ニュース
NVIDIA、Omniverse のエコシステムと機能を拡張し、仮想世界構築のための新ポータルを開設
2021年11月10日
NVIDIA、Omniverse のエコシステムと機能を拡張し、
仮想世界構築のための新ポータルを開設
Omniverse が AR、VR および マルチ GPU レンダリング機能を搭載、Bentley と Esri のシミュレーションアプリケーションが Omniverse に対応、Omniverse Enterprise が発売開始
本日、NVIDIA Omniverse の新機能と新しいパートナーが紹介されました。仮想世界の存在感が飛躍的に大きくなり、通常の 2D から活気に溢れた 3D の魅惑的な世界に向けて、インターネットの進化がスピードアップしています。
物理的に正確な 3D の仮想世界において結合組織の役割を果たすプラットフォームである Omniverse が、AR、VR およびマルチ GPUレンダリングといった新機能を搭載し、さらに Bentley Systems および Esri のソフトウェアとインフラストラクチャや産業向けデジタルツイン アプリケーションの統合が可能になります。
Omniverse により、エンジニアやデザイナーは、建物や製品の物理的に正確なデジタル ツインの構築が可能になっているほか、物理的な世界に導入する前にロボットや自律走行車をトレーニングするための、大規模で、現実にきわめて近いシミュレーション環境を構築できるようになります。
昨年12 月にオープンベータが開始されて以来、Omniverse は、7 万人以上のクリエイターにダウンロードされてきました。また、BMW Group、CannonDesign、Epigraph、Ericsson、建築会社の HKS と KPF、Lockheed Martin および Sony Pictures Animation など、700 以上の企業の専門家たちに活用されてきました。
Omniverse の新しい技術と機能
本日発表された Omniverse の新機能は以下となります。
・Omniverse Avatar: 音声 AI、コンピューター ビジョン、自然言語理解、レコメンデーション エンジンおよびシミュレーション テクノロジと NVIDIA のテクノロジを組み合わせ、インタラクティブな AI アバターの作成を可能にするテクノロジ プラットフォーム
・Omniverse Replicator:物理的にシミュレーションされた合成データを作り出し、ディープ ニューラルネットワークのトレーニングが可能な強力なエンジン
さらに、Omniverse には、以下のような、いくつかの新機能が実装されています。
・エンタープライズクラスの没入型ストリーミング フレームワークである NVIDIA CloudXR が、ネイティブの Omniverse アプリケーションおよびマイクロサービスを構築するためのツールキット、 Omniverse Kit に組み込まれています。これにより、ユーザーは、Omniverse での体験をモバイルの AR および VR デバイスにインタラクティブにストリーミングできるようになります。
・Omniverse VR に、世界初のフルイメージの、リアルタイム レイトレーシングされた VR が導入されています。これにより、開発者はプラットフォーム上で独自の VR 対応ツールを構築できるようになり、エンドユーザーは VR 機能を直接楽しめるようになります。
・Omniverse XR Remote の AR 機能と仮想カメラにより、デザイナーは、iOS および Android のデバイスから、フルレイトレーシングされた制作物を閲覧できるようになります。
・Omniverse Farm により、チームは複数のワークステーションまたはサーバーを同時に使い、レンダリングや合成データの生成あるいはファイルの変換といった作業が可能となります。
・Omniverse オープン ベータ のアプリケーションとして提供されている Omniverse Showroom により、技術に詳しくないユーザーも、Omniverse のリアルタイムでの物理シミュレーションとレンダリング技術を紹介する、Omniverse テックデモを試すことができます。
Bentley Systems と Esri が、Omniverse を通じて産業界向けのデジタル ツイン アプリケーションを構築
インフラストラクチャ エンジニアリング用ソフトウェアを作っている Bentley Systems が、Bentley iTwin for NVIDIA Omniverseの早期アクセスの発表を行いました。このソフトウェアにより、全世界のインフラストラクチャ エンジニアリング業界では、インフラストラクチャ デジタル ツインの次世代の物理的に正確な 4D のビジュアライゼーションおよび建設シミュレーションができるようになります。
Bentley iTwin for NVIDIA Omniverse により、iTwin のユーザーは、大規模で、物理的に正確な工業プラントおよび海洋構造物を、まるでそのなかをリアルタイムで歩いているように仮想的に探査できるようになります。
大手の都市デザイン用マッピング ソフトウェア企業である Esri は、Esri ArcGIS CityEngine アプリケーションが Omniverse に対応し、ArcGIS のエコシステムを使っている、数百万人のユーザーが Omniverse プラットフォームを活用できるようになりました。これにより、リアルタイムのフォトリアリズムで 3D の都市モデルや地理的背景を便利に提供できるようになり、ロボティクスや自律走行車、小売、通信事業などの業界向けに、大規模なデジタルツイン環境を構築する、新たな機会を切り開くことが可能となります。
Omniverse エコシステムの拡大
NVIDIA Omniverse のエコシステムは、さまざまなパートナーによって構築された新たな機能拡張、および工業用 3D デザイン ツールへのライブリンクを可能にするプラグインであるOmniverse Connectors によって、拡大を続けています。このエコシステムのなかには、Daz3D、e-on software の PlantFactory、PlantCatalog and VUE、Radical, Reallusion、Replica、Style3D および TwinBru などが含まれています。その他のパートナーは、Omniverse に向けた第 1 歩として、「3D 世界の HTML」である Universal Scene Description、ならびにプラットフォームの基盤となっている、Adobe Substance 3D、Clo Virtual FashionGolaem、Maxon、Notch, および Wacom への対応を開始しつつあります。
Omniverse Enterprise の一般向け発売が開始
本日より、Omniverse Enterprise が一般向けに発売されるようになりました。このプラットフォームにより、複数のソフトウェア スイートを駆使して作業をしている、グローバルな 3D デザイン チームが、あらゆるデバイスから、共有の仮想空間で、リアルタイムでコラボレーションできるようになります。
Omniverse Enterprise は、小規模なワークグループでも、世界中に分散しているチームでも、NVIDIA Enterprise Support のフルサービスを含むサブスクリプションを通じて、柔軟に導入することができます。
さまざまな業界のリーダーが、Omniverse を使用し、評価を行ってきました。
世界的な建築、エンジニアリングおよびコンサルティング企業である CannonDesign は、Omniverse を使って、コラボレーション デザインを高速化させようとしています。
CannonDesign の最高技術責任者 兼 シニアバイスプレジデントの ヒルダ エスピナル (Hilda Espinal) 氏は、次のように話しています。「NVIDIA Omniverse により、当社では、物理的なスケールのモデルを撮影したときに、そのリアリティーをすばやく反復および作品化して、デザインを探求し、さらにデザイン プロセス中にお客様の意向を反復および強調できるようになっています。Omniverse を使い続けるうちに、当社では、そのさまざまな機能、コスト削減、ならびにユーザーおよび消費者のエクスペリエンスの向上に大きな期待を抱くようになっています。私たちは、ソフトウェアの相互運用性に対処しなければならないという悩みとそれに関連する無駄が過去のものとなるポイントにまで到達したことをとても嬉しく思っています。私たちはこれまでよりはるかに自然に、より簡単にコラボレートできるようになっているのです」
Sony Pictures Animation は NVIDIA Omniverse Enterprise を活用して、アーティストたちが、あらゆる場所から単一の画面で共同作業できるようにしています。
Sony Pictures Animation のテクノロジ担当エグゼクティブディレクターのイオティス カサンバス(Yiotis Katsambas) 氏は、次のように話しています。「Sony Pictures Animation は、ストーリーテリングとビジュアルの両方で、創造性の限界を絶えず押し広げようとしてきました。NVIDIA Omniverse は、その目標に向かって、継続的な革新を行うための重要な基盤となるでしょう。Omniverse により、当社のアーティストは、物理的な場所に関係なく、ストーリーおよびビジュアルの創作プロセス中に複雑な環境に踏み込むできるようになり、スタジオはこれまでなかったような方法で、シームレスにコラボレーションできるようになります」
プロダクト ビジュアライゼーション企業の Epigraph は、NVIDIA Omniverse を使ってワークフローを高速化させようとしています。
Epigraph の共同創業者であるカレブ デルマイヤー (Caleb Dermyer) 氏は、次のように話しています。「Yamaha やEGO、Restoration Hardware といったブランドと仕事をするには、きわめて精密で、魅力的なデジタル エクスペリエンスを高速で生み出す必要があります。NVIDIA Omniverse は、リアルタイムのパストレース ビジュアライゼーションでは定評があり、当社は、お客様のコンセプトを記録的な速さで実際の製品体験へと変容させることができます」
大手通信企業である Ericsson では、Omniverse プラットフォームを使って、信号伝搬のシミュレーションと視覚化を行うデジタル ツインを作り、5G ネットワークでの機能開発と知見を加速しています。
発売時期と価格
個人向け NVIDIA Omniverse プラットフォームは、nvidia.com/omniverse より無料でダウンロードいただけます。NVIDIA Omniverse Enterprise ソリューションは、世界的なコンピューター メーカーである、BOXX Technologies、Dell, HP、Lenovo および Supermicro、ならびに販売 パートナーである Arrow、Carahsoft Technology Corp、株式会社エルザ ジャパン、Ingram-China、Leadtek、OCS、PNY および SB C&S株式会社より入手いただけます。Omniverse Enterprise サブスクリプションは、上記の販売パートナー、あるいは一部のビジネス パートナーを通じて、直接ご購入いただけます。
トライアル プログラムにご興味をお持ちのお客様は、新規ユーザー向けの、2 つの形式の Omniverse Enterprise を、最大 30 日間無料でご使用いただけます。自社のインフラストラクチャでの評価をご希望のお客様は、NVIDIA.com に申請いただければ、Omniverse Enterprise 30 日間評価版をご使用いただけます。パートナーは、NVIDIA より発行される非再販用ライセンスを使った、デモ/POC を通じて、お客様によるコンセプト実証を行うこともできます。
全パートナーリストと価格情報は、Omniverse Enterpriseページhttps://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/enterprise/からご覧ください。
11 月 11 日までオンラインで開催される NVIDIA GTChttps://www.nvidia.com/ja-jp/gtc/?ncid=em-even-559985 に登録すれば、NVIDIA Omniverse についてより詳しく学ぶことができます。11 月 9 日にライブ配信され、再視聴も可能な、NVIDIA の創業者/CEO である ジェンスン フアンの GTC 基調講演https://www.nvidia.com/gtc/keynote/をぜひご視聴ください。Omniverse Developer Day と User Group もご覧いただけます。
NVIDIA ホームページはこちら