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Formlabsが急速に普及中のSLS用に新材料を発表。 試作だけでなく最終製品用途へのアプローチを加速。
2022年3月2日
Formlabsが急速に普及中のSLS用に新材料を発表。
試作だけでなく最終製品用途へのアプローチを加速。
誰もが簡単にものづくりに参加できる世界の実現を目指すFormlabs株式会社(本部:米マサチューセッツ州ソマービル/創業者 兼 CEO:マックス・ロボフスキー/日本法人本社:東京都品川区北品川/代表者:ゼネラルマネージャー 長谷部 吉紀)は、本日2021年3月2日(米国東部標準時間2022年3月1日)、粉末焼結積層造形(SLS)方式3Dプリンタ Fuse 1用材料として3つ目の製品となる新材料「Nylon 12 GF」の販売開始を発表しました。
新材料「Nylon 12 GF」によるサンプルパーツ |
SLS方式3Dプリンタ「Fuse 1(左)」と専用後処理機「Fuse Sift(右)」 |
従来の材料との違い
本材料はガラス繊維強化材であり、既存のFormlabs製SLS方式3Dプリンタ、Fuse 1用のNylon 12をベースにより一層の剛性と耐熱性をもたせるよう開発されています。従来のNylon 12の強みである強度はガラス充填により更に強化されていますが、強度だけでなく耐熱性の向上も本新材料の大きな特徴となっています。
両材料のテクニカルデータシートより抜粋した機械的特性の比較表をご確認いただけますが、本材料の優位性である耐熱性は、熱たわみ温度の29.8%向上(1.8 MPa)によって示されています。
工業用の樹脂3Dプリンタにおいては試作用途が依然最大の割合を占めているものの、近年の傾向として最終製品や部品への用途の拡大が徐々に進んでいます。本Nylon 12 GFの開発も、例えば機能確認用プロトタイプ等、高度な機械的特性が求められる用途はもちろん、これまで以上に最終製品や部品での活用を視野に入れて開発されています。
新製品Nylon 12 GFと従来品Nylon 12の機械的特性の比較。両材料のテクニカルデータシートより抜粋。 |
粉末焼結積層造形(SLS)方式3Dプリントとは
3Dプリンタの最もポピュラーな方式は、フィラメントと呼ばれる線上の材料を熱で溶解しながら押し出してグルーガンのように積層していく熱溶解積層(FDM)方式や、液体の熱硬化性樹脂をレーザーで硬化させる光造形(SLA)方式が知られていますが、SLS方式はこれら従来方式と違い、中空で3D造形を行うのではなく粉末材料を1層ごとに敷きつめながらレーザーで3Dモデルの形状を選択的に溶融させ、1層ずつ造形を行う方式です。最も顕著な違いは粉末の中で造形が行われるため周囲の粉末が造形物を支える形となり、「サポート材」が不要となる点です。中空状態で造形を行う方式とは違い、造形物が自重でたわんでしまうリスクも避けることができ、非常に高い精度で造形を行うことが可能です。
一般的なSLS方式では「オレンジピール」と呼ばれる独特のオレンジの皮のようにまだらな凹凸が造形物表面に残ることが知られていますが、Formlabsでは特許申請中技術「Surface Armorテクノロジー」により造形物周囲に半溶融状態のシェルを形成して材料に加わる急激な温度変化を和らげることで、SLSでも滑らかな表面品質を実現しています。
米国本部のコメント
「Formlabsの材料、ハードウェア、ソフトウェアは、すべて造形物1つ当たりの製作単価を最適化し、それぞれの機能を最大限に引き出せるよう開発されています。弊社のナイロン材料ファミリーに新たに加わったNylon 12 GFは、メーカー、エンジニアやプロダクトデザイナーの皆さまが高温環境下で持続的な負荷に晒されても耐えられる頑強なパーツを設計・製造いただけくことが可能となり、Fuse 1の機能を更に有効に活用いただけます。」
― Formlabs Inc. SLSプロダクトマネージャー Chris Haid
Formlabsについて
本プレスリリースに関する報道関係者様向け素材は、以下の画像をご用意しております。Formlabsは米国マサチューセッツ州サマービルに本社を置き、ノースカロライナ州、ドイツ、日本、中国、シンガポール、ハンガリー等に拠点を置く、「誰もが簡単にものづくりができる世界に」をミッションに掲げる産業用3Dプリンタメーカーです。創業者マックス・ロボフスキーらがMIT(マサチューセッツ工科大学)在学中に創業し、2016年には日本での販売を開始。フォーチュン500にリストアップされる全メーカーが導入しているデスクトップ型3Dプリンタとして話題となり、創業から成長に至るストーリーはNetflixの3Dプリンタ業界のドキュメンタリー「Print The Legend」でも大きく取り上げられており、昨年2021年9月には、創業10周年を迎えました。
Formlabs製3Dプリンタは、スマートフォンのようにソフトウェアアップデートで機能を向上し続けるため、ユーザー様は購入後にも製品の進化を体感いただけます。これまで光造形方式をデスクトップ型に小型化し、独自のLFS(Low Force Stereotholigraphy™)技術でその光造形方式の精度を更に1つ上のステージに押し上げ、更に粉末飛散やスペース、価格等の課題が多かった粉末焼結積層(SLS)方式3DプリンタもFuse 1として小型化し、粉末飛散を防いで材料の再利用をも可能にする専用後処理機Fuse Siftも開発しました。私たちはこれからも、ものづくりの裾野を広げ、誰もが簡単にデジタルなものづくりに挑戦できる世界を造り続けて参ります。
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