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日立がイタリアでジェノバ地下鉄向け車両14編成を受注
2022年2月9日
日立がイタリアでジェノバ地下鉄向け車両14編成を受注
イタリア ジェノバ地下鉄 |
日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レール社は、イタリアの鉄道事業者であるAzienda Mobilità e Trasporti(アジェンダ・モビリティア・トランスポーティ社/以下、AMT社)から、リグーリア州の州都ジェノバ市で運行する14編成(56両)の新世代の地下鉄車両を、7,000万ユーロ(約90億円) *1で受注しました。なお、AMT社は政府融資を受けたジェノバ市より委託されて運営されており、この新型車両により、ジェノバの地下鉄網の拡大をサポートし、より多くの人々に持続可能なモビリティーソリューションを提供します。 この新型車両は、1編成当たり4両で290人が乗車でき、全長39mです。通常は2編成で走行し、全長78m、乗客定員580名になります。また、運用の柔軟性を高めるため現在ジェノバ市内で運行されている第3世代の車両との連結も可能です。 車内設備や車載システムのデザインは、機器が可能な限り客室スペースを占有しないように配置され、連結された車両間の視界を確保できるように設計されています。また、座席は重量バランスが考慮され、左右対称でバランスのとれたデザインになっています。新しい地下鉄車両は、先進的な内外装デザイン、最先端の技術、安全性、耐性、リサイクル性の要件に完全に準拠した素材の使用が特徴です。 ジェノバの鉄道網での運行のために、車両には速度の制御や運転操作等の自動化を行うATPシステム(Automatic Train Protection/自動列車停止装置)とATOシステム(Automatic Train Operation/自動列車運転装置)が搭載されます。車内通信システムは各車両に搭載されており、イーサネット *2を利用して、乗客への音声案内やディスプレイ、緊急用無線、運転手用のコントロール機器など、すべての通信機器との接続を保証しています。 さらに、車両には革新的な空調システムが搭載され、季節や天候に関わらず、乗客の快適性を大幅に向上させます。この新型車両は、現在建設中のカネパリ、マルチネス方面への東西延伸を含む、ジェノバ地下鉄の発展をサポートします。イタリア国内のサプライチェーンを利用して、日立レール社の工場で製造され、2024年初頭に最初の車両が納入される予定です。 すでに、AMT社が運営する25編成の車両の内、日立レール社がジェノバ市に2016年に納入した7編成の車両が、新型車両と同様の特徴を持っています。新型車両も含めて、イタリア警察軍(カラビニエリ)のジュゼッペ・アヴェッツァーノ・コメス中尉にちなんで命名されたディネグロにあるAMT社のデポで整備される予定です。 今回の投資は、持続可能なモビリティ実現をめざすジェノバ市をサポートするものであり、日立の脱炭素に向けた戦略に完全に合致するものです。
ジェノバ市 統合モビリティ・交通評議員 Matteo Campora(マッテオ・カンポラ)のコメント
戦略的パートナーシップを結んでいる日立が納入する14編成の新型車両により、市民や観光客の移動をより快適に実現することができます。地下鉄網の改善は、ジェノバの交通網の脱炭素化に向けたジェノバ市とAMTのコミットメントにおける戦略の柱であり、その目的は、環境汚染を引き起こす自動車から、より環境に優しい持続可能な大規模輸送への移行を促進することで、移動する際に発生する環境フットプリントを削減することです。
AMT社 Chairman, Marco Beltrami(マルコ・ベルトラミ)のコメント
都市圏の鉄道網の改善は、ジェノバの公共交通の基礎を支えます。AMTは、ジェノバ市民に地下鉄とバスの統合したサービスにより、より多くの移動機会を保証します。14編成の新型車両により、拡大する鉄道網において、常に質の高いサービスを提供することができます。ジェノバにとって、日立はグローバルレベルのサプライヤーであるだけでなく、重要な革新的プロジェクトを一緒に立ち上げることができるパートナーです。
日立レール社 Head of Sales & Projects, Rolling Stock, Andrea Pepi (アンドレア・ペピ)のコメント
今回の契約は、ジェノバ市のモビリティの向上に向けた日立レール社、ジェノバ市、AMT社の緊密な連携をより高めるものです。ジェノバ市の公共交通機関の持続可能性を高め、人々の生活の質を向上させるために、イノベーション、技術、ソリューションの面で貢献できることを誇りに思います。
*1
ユーロ=129.25円で計算
*2
イーサネットは、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社の登録商標です
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
日立のウェブサイト
AMT社について
AMT(Azienda Mobilità e Trasporti)は、ジェノバ市とジェノバ都市圏の公共交通機関を運営しています。AMTは、バス、トロリーバス、地下鉄、エレベーター、ケーブルカー、アプト式鉄道、狭軌式鉄道、船舶、オンコールサービスなど、さまざまな交通手段を運営しています。AMTのミッションは、お客様に快適で楽しい、そして持続可能な体験を提供するために、公共交通機関を所管している地方自治体が定めた都市のモビリティ政策に取り組み、実行することです。ビジョンは、採用した技術と市民のモビリティニーズを満たす能力において、イタリアの公共交通機関のリーダーとなり、ジェノバ市とジェノバ都市圏の公共交通機関をより優れたものにすることです。AMTは、120年の歴史を持ち、今日では2,700人以上の従業員を擁する革新志向の企業です。
AMT社のウェブサイト
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