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耐加水分解性とレーザー透過性を兼ね備えた 新PBTコンパウンド製品群を発表【ランクセス】
2021年9月24日
ランクセス、耐加水分解性とレーザー透過性を兼ね備えた
新PBTコンパウンド製品群を発表
・ PBT 製のスワール制御アクチュエータハウジングを製造可能に
・ レーザー透過溶着法を用いて製造
・ 高温多湿の条件下での高い耐久性
・ 優れた寸法安定性
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、高温多湿の条件下での高い耐加水分 解性と、レーザー透過溶着に適した良好なレーザー透過性を兼ね備えた新しいポリブチレンテレ フタレート(PBT)コンパウンドを発表しました。PBT ではこれまで、この2 つの特性の両立は難し いとされてきましたが、ランクセスでは、これらの特性を兼ね備えたPBT コンパウンド製品群の開 発に成功しました。例えば、様々な大量生産の用途において既に使用されている「ポカン® (Pocan®)B3233HRLT」は、スワール制御用のメカトロニックアクチュエータのハウジングの製造 に使用可能です。ドイツ南部に拠点を置く自動車メーカーでは、ディーゼルエンジンシリーズの幾 つかにこのタイプのアクチュエータが装備されています。これらのアクチュエータは、フランスのオ ルベにあるソゲフィ・エア・アンド・クーリング社によって開発・製造されています。同社は、イタリア のソゲフィS.p.A 社の傘下にあり、ソゲフィグループは、車両用のフィルターシステム、フレキシブ ルシャーシコンポーネント、吸気およびエンジン冷却システムにおける世界有数のプロバイダーで す。
費用対効果の高い生産プロセス
ランクセスのハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットのアプリケーション開発専
門家であるジャンマリー・オリヴェは、次のように述べています。 「ランクセスのPBT コンパウンド
が選ばれているのは、車のボンネット内の高温・高湿度環境にも持ちこたえるという理由からです。
この素材には、反りが少なく、寸法安定性が高いという特徴もあり、それは、コンパクトなハウジン
グの複雑な形状に理想的な特性なのです」 また、この素材は、黒く着色された場合でもプラスチッ
クのレーザー透過溶着に通常用いられる光波長範囲においては高い透過性を有しています。「こ
れによって、ハウジング部品の安定的かつ効率的な溶着が保証されるのです」
優れたテスト結果
「ポカンB3233HRLT」の高温多湿環境下での抜群の耐久性は、SAE/USCAR-2 Rev. 6 長期試
験で実証されています。この試験は、米国自動車技術者協会(SAE)が定めた基準に従って実施
され、プラスチックの耐加水分解性に関する世界で最も厳格な試験のひとつです。
完成部品は、最大100%の相対湿度環境下で、激しい温度変化に繰り返し何度も暴露されます。
「類似の条件下で実施された検査標本試験では、ランクセスのコンパウンドはクラス3 の要件を
満たし、125°C までの温度に耐えることができます」とオリヴェは述べています。
電気・電子機能の小型化に合致したレーザー透過溶着法
レーザー透過溶着法は、熱可塑性プラスチックで作られたコンポーネントの接合方法のひとつで
す。この方法は、非常に小さく形状が複雑なコンポーネントの、費用対効果が高く環境に優しい生
産法として理想的で、電気・電子機能の小型化というトレンドに合致しています。この手法ではレ
ーザー光のエネルギーを利用します。レーザービームは、レーザー透過性のコンポーネントを通
過し、その下にある2 層目のコンポーネント(通常は黒色顔料で着色)によって吸収されます。こ
の吸収で生じた熱が、2 層目のコンポーネントの表面を溶融します。次に、熱伝導によって1 層目
のコンポーネントの表面が柔らかくなり、これにより2 層のコンポーネントの間に強力な溶着シー
ムが形成されるのです。アクチュエータの場合、レーザー透過部分は黒色に着色されたレーザー
透過性の「ポカンB3233HRLT」で作られ、ハウジングのレーザー吸収側は、「ポカンB3233HR」
で作られています。
最適化された燃焼プロセス
スワール制御アクチュエータは、燃焼エンジンのエアマネジメントシステムの一部です。このアクチ
ュエータは、吸気モジュールへの空気供給を制御すると同時に、十分な乱気流を確保するという
役割を担っています。これは、燃焼プロセスの最適化を助け、エンジン効率を高める上で重要な
役割を果たしており、最終的には、高燃費、低燃料消費量につながります。
レーザー透過性の「PBT ポカンB3233HRLT」とレーザー吸収性の「PBT ポカンB3233HR」は、 メカトロニックスワール制御アクチュエータのハウジングの製造に使用されます。(写真:ランクセ スAG)
アクチュエータハウジングのカバー部分は、黒色のレーザー透過性「ポカンB3233HRLT」で作ら れ、ハウジングのレーザー吸収側は、「ポカンB3233HR」で作られています。(写真:ランクセス AG)
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これは、ドイツ・ケルンで9月3日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表した
ものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33 カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2020 年の総売上は
61 億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,800 人です。主な事業は、中間体、添加剤、特
殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れ
た企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス
(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URL にてご確認下さい。
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