつもの通り、開発の初期段階において、ドライバー、コドライバー、エンジニアは、開発目標について迅速に合意。その結果を進化したパッケージ RS Q e-tron E2にまとめました」。今後は、開発プログラムの第2段階に入ります。Team Audi Sportは、10月にこの新しいプロトタイプで、2023年のダカールラリーに参戦するための準備を進めます。

優れた空力性能と軽量性:新しいボディ
RS Q e-tronチーフデザイナー アクセル レフラーは、次のようにコメントしています。「Audi RS Q e-tron E2は、先代モデルと共通のボディパーツは一切使用していません」。規定の室内寸法に準拠するために、以前はルーフに向かって狭くなっていたコックピットの幅が大きく拡大されました。前後のボンネットも完全に新設計となりました。「新しいモデルでは、Bピラー左右に装着されていたリヤフードのアンダーフローが廃止され、複合素材の最適化したファブリック層と組み合わせ、改良されたレイアップと呼ばれる構造により、重量を削減することに成功しています」とレフラーは言います。ダカールラリーT1U規則に属するプロトタイプの重量は、将来的には2,000kgではなく2,100kgにする必要があります。第1世代のRS Q e-tronはこの重量を超えていましたので、数十キログラムの軽量化が必要でした。これにともない、車両の重心も下がっています。

ボンネット下のボディ領域における空力コンセプトは、完全に新しくなりました。このセクションは、ボートの船体を連想させます。最も広いポイントはコックピットの高さにあり、前後に向かってボディが大幅に絞り込まれています。また、フロントホイール後方に設置され、ドアへと繋がるフェンダーの一部が廃止されました。社内ではこの構造を「エレファントフット」(象の足)と呼んでいました。
この作業の結果、デザイナーはより多くの重量を削減し、エアフローを最適化しました。「砂漠でのラリーにおいても、エアロダイナミクスを過小評価すべきではありません」とレフラーは言います。確かに、新しいコックピットの寸法は、ボディ断面が大きくなるため、ラリーカーにとっては好ましくありません。それにもかかわらず、全体的な空気抵抗を約15%削減することができました。最高速度も変化していません。レギュレーションでは、最高速度は170km/hに制限されています。それでも、エアフローを改善したことにより、大きなメリットが生み出されています。レフラーは、次のように説明しています。「これにより、この電動モデルのエネルギー要件が、さらに削減されます。数値流体力学(CFD)を使用して、ボディ全体の空力計算を実施しました」。これらのコンピューターシミュレーションは、風洞実験室での時間を要する作業に代わり、非常に正確な結果を提供します。

さらに環境に優しいシステム:最適化されたエネルギー管理
Audi RS Q e-tron E2の電動ドライブトレインは、内燃エンジンと発電機から構成されるエネルギーコンバーター、高電圧バッテリー、前後アクスルに搭載された2基の電気モーターから構成されています。ここでは、エネルギーマネージメントが重要な役割を果たします。高度な電動ドライブトレインの電子制御システムは、初参戦したラリーでその真価を発揮しました。このラリーでは、非常に極端な状況においてのみ問題が発生しました。例えば、ダカールラリーでは、ジャンプ中や起伏が非常に激しい路面において、ホイールが地面とあまり接触しない状況で、短時間、出力制限の上限値を超えるという問題が発生しました。世界自動車連盟(FIA)のオフィシャルは、2キロジュールの超過エネルギーが確認された時点で介入し、レギュレーションに基づいてペナルティを課します。ソフトウェア/アプリケーション/テストベンチ開発エンジニア フローリアン ゼムリンガーは、次のように述べています。「このような状況では、許容範囲に対して、毎秒100倍以上のエネルギーがモーターに流れます。単純に、しきい値を数キロワット低く設定することもできましたが、その場合、全体のパフォーマンスが低下してしまいます。その代わりに、パワーコントローラーに数多くのファインチューニングを施しました」。現在ソフトウェアが、2つの個別の出力制限値(各モーター1つ)を、数ミリ秒以内に再計算しています。その結果、出力の限界値内で正確に作動するようになりました。

制御システムを最適化したことによって、いわゆる補機類にもメリットがもたらされました。サーボポンプ、エアコンディショニング冷却ポンプ、ファンは、エネルギーバランスに測定可能な好影響を与えます。2022年のデビューシーズンにおいて、アウディとQ Motorsportラリーチームは、より優れた結果を得るための、貴重な経験を蓄積しました。例えば、エアコンディショニング システムを例に取ると、システムは頻繁に作動するため、常に最大出力で作動している場合、クーラントが凍結する可能性があります。将来的には、システムは断続的なモードで作動するようなります。これによりエネルギー消費量が少なくなり、長時間の走行でも室内温度はわずかに変動するだけです。ファンとサーボポンプの作動ストラテジーも最適化されています。例えば、システムを異なる方法で調整できるようになり、リエゾンステージではスペシャルステージよりも低い負荷に設定することができます。

作業の簡素化:コックピットの操作性とホイール交換の作業性が向上
アウディドライバーのマティアス エクストローム/エミール ベリークヴィスト、ステファン ペテランセル/エドゥアール ブーランジェ、カルロス サインツ/ルーカス クルスは、新しいコックピットでマシンを操ることを今から楽しみにしています。ディスプレイは引き続きドライバーの視野内に設置され、これまで通りセンターコンソールに配置されます。また、24のフィールドを備えた中央のスイッチパネルも維持されています。その一方で、ディスプレイとコントロールを見直しました。フローリアン ゼムリンガーは、次のようにコメントしています。「すべての機能を1つにまとめると、混乱が生じてしまいます。そのため今回初めて、ドライバーとコドライバーは、ロータリー スイッチにより4つのシステムエリアから1つを選択できるようになりました」。 「ステージ」と呼ばれるエリアには、速度制限のあるセクションでの速度リミッターやエアジャッキなど、競技走行において重要な、すべての機能が集約されています。「ロード」エリアには、ウインカーやリヤビューカメラなど、リエゾンステージで頻繁に使用する機能が含まれています。「エラー」オプションは、エラーの検出、分類、記録に使用します。「セッティング」セクションには、各システムの詳細な温度など、テスト中または車両がビバークに到着した後に、エンジニアリングチームにとって役立つすべての情報が含まれています。

パンクした場合でも、これまでよりもはるかに簡単にタイヤ交換ができるようになりました。ボディ側面に搭載された、スペアホイールカバーには、以前の大きなカバーに代わり、シンプルかつフラットで、簡単に取り外し可能な、ボディコンポーネントが装着されています。パートナーであるRotiformの新しい10本スポークホイールは、取り扱いがはるかに簡単です。ドライバーとコドライバーは、より簡単に、そしてより安全にタイヤ交換を完了することができます。

Audi Sportビークル オペレーション責任者 ウーヴェ ブリューリングは、次のように述べています。「私たちは、これまでに得られたすべての重要な教訓を、非常に短い時間でまとめました。E2の進化は、アイデアの結晶です。私たち開発チームの断固たる決意と、コスト効率の高い作業により、2回目のダカールラリーに参戦するための完璧な準備が整いました」

Audi Sportは、テストエンジニアリング責任者 アルナウ ニウボ ボッシュが率いる初期テストの後、9月1日にノイブルク アン デア ドナウでRS Q e-tron E2を発表。10月1日から6日まで開催されるラリー ドゥ モロッコで、この新しいテクノロジーの実力を証明します。3組のアウディドライバーが、北アフリカ南西部に位置するモロッコの都市アガディールを拠点に開催される、砂漠のラリーに参戦します。


※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

  

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関連サイト
ドイツ本国発表資料 – Audi RS Q e-tron E2: lighter, more aerodynamic and even more efficient(英語版)

  

  

  

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