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「複層焼結含油軸受」を開発【NTN】
2012年9月20日
【世界初!二色成形法による、高強度で耐摩耗性に優れた焼結含油軸受】
NTN㈱(以下、NTN)は、新開発の焼結成形方法を用いて、高い強度と耐摩耗性を合わせ持つ「複層焼結含油軸受」を開発しました。
焼結含油軸受は、すべり軸受として小型モータなど軽負荷の条件下で広く使用されますが、建設機械の関節部のように高負荷が求められる部位の用途もあります。高負荷用途向けの軸受は、耐摩耗性に優れた鉄系材料を浸炭焼入れなどの特殊熱処理で強度を高めた後、軸受内径面などには切削加工が必要です。軽負荷用途向け軸受がプレス加工だけで製造できることと比べて、追加の加工工数が必要になるという課題がありました。
今回開発した「複層焼結含油軸受」は、軸受内層部に高硬度で耐摩耗性に優れる材料を使用し、外層部には高強度な構造材を採用した、世界初となる二色成形法*1による焼結含油軸受です。軸受外層部に、高強度な構造材を使用することで特殊熱処理を廃止し、プレスによるサイジング*2加工で寸法精度を高めることにより、従来の切削加工を不要としました。
NTNは、すでに本開発品を建設機械メーカに向けた提案を開始しており、今後はグローバルに市場展開してまいります。また、開発した二色成形技術を焼結含油軸受だけでなく、歯車などの焼結機械部品にも適用することで、産業機械・自動車関連業界へ広く用途展開を図ってまいります。
*1 二色成形法 : 異なる材料同士を組み合わせて、一体に成形すること。
*2 サイジング : 整形プレスにより、内径及び外径寸法を必要な精度に仕上げる工程。
特長
二種類の材料を一体成形する二色成形法により、高強度と優れた耐摩耗性を発揮
(1) 圧環強度 500MPa以上、含油率17vol %以上
→ 材料・焼結条件の最適化により特殊熱処理なしで強度、含油率を確保
(2) 軸受の内径および外径寸法精度 径不同50μm以下
→ サイジング加工により精度を確保し、切削加工が不要
(上記(1)(2)の数値は、軸受寸法 φ35×φ45×35での実験結果)
お問い合わせ先
複合材料商品事業部 営業技術部 TEL. 0567-40-5932
商品写真
構造
適用例
油圧ショベル関節部
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