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2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦 オートポリス 8番手スタートからの大逆転で平川が今季2勝目 フェネストラズが2位で今季2度目の表彰台獲得【トヨタ自動車】
2022年5月23日
2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権
第4戦 オートポリス8番手スタートからの大逆転で平川が今季2勝目
フェネストラズが2位で今季2度目の表彰台獲得
スーパーフォーミュラの第4戦がオートポリスで行われ、8番手から抜群のスタートを切った平川 亮(carenex TEAM IMPUL)が、中盤のハイペースでの追い上げと戦略が奏功し大逆転。今季2勝目を挙げました。6番手スタートのサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)も見事な追い上げを見せ2位フィニッシュ。今季2度目の表彰台獲得を果たしました。
全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4戦が5月21日(土)、22日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催されました。
悪天候に翻弄された前戦鈴鹿大会から1か月。スーパーフォーミュラの舞台は唯一の九州開催となるオートポリスへ。今季は7大会全10戦で行われる同シリーズは、これまでの3戦で全て勝者が異なる混戦が続いています。
トヨタエンジン勢は、開幕大会富士の第1戦で平川が勝利。第2戦で2位と好調な滑り出しを見せましたが、鈴鹿大会では表彰台を逃す結果に終わり、この雪辱を果たすべく,各チームオートポリスラウンドに挑みました。
前大会鈴鹿に続き、今大会も2&4レースとして2輪の全日本ロードレースとの併催で、コース上以外でもイベント広場などで様々な展示や、JRP、ホンダ、トヨタの合同ブースなどが実施。初夏の好天に恵まれる中でキャンプを楽しむお客様も見られるなど、集まったモータースポーツファンの皆様がイベントを満喫していました。
予選
21日(土)午前中のフリー走行に続き、午後2時50分よりノックアウト方式の予選が行われました。空には雲がかかっていますが,時折日差しが差す状況で、気温は21度、路面温度33度というコンディション。
Q1は10分ずつ、2グループに分けてのアタック。各グループ上位6台がQ2へと進出します。
A組では、まず各車一旦コースに出てピットへと戻り、残り5分ほどになってから本格アタックのためにコースイン。
まず平川がチェッカーが振られる直前のタイミングで1分25秒159をマークし、その時点での2番手、昨年スポット参戦ながらここオートポリスの雨中のレースで初勝利を挙げたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)は1分25秒567とタイムが伸びず。その後、各車がタイムを更新し、順位が入れ替わっていきました。
国本 雄資(KCMG)が1分25秒265,大嶋 和也(docomo business ROOKIE)が1分25秒339で平川に続く位置につけますが、他車もタイムを伸ばしていく中、午前中のフリー走行でトップタイムをマークするなど好調なフェネストラズが1分24秒886と24秒台に入れ、3番手に。これにより、大嶋とアレジはQ2進出圏外へと押し出されることとなってしまいました。
この日、27歳の誕生日を迎えた坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)は、午前中のフリー走行でフェネストラズに続く2番手タイムをマークし、予選でも活躍が期待されていましたが、他車よりもコースインを大きく遅らせた最後のアタックタイミングで、既にアタックを終えていた車両に引っかかる形となってしまい、最終セクターでは全体ベストを叩き出すも、1分25秒290と0.025秒及ばず7番手に終わり、無念のQ1敗退となってしまいました。
このA組ではフェネストラズが3番手、平川が4番手、国本が6番手でQ2へと進出を決めました。 B組もセッション開始と同時に各車コースインして一旦戻り、残り5分ほどでアタックへ。今月頭にベルギーで行われたWEC第2戦スパ6時間で今季初勝利を挙げ、凱旋帰国参戦となる小林 可夢偉(KCMG)は、午前中のフリー走行で4番手と好走を見せ、ここでもまず1分25秒404というタイムをマークしその時点での2番手に。
しかし、阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が1分25秒038、宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が1分25秒245と共に小林のタイムを更新。関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)は1分25秒480で小林に次ぐ6番手に。
その後他の車両もタイムを上げていく中、残り2分半までピットで待機し、最後の一発アタックにかけた山下 健太(KONDO RACING)が1分25秒085で3番手に飛びこみ、小林が0.054秒差の7番手、関口もそこから0.076秒差の8番手と押し出される形でQ1敗退。
阪口が2番手、山下が3番手、宮田が5番手でQ2進出となりました。
Q2では、第2戦で3位表彰台を獲得、ここまでの3戦全てで予選2列目以内という速さを見せている宮田が1分24秒798の好タイムを叩き出し、暫定のトップに。阪口、平川、国本とタイムをマークしていきますが、1分24秒台には入らず。フェネストラズは1分24秒966、ここでも最後にコースインした山下も1分24秒987のタイムでそれぞれ6,7番手。
宮田は惜しくも野尻智紀(ホンダ)にかわされましたが、最前列2番手グリッドを確保。平川は8番手、国本が9番手、阪口は11番手から決勝に臨むこととなりました。
決勝
22日(日)のオートポリスは、初夏の気持ちいい好天に恵まれました。午後2時30分、気温24度、路面温度は強い日差しに照らされて44度まで上昇する中、42周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
今季2度目の最前列スタートとなった2番手グリッドの宮田はスタートでやや出遅れ、後続からの追撃を受けることに。その後方では、8番手スタートの平川が好ダッシュを決めて3列目のフェネストラズ、山下の2台をかわすと、その後の混乱も上手くかいくぐり、第2ヘアピンでは宮田もかわして1周目にして一気に3位へとポジションアップを果たしました。
後方グループでもスタート直後に混乱があり、第3コーナーで接触から1台がクラッシュ。1周目にして早くもセーフティカーが導入されることとなりました。
この時点で平川は3位、宮田が4位、フェネストラズが6位、山下8位、国本が9位、阪口が10位、関口は16番手スタートから11位へと5ポジションアップを果たしました。
レースは3周を終えたところでセーフティカーが退去し再開。ペースで勝る平川は前を行く牧野任祐(ホンダ)にぴたりとつけると、5周目のストレートでオーバーテイクシステムを使ってパス。2位へと浮上しました。
その直後、14位でバトルを繰り広げていた小林が、追い上げる坪井と接触し、激しくクラッシュ。再びセーフティカーが導入されました。坪井もこの接触で車両前部を破損し、修復のためピットイン。最後尾へと後退してしまいました。
小林の車両排除にやや時間がかかり、セーフティカーは9周終了で退去。再スタートが切られると、翌10周目を終えたところで義務付けられたタイヤ交換のためのピットインが可能になるため、阪口らがピットに向かいました。
11周目を終えたところで、4位のフェネストラズに続く5位につけていた山下がピットイン。しかし、このピット作業時左リアタイヤの交換に手間取り、大きくタイムをロスしてしまいました。
15周を終えたところで、首位を行く野尻がピットイン。これで首位に立った平川は、先にピットインしたライバル勢との見えないバトルを繰り広げることとなりました。
平川は自己ベストを更新しながら、先にピットインした車両よりも速いペースで周回。 18周目にはその時点で2位につけていた宮田がピットイン。迅速なピットで、コース復帰時に野尻に並びかけますが、追い抜くまでには到らず。
20周を終えたところで、平川がピットイン。平川はそれまでのハイペースが功を奏し、野尻の前でコースに復帰しました。
宮田はペースの上がらない野尻を懸命に攻め、24周目にはほぼ1周にわたってオーバーテイクシステムを使うなど激しく追い上げ。25周目のストレートエンドではあわや追突寸前という激しいバトルを繰り広げ、見守る観客も息を飲みましたが、惜しくも逆転には至らず。
一方、首位でまだピットインせずに見えないバトルを繰り広げていたフェネストラズもハイペースで周回を重ね、28周目を終えたところでピットイン。8秒に開いていた平川と野尻の間に復帰しました。
最後まで引っ張った三宅淳詞(ホンダ)が32周終了でピットへ向かうと、全車がピット義務を終えることとなり、この時点で平川が首位、フェネストラズが2位、宮田は5位、阪口が8位を走行。
ピットを遅らせたことでタイヤの摩耗で有利な2位フェネストラズが首位の平川を攻め、さらに3位の三宅もフェネストラズを追い上げる終盤戦となりましたが、各車の差は大きく、順位を入れ替えるまでには到らず。
平川が2.3秒差で逃げ切り、開幕戦に続く今季2勝目を挙げました。平川は今季初めて2勝目を挙げたドライバーとなり、ランキングでは首位の野尻との差を7ポイント差に縮めました。
フェネストラズは平川を追い詰めての2位。開幕戦の3位に続く今季2度目の表彰台を獲得。最後まで野尻を追い詰め、熱いバトルでサーキットを沸かせた宮田は、0.57秒及ばず5位。阪口が8位に入り、今季初のポイント獲得を果たしました。
今季2勝目を挙げた平川 亮(carenex TEAM IMPUL #20) |
今季2勝目を挙げた平川 亮(carenex TEAM IMPUL)とチーム監督の星野一義氏 |
2位表彰台を獲得したサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING #4) |
5位フィニッシュを果たした宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S #37) |
carenex TEAM IMPUL 20号車 ドライバー 平川亮 :
常に優勝を狙ってレースをしていますが、今日は予想よりも良い結果で、自分自身驚いているというのが正直なところです。何と言っても良いスタートが切れて3位まで一気に上がれたというのが一番大きかったですし、狙っていたので、決まって良かったです。今回はいつもタイヤ交換をしてくれているメカニックの方が体調不良で出られず、ピット作業にちょっと不安があったんですが、夜通しとか、朝から練習していただき、ピット作業も上手く決まって、チームワークで果たせた優勝かなと思っています。最後は結構サッシャが後から詰めてきて、正直あまり余裕はありませんでした。毎周差を詰められましたが、自分の中では余裕が少しあったので、タイヤをマネージメントしながらの走りでした。これでポイントランキングでも野尻選手との差を詰めることができましたし、次戦のSUGOも自分自身得意なサーキットなので、とても楽しみです。まだ中盤戦ではありますが、流れを取り戻せた感じはあるので、次戦も優勝を狙い、予選をもうちょっと頑張りたいと思います。
KONDO RACING 4号車 ドライバー サッシャ・フェネストラズ :
今ここ(トップ3記者会見)にいられるのはとても嬉しいです。正直なところ、またここに戻れるとは思ってもいなかったのですが、今シーズン、ここまでは思っていたよりも順調に進んでいます。今日はとても長いレースでした。レースの大半が単独走行で、ピットストップのあとも、後続がどのくらいタイヤを残しているのかわからなかったので、ずっとタイヤのマネージメントが大変でした。ご存じの通り、ここオートポリスはタイヤに厳しいコースで、今日のレースはタイヤマネージメントが鍵でした。昨シーズンが苦しかっただけに、今年になってもう2度も表彰台に上がれたのは本当に嬉しいです。次こそはさらに上の段に上れるよう頑張りたいです。とはいえ、今日は自分自身にとっても、コンドーレーシングにとっても良い結果となり、満足しています。
全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦結果表
(第4戦終了時)
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