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当社初の車載用ボルテージトラッカ「S-19720 シリーズ」を発売 業界最小(※1)のオフセット電圧・小型パッケージ【エイブリック】

2021年11月2日

  

当社初の車載用ボルテージトラッカ「S-19720 シリーズ」を発売
業界最小(※1)のオフセット電圧・小型パッケージ

低オフセット電圧±5mVで自動運転の安全性向上に必須な高精度センシングに貢献!

  

 エイブリック株式会社(社長:石合 信正、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、車載用ボルテージトラッカ「S-19720シリーズ」の販売を開始しました。
 自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェア&サービス、電動化)を軸とした技術革新が急速に進んでおり、100年に一度の大変革時代と言われています。特にCASEの中の「自動運転」機能を持つ自動車には、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)システムをはじめ、刻一刻と変化する車内・車外の状況を正確に把握するための様々なセンサ類が搭載されています。
 多くのセンサは電源電圧に比例した出力(レシオメトリック出力)をするため、電源電圧が変動すると出力も変動します。ECU(Electronic Control Unit)内の計測部(ADC)が正確な値を読み取るためには、センサとADCの電源電圧を等しい値で使用する必要があります。通常、配置スペースの制約からECUはセンサから離れた場所にワイヤーハーネスを介して配置されますが、万が一、ワイヤーハーネスに障害が発生した際にADCやCPUなどのECU内部の部品に影響が及ばないよう、センサの電源ICとECUの電源ICは分離して構成する必要があります。しかし、センサとECUに内蔵されたADCは異なる電源ICで構成されるため、電源IC間にばらつきが生じ、それぞれの出力電圧に差異が生じる(オフセットが生じる)可能性があります。オフセットが生じるとセンサの読み取り精度が低下し、自動車の安全性、環境性能、快適性などに影響を及ぼすリスクがありました。
 本日発売したボルテージトラッカ「S-19720シリーズ」は、業界最小(※1)のオフセット電圧で、ECU外部のセンサ類や部品へ電源を供給する際に、正確なセンサ読み取りを実現することができます。さらに、各種保護回路を備えているため、ワイヤーハーネスに障害が発生した場合でもECUを保護することができ、自動運転のさらなる安全性向上に貢献する製品です。
 また、「S-19720シリーズ」は、業界最小(※3)のHSNT-6(2025) (1.96×2.46×t0.5mm)パッケージを採用し、部品点数の増加に伴い省スペース化が進む昨今の車載用機器のニーズに応える製品となっています。
 さらに、パワーオフ時消費電流が4μA typ.と小さく、センサを間欠的に動作させるシステムの暗電流削減(※2)に最適です。
 なお、「S-19720シリーズ」はPPAP(Production Part Approval Process: 生産部品承認プロセス)に対応しており、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 Grade1(*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)にも対応予定です。

【主な特長】
1. 業界最小のオフセット電圧

「S-19720シリーズ」は、非常に低いオフセット電圧±5mVを実現しています。電圧トラッキングの許容誤差が低いことで、センサ読み取り精度向上に貢献します。

2. 業界最小!超小型パッケージ「HSNT-6(2025)(1.96×2.46×t0.5mm)」を採用
「S-19720シリーズ」は、36V動作、50mA出力のボルテージトラッカとして業界最小パッケージサイズを採用。搭載部品の増加するECUの小スペース化に貢献できます。

3. 業界最小クラス!パワーオフ時消費電力
「S-19720シリーズ」は、パワーオフ時消費電流4μA typ.を実現。センサを間欠的に動作させるシステムの暗電流削減に最適です。
また、動作時消費電流も30μA typ.と小さく、常時センシングが必要なシステムの暗電流削減にも貢献します。

4. 各種保護機能を内蔵
「S-19720シリーズ」は、過電流保護回路、サーマルシャットダウン回路に加え、逆流電流防止機能を内蔵。VOUT端子からVIN端子に逆流する電流を-5μA min.に制限し、天絡、地絡によるデバイスの破壊を防ぐことが可能です。

5. 36V入力/45V定格
「S-19720シリーズ」は、入力電圧36V、定格45Vの高耐圧製品のため、直接12V鉛バッテリーに接続することが可能です。

【主な仕様】
・入力電圧: 4.0 V ~ 36.0 V
・オフセット電圧: ±5 mV (0.1mA ≦ IOUT ≦ 50 mA)
・ドロップアウト電圧: 160 mV typ. (VADJ/EN = 4.0V, IOUT = 10 mA)
・出力電流: 50 mA出力可能(VIN = VADJ/EN + 2.0 V) (※4)
・入力コンデンサ: セラミックコンデンサが使用可能 (1.0 μF以上)
・出力コンデンサ: セラミックコンデンサが使用可能 (1.0 μF ~ 1000μF)
・過電流保護回路を内蔵: 出力トランジスタの過電流を制限
・サーマルシャットダウン回路を内蔵: 検出温度175 ℃ typ.
・逆流電流防止機能: IREV = -5 μA min. (VIN = 0V, VADJ/EN = 5.0 V, VOUT = 16.0 V)
・消費電流: 動作時30 μA typ.
     パワーオフ時 4μA typ.
・動作温度範囲: Ta = -40 ℃ ~ +125 ℃
・鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー
・AEC-Q100進行中(※5)

【用途例】
・車載アプリケーションのオフボードセンサ用電源
・車載用 (エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV / HEV / PHEV関連機器等)

【車載用ボルテージトラッカIC ラインナップ】

【製品詳細】
https://hub.ablic.com/ja/products/s-19720

【Web サイト】
https://www.ablic.com/
(※1) 36V動作50mA出力の車載ボルテージトラッカとして。2021年11月 当社調べ
(※2) イグニッションOFFの状態でも流れる待機電流
(※3) 2021年11月 当社調べ
(※4) 大電流出力時には、ICの損失が許容損失を越えないように注意してください。
(※5) 詳細は、弊社販売窓口までお問い合わせください。

エイブリック株式会社は、2020年4月30日付でミネベアミツミ株式会社の100%子会社となりました。

  

  

  

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