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動的粘弾性測定装置「DMS7100」を発売 新型の測定ヘッドと対話形式のソフトにより操作性を向上【エスアイアイ・ナノテクノロジー】

2012年8月27日

セイコーインスツル㈱(略称:SII、社長:鎌田國雄、本社:千葉県千葉市)の100%出資子会社で計測分析装置の製造販売を行っているエスアイアイ・ナノテクノロジー㈱(略称:SIIナノテク、社長:川崎賢司、本社:千葉県千葉市)は、操作性・信頼性を向上させた動的粘弾性測定装置「DMS7100」を本日8月27日に発売します。

プラスチックやゴム・エラストマー、または複合材料など、さまざまな高分子材料の力学的特性を分析する方法の一つに、熱分析の一種である動的粘弾性測定法*1があります。動的粘弾性測定は、ヤング率*2やガラス転移*3の測定のみならず、ポリマーの分子運動や分子構造に関する情報を得ることができ、新しい材料を開発する上で欠かすことのできない測定法です。また工業材料の力学的特性が、製品等の基礎開発から量産に至る加工工程において重要な役割を持つことも多く、材料の品質を管理する目的にも利用されています。

今回発売する動的粘弾性測定装置「DMS7100」は、前モデルDMS6100の性能および機能を踏襲し操作性・信頼性を向上させたモデルです。具体的には、サンプルを固定するための各種測定ヘッドの形状を改良し、サンプルの脱着を容易にしました。また、対話型ソフトウェアの「かんたん測定ナビゲーション」により、サンプルの取り付け方法や測定条件の設定が分かりやすく表示され、初めて装置を使用する方でも簡単に測定が行えます。加えて「リサージュモニター機能」により測定ポイントごとに応力と歪みのリサージュグラフを見ることができるため、信頼性の高い測定が行えます。さらに測定中の試料の状態変化をCCDカメラで同時観察できる試料観察オプション「リアルビューDMS」にも対応しました。

SIIナノテクは1974年に熱分析装置を発売以来、国内トップメーカーとして多くの納入実績があります。今回、動的粘弾性測定装置「DMS7100」がラインナップされることで、ユーザーから好評なSIIの熱分析装置シリーズ「EXSTAR7000」が完結しました。今後、機能性高分子材料を中心とした新しい工業材料の研究開発、さらには品質管理を目的としたお客様へ積極的に販売を進めてまいります。

DMS7100の主な特徴

1. サンプル脱着が容易な測定ヘッドと対話型ソフトで簡単操作
オペレーターの動きを人間工学的に考慮し、多彩な変形モードに対応した各種測定ヘッドを、簡単で確実にサンプルを取り付けることができる構造に改良しました。また測定条件の設定から測定開始までの一連の操作を分かりやすいイラストでナビゲートするソフトウェア「かんたん測定ナビゲーション」により、初心者でも簡単・確実に操作ができるようになりました。

2. リサージュモニターにより信頼性の高い測定
測定中にサンプルの応力と歪みの関係を観察する「リサージュモニター」を標準搭載しました。測定中のサンプルの変形状態を測定ポイントごとにリアルタイムで確認できます。またリサージュグラフを保存することにより、後日のデータ解析に際しても、測定ポイントごとにサンプルの変形状態を確認することができ、信頼性の高いデータ取得をサポートします。

3. 液化窒素消費量を削減した冷却ユニット
EXSTAR7000シリーズで採用している全自動ガス冷却ユニットを接続使用できます。液化窒素の消費量を約30%削減(当社比)できるエコタイプの冷却ユニットです。

4. 試料観察システム「リアルビューDMS」(オプション)
リアルビューDMSは、測定中の試料の状態変化を連続した画像で表示、保存します。また測定後は、解析ソフトウェアを使用して保存した画像を呼び出し、温度および各信号とリンクしてスムーズに表示、解析することができます。熱転移などの評価に対して、より信頼の高い情報が得られます。

DMS7100の主な仕様

変形モード : 引っ張り、両持ち梁曲げ、片持ち梁曲げ、3点曲げ、ずり、 フィルムずり、圧縮

測定モード : 動的測定・静的測定

周波数 :
正弦波振動時 0.01~200Hz
合成波振動時 同時5周波数

測定範囲(貯蔵弾性率) :
105~1012Pa(引っ張り)、105~1012Pa(両持ち梁曲げ)、106.5~1013.5Pa(3点曲げ)、103~109Pa(ずり)、
104~1010Pa(フィルムずり)、105~109Pa(圧縮)

温度範囲 : -150~600℃

プログラム速度 : 0.01~20℃/min

価格

1,150万円~(税別)

販売目標台数

50台(年間)


*1 動的粘弾性測定:試料に時間によって変化(振動)する歪みまたは応力を与えて、それによって発生する応力または歪みを測定することにより、試料の力学的な性質を測定する方法。
*2 ヤング率:弾性範囲で単位歪み当り、必要な応力の値を表す定数。
*3 ガラス転移:非晶質の固体を加熱した場合、低温では結晶のように剛性が高く粘度が低いものが、ある温度範囲で急速に剛性と粘度が変化し流動性が増すような温度をいう。

この件に関するお問い合わせ先

お客様
エスアイアイ・ナノテクノロジー㈱
分析営業部  営業一課
TEL : 03-6280-0077


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