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DIC、セーレン、福井県、新型炭素繊維強化プリプレグシートのサンプル提供を開始
2021年7月15日
DIC、セーレン、福井県、新型炭素繊維強化プリプレグシートのサンプル提供を開始
-世界最速硬化・常温保管を実現し、省エネルギーに貢献!-
DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫、以下「DIC」)とセーレン株式会社(本社:福井県福井市、代表取締役会長:川田達男、以下「セーレン」)および福井県工業技術センター(所在地:福井県福井市、所長:後藤基浩)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択テーマである「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発(2018年7月~2021年6月の3年間)」を実施し、世界最速硬化・常温保管を実現した「速硬化炭素繊維強化プリプレグシート」を開発しました。このたび、量産プロセスを構築、セーレンにて稼働させた実証機を用いたシートサンプルの提供を2021年7月から開始いたします。
図1 シート加工実証機 |
図2 新型炭素繊維強化プリプレグシート |
炭素繊維強化プリプレグシートは、炭素繊維の束を広げて樹脂を含浸させたシート状の中間材料です。軽量で強度が高く、低燃費・軽量化のニーズが高まる航空機や宇宙船、自動車向けに用途が広がっており、今後益々進むと見込まれています。一方、一般的にプリプレグシートを含めた炭素繊維複合材料(以下、「CFRP」)の成形加工は時間を要するため、CFRPの更なる普及には、成形時間を短縮する技術が求められています。
本開発では、DICが強みを持つ高分子設計テクノロジーを生かした「高速硬化樹脂(最短30秒以下で硬化するラジカル硬化樹脂)」の設計技術と、福井県工業技術センターが保有する繊維束を高速に薄く広げる「空気開繊技術」、セーレンが保有する樹脂成膜・塗工技術を生かした「高精度含浸技術」を組み合わせることで、最短30秒 という世界最速レベルの硬化時間のプリプレグシートを実現させています。また、一般的なエポキシ系のプリプレグシートは、保管時に冷凍・冷蔵倉庫等が必要ですが、本開発品は常温保管可能で、シート保管の設備および管理の負担も軽減することができます。
今後、DICとセーレンは、開発した新型プリプレグシートで、自動車分野をはじめ、幅広い産業への展開を検討しています。CFRPの生産性向上により、その普及を促進し、軽量化による低燃費化、省エネルギー化に貢献していきます。
以上
・関連ニュースリリース
「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発」が、NEDOの大型研究事業に採択
(2018年8月23日)
https://www.dic-global.com/ja/news/2018/products/20180823000000.html
・DIC株式会社について
DIC は日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DIC グループの中核企業です。DIC グループは、世界全体でSun Chemical Corporation を含む170 以上の子会社によって構成され、60 を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料 、テレビやPC 等のディスプレイに代表される表示材料 、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DIC グループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高7,000 億円を超え、世界全体で22,000 名以上の従業員を有するなか、DIC グループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。詳しくは、https://www.dic-global.com/ をご覧下さい。
・セーレン株式会社について
セーレンは、創業1889年。原糸製造から、織編、加工、縫製までの繊維一貫生産機能を有する総合繊維メーカー です。蓄積された繊維技術を核とし、車輌資材、スポーツ・ファッション、エレクトロニクス、環境・生活資材、メディカルの5つの事業領域にわたり、多彩かつ高付加価値な企業活動を展開しております。企画-製造-販売の「流通一貫機能」と、独自のITを駆使したデジタルプロダクションシステム「ビスコテックス」との融合により、「多品種・小ロット・短納期・在庫レス・省資源・省エネルギー」を実現。生活者のニーズ・CS(顧客満足度)に100%対応し、さらに、高度に差別化された商品群の開発・販売を行っています。 経営理念に「のびのび・いきいき・ぴちぴち」(それぞれ“自主性・責任感・使命感”を表しています)を掲げ、より高い付加価値の創造と企業価値の向上、さらには企業の社会的責任を果たす「21世紀型企業への変革」を目指しています。セーレンの詳しい情報は、https://www.seiren.com をご覧下さい。
・福井県工業技術センターについて
福井県工業技術センターは、地域に開かれた県内企業の総合的な試験研究機関として研究開発、技術支援、技術移転を3つの柱として事業を行っています。炭素繊維複合材料の分野では、福井県が開発した「開繊技術」をベースに、県内企業でより一層の事業化を加速するため研究開発から製品化に至るまでの諸問題に対して、研究開発のみならず技術経営も含めた支援を行う「ふくいCFRP研究開発・技術経営センター(FCC)」を設立しています。
福井県工業技術センターの詳しい情報は、http://www.fklab.fukui.fukui.jp/kougi/を、
FCCの詳しい情報は、http://www.fklab.fukui.fukui.jp/kougi/fcc/index.htmlをご覧下さい。
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