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車いす用電動アシストユニット「JWX-2」新開発【ヤマハ発動機】
2012年9月18日
モーターをフラットにし、装着可能車いすを大幅に拡大
専用ソフトで個別の症状・環境に最適なアシスト設定
ヤマハ発動機㈱は、車いす用電動アシストユニット「JWX-2(ジェイ・ダブリュ・エックス・ツー)」を新開発し、2013年春の発売に向け、9月26日(水)~28日(金)に東京国際展示場「東京ビッグサイト」(東京都江東区有明3-21-1)で開催される「第39回 国際福祉機器展 H.C.R.2012」に出展します。
「JWX-2」は、電動アシスト自転車PASの技術「パワー・アシスト・システム」を応用し、車いすのハンドリム操作の負荷に応じて電動の補助力がはたらく車いす用電動アシストユニットで、1996年に発売し、国内外で高い評価を得てきた「JW-II(ジェイ・ダブリュ・ツー)」をフルモデルチェンジしたものです。
「扱いやすさ」、「軽さ」、「快適性」といった現行モデルの特徴はそのままに、新開発のフラットタイプ高効率ACサーボモーターの採用で、ユニット取り付けの制約が緩和され、ほとんどの車いすに装着可能となります。また専用ソフトウェア「JW Smart Tune(ジェイ・ダブリュ・スマート・チューン)」を新開発。ユーザーの車いすを操作する手の力、左右のバランスなど身体状況を測定し、ユーザーの症状や使用環境などに合わせて最適なアシスト設定ができます。さらに世界安全規格として国際的に認知度・信頼性が高い品質基準であるTÜV※認証も取得の予定です。
※Technischer Üerwachungs-Verein(技術検査協会)の略。高い安全性と高品質を保証する世界安全規格として国際的に認知度・信頼性が高い品質基準
開発の背景
ヤマハ発動機㈱では、健康・福祉分野や高齢化社会対応の一環として、車いす用電動ユニット「JW-I(ジェイ・ダブリュ・ワン)」を1995年に発売して以来、独自の高度な制御技術や駆動技術などを応用し、使用者の快適性・利便性に加え、介助者の負担軽減などを追求した電動車いす製品を提供しています。
今回発売の「JWX-2」は、電動アシスト自転車PASの「パワー・アシスト・システム」を応用した「JW-II」を全面的に進化させたものです。車いすのハンドリム操作の負荷に応じて電動の補助力がはたらき、負担の大きかった坂道や、絨毯の上などもスムーズに操作でき、手動車いすと同じ操作で残存機能の活用に役立つ車いす用電動アシストユニットです。
開発にあたっては、ヤマハ車いすの原点“人間感覚を重視した制御技術”を改めて見直し、安心、快適、扱いやすさを追求。ハード面では取り付け可能な車いすを拡大し、ソフト面では使用者に合わせた細かなアシスト設定を可能にしました。
「JWX-2」の主な特徴
■ 様々な形状の車いすに装着可能なフラットタイプのACサーボモーター採用
新開発フラットタイプのACサーボモーターを車輪ハブの内側に収納することで、ユニットの車いすへの取り付け面がフラットになり、ほとんどの車いすに装着可能となります。また、これにより車軸の位置も上下、前後に調整可能となり、ユーザーの状況・症状に合った調整が実現できるようになりました。
■ ユーザーの身体状況を測定し、最適なアシスト設定を行う「JW Smart Tune」
車いすを操作する手の力や握力が左右で異なっているなど、ユーザーの身体状況は様々です。新開発のパソコン用アプリケーションソフトウェア「JW Smart Tune(ジェイ・ダブリュ・スマート・チューン)」は、ユーザーの身体状況を測定し、個々の症状や使用環境などに合わせてアシスト力や左右バランスを細かく設定できるので、より自然な感覚で扱えます。片手片足による操作にも対応可能となります。
■ 操作しやすいハンドリム型トルクセンサー
ハンドリム型のトルクセンサーは、手動車いすと同じ感覚で発進・停止、数センチの微速移動、旋回がスムーズに正確に行えます。また非接触センサー、高剛性ベアリング、制振ダンパーなどの組み合わせで、信頼性・耐久性も高めました。
■ 耐久性を高め安心感向上
車輪ハブや車軸、駆動ギアトレーンの設計も一から見直し、ユニット強度を向上。あわせて耐久性に優れ錆びにくいステンレス素材のスポークを新採用。「JW-II」と同様、国際的な品質基準であるTÜV認証の取得を予定しています。
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