高電圧コネクタ用にハロゲンフリー、難燃性を備える新たな PBT コンパウンドを開発【ランクセス】

2022年7月6日

ランクセス、高電圧コネクタ用に
ハロゲンフリー、難燃性を備える新たな PBT コンパウンドを開発

• 難燃性および加水分解安定性を提供
• 温度や湿気にほとんど依存しない電気的特性
• 体積抵抗、絶縁耐力、耐トラッキング性を高次元で実現
• エレクトロモビリティへの応用に大きな期待

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、高電圧コネクタ用に、ハロゲンフリー、難燃性と加水分解安定性を備える新たなPBT（ポリブチレンテレフタレート）コンパウンドを開発したことを発表しました。電気自動車のパワートレインやバッテリー、およびエレクトロモビリティの充電インフラでは、プラスチック部品がしばしば非常に強い電流や高電圧、高温にさらされます。例えば、プラスチックコネクタは、これらの条件下で電気絶縁性を維持しなければならず、トラッキングの発生を防ぐ必要があります。ランクセスのハイパフォーマンスマテリアルズ（HPM）ビジネスユニットでテクニカル・マーケティング・マネージャー・キー・アカウントを務めるベルンハルト・へルビッヒ博士は次のように述べています。「私どもの提供する構造用材料の強みの一つは、その優れた電気特性が、高電圧コネクタの典型的な動作条件において、温度と湿気にほとんど依存しないことです。それらは最高150°Cまでの温度で使用することが可能です」

最高絶縁クラスCTI A 600
この新しいコンパウンドは、「ポカン®（Pocan®） BFN HR」の新たな製品群において最初の代表的な製品で、高次元の体積抵抗と絶縁耐力を特徴としています。例えば、絶縁耐力においては、国際電気標準会議（IEC）規格（IEC 62431-1）において、140°Cまでの温度で30キロボルト／ミリメートルを優に超える値を示しています。耐トラッキング性を測るCTIテスト（比較追跡指数IEC 60112）規格では、最高クラスであるCTI A 600を達成しました。これにより、耐トラッキング性が向上し、沿面電流による短絡や不良のリスクを低減し、小型化ニーズに対応します。「このコンパウンドは、600 Vより高い電圧でも使用できます。標準規格IEC 60664/VDE 0110-1の設計ガイドラインに従って、直流システム用のコネクタ設計を最大1,500 Vに最適化できます」と、へルビッヒ博士は述べています。また、120°Cの経年加熱劣化試験や耐候性試験においても、このコンパウンドの耐トラッキング性はほとんど低下しません。

耐加水分解性と難燃性
25%重量のガラス繊維で強化されたこの材料は、非常に安定した加水分解性を有しています。米国自動車技術会（SAE）の厳格なSAE/USCAR-2 Rev .6長期加水分解試験に基づく試験片試験において、クラス3の良好な評価を取得しました。その優れた難燃性は、米国の試験機関であるアンダーライターズ・ラボラトリーズ・インクの燃焼性UL94規格において、試験片の厚みが0.75 mm でV-0という優れた分類で合格したことからも証明されています。この構造用材料は、その機械的特性により、高電圧コネクタに求められる一般的な要件を満たします。

鮮やかな発色と恒久的な色安定性
このコンパウンドは、オレンジなどの明るい色にも着色できます。電気自動車では、樹脂を使用したライブコンポーネントを識別するために、この色が使用されることが増加しています。「ランクセスの樹脂と使用されている着色剤は、高温下でも恒久的に色が安定しているため、識別情報が失われることはありません」と、へルビッヒ博士は述べています。ランクセスは、この熱可塑性プラスチックをUL規格によってイエローカードの「オール・カラーズ」に掲載することを希望しています。「これにより、加工メーカーが自ら着色する場合、時間のかかるUL認証作業を省くことができます。さらに、ランクセスが着色したコンパウンドを使うだけで、コストも削減することができます」と、へルビッヒ博士は付け加えます。

へルビッヒ博士は、高電圧コネクタ以外にも、エレクトロモビリティや小型電気・電子アセンブリの製造において、新しい「ポカンBFN HR」製品群の応用の可能性を見出しています。「例えば、小型コネクタ、小型回路遮断器、端子台、その他の類似の用途を考えています」と、へルビッヒ博士は述べています。

ハイアント（HiAnt） – 顧客に利益をもたらすサービス
ランクセスは、包括的なハイアント・サービスにより、エレクトロモビリティ用コンポーネントのメーカーをサポートします。例えば、顧客固有の材料の最適化や、部品設計のための共同コンセプト開発などが挙げられます。特殊化学品メーカーであるランクセスの専門家は、最新のコンピューター支援エンジニアリング（CAE）手法を使用して、コンポーネントの機械的特性と熱的特性を計算します。完成した部品のテストは、同社の部品テストセンターで実施可能です。また、ランクセスのスペシャリストが、量産開始時にアドバイスとサポートを提供します。

ランクセスのe-モビリティ製品ポートフォリオの詳細は、以下のURLにてご確認いただけます。
https://lanxess.com/en/Products-and-Solutions/Focus-Topics/LANXESS-e-Mobility

K 2022に関するランクセスからのすべてのニュースリリースは、以下のURLにてご確認いただけます。https://lanxess.com/K2022/Press

新たなPBTコンパウンドの潜在的な用途の1つは、高電圧コネクタです。（写真：ランクセスAG）

新たなハロゲンフリー、難燃剤Pocan BFN HRは抜群の耐加水分解性を有します。（写真：ランクセスAG）

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これは、ドイツ・ケルンで6月21日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて

ランクセスは、世界 33 カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2021 年の総売上は 76 億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 15,100 人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）、ヨーロッパ・インデックス（DJSI Europe）及び「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社 URL にてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp

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ランクセス株式会社　コーポレートコミュニケーションズ
村上幸
TEL : 03-5293-8006　FAX : 03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com

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