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エバンスが今季初優勝、オジエは総合3位で選手権首位を堅持【トヨタ自動車】

2021年5月24日

  

エバンスが今季初優勝、オジエは総合3位で選手権首位を堅持
WRCチャレンジプログラムの勝田は自己最高位の総合4位を獲得する

  

5月23日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルの最終日デイ3が、ポルト近郊マトジニョスを基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が今季初優勝を飾りました。総合3位にはセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が入り、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権で首位を堅持。今季3勝目を獲得したチームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルに対するリードをさらに拡げました。また、前日のデイリタイアから再出走を果たしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合22位で完走。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、WRC自己最高位となる総合4位でフィニッシュしました。



33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

  

ラリー・ポルトガルの最終日デイ3は、サービスパークの北東エリアで、5本計49.47kmのステージが行なわれました。デイ2で首位に立ったエバンスはオープニングのSS16で2番手タイムの選手に8.9秒という大差をつけるベストタイムを記録。続くSS17、そしてSS19でもベストタイムを記録し、総合2位のライバルとのタイム差を26.2秒に拡大。そして迎えた最終のパワーステージでは安定した走りで5番手タイムを刻み、今シーズン初優勝を獲得。キャリア4回目、2020年にチームに加入してから3回目となる勝利を手にしました。また、パワーステージでは1ポイントをボーナスとして獲得し、ドライバー選手権における順位を3位から2位に上げました。

1番手スタートにより不利な路面コンディションでデイ1を走り続けたオジエは、初日に大きくタイムを失いました。しかし、諦めずに粘り強く走り続け、デイ2では総合3位まで順位を回復。ただし、総合2位のライバルとはタイム差が大きくついていたため、デイ3では最終のパワーステージに向けて良い状態のタイヤを温存。総合3位でフィニッシュするとともに、パワーステージでは3番手タイムを記録してボーナスの3ポイントを獲得。エバンスに2ポイント差ながら、ドライバー選手権首位の座を守りました。

デイ3で再出走を果たしたロバンペラは、最終日の全ステージを走りきって経験を積み、パワーステージでは4番手タイムを刻んでボーナスの2ポイントを獲得。また、デイ2でオジエと激しく順位を争った勝田は、安定性を重視した走りで最終日を走破し、キャリアベストとなる総合4位でフィニッシュ。開幕から4戦連続でドライバー選手権ポイントを獲得しました。

<<豊田 章男 (チームオーナー)>>
エルフィン、スコット、優勝おめでとう!
前戦クロアチアでの悔しさをしっかり力に変えてポルトガルの難しい道を力強く走りきってくれました。チームにとっても貴重なポイントです。本当にありがとう!ファンの皆さまも熱い応援をありがとうございました!

貴元は自身最高位となる4位おめでとう!
私がポルトガルの途中結果を見たとき、貴元は3位のオジェに1.5秒差で迫っていました。クロアチアでステージトップをとった時、君の成長に本当に感動したけれど今回はそれ以上にとても“驚いた”。これからも、ぜひ私たちを“驚かせ”続けて欲しいと思います。

トップを争えるドライバーになると今までには経験したことのない環境に直面し悩んだり迷ったりすることがあると思う。だけど、ぜひ私と私のチームを信じて欲しい。私たちはドライバーの成長を一番に考え、それを喜びにするチームだと思っています。これからも一緒に成長していこう。

そして、ヤリマティ、こんなに離れたところで戦っているのに、君とは近くで一緒に働いている気持ちになれる。今週末、私が富士で使った“魔法の言葉”をヤリマティもさっそくポルトガルで使ってくれたみたいだね。

おはようございます!Hyvää huomenta!
今、みんなに問いかけたらヤリマティも、チームのみんなもきっと「こんばんは!」「Hyvää iltaa!」と答えるだろう。みんな今週末もハードワークをありがとう!Kiitos!

すぐにイタリアに向けた準備が始まると思うのでチームのみんなにもよろしく伝えてください。また次の戦いに向けて、みんなでがんばろう!

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
この結果には本当に満足しています。ラリーの最初の段階では、表彰台の一番高いところでフィニッシュできるとは思えませんでした。しかし、ラリーで勝つためには最後のステージまで全てのコーナーをクリアしなければならず、最終的に我々は勝つことができたのですから、とても素晴らしい気分です。この週末、エルフィンは最も安定したドライバーでしたし、パフォーマンスも高いレベルにありました。また、チームも本当に良い仕事をしてくれて、多くのポジティブな収穫がありました。セブは3位を獲得してチャンピオンシップに多くのポイントを追加し、貴元も過去最高となる総合4位を獲得しました。カッレにとっては残念なラリーになってしまいましたが、きっと彼はモチベーションをさらに高め、強くなって戻ってくることでしょう。

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>
今日は総合3位を確実にすること、そしてパワーステージでボーナスポイントを獲得することに集中しました。最大ポイントを得るには至りませんでしたが、もちろんゼロポイントで終わるよりは、3ポイントでも獲得できたほうが良かったですし、合計18ポイントはポジティブな結果だといえます。優勝を争うことができなかったのは、喜ばしいことではありませんが、チャンピオンシップをリードしている状況でラリーに臨み、出走順1番でステージを走らなければならないのは想定内だったので、できる限りのことをしました。次戦のサルディニアもまた厳しい戦いになるでしょうが、努力を続けてペースの改善に努め、どうなるか様子を見たいと思います。毎戦確実にポイントを積み重ねていくことが、チャンピオンシップ争いにおいては重要なのです。

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
優勝という形でラリーを締めくくることができたのは、もちろん素晴らしいことです。この週末は全てが順風満帆というわけではありませんでしたし、我々は最速ではなかったかもしれません。それでも、ペースはとても良く、パフォーマンスも全体的に安定していました。今朝は、2位とのタイム差がそれほど大きくなかったので、全力で挑む必要がありました。その結果、何度か良いステージタイムを刻み、アドバンテージを築くことができました。クロアチアでの失敗は非常に痛手だったので、今回は何事もなくラリーを走り切ることができて良かったです。

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
この週末は、私自身にとっては残念な結果になりました。多くの問題に遭遇し、多くのポイントを獲得するチャンスを失いましたが、それがラリーというものですし、次の戦いに向けて前進するしかありません。今日は最初のループステージで、、次のラリーに向けて様々なセットアップを試すことができました。その後のパワーステージでは、他のドライバーに比べるとタイヤのコンディションはあまり良くなかったのですが、自分ができる限りのプッシュをして、2ポイントを獲得できたので良かったです。手持ちのタイヤで、あれ以上良いタイムを出すことはできなかったと思います。

<<ラリー・ポルトガル デイ3の結果>>
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) 3h38m26.2s
2 ダニ・ソルド/ボルハ・ロザダ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +28.3s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +1m23.6s
4 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m28.4s
5 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +4m52.7s
6 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +5m03.4s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +9m37.2s
8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +11m20.0s
9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 Rally2) +12m01.5s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +12m35.8s
22 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +22m10.2s
(現地時間5月23日15時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、6月3日から6日にかけてイタリアのサルディニア島で開催される、第5戦「ラリー・イタリア サルディニア」です。昨年10月以来の開催となるこのラリーは、ラリー・ポルトガルに続くグラベル(未舗装路)イベントです。ステージは全体的にハイスピードですが道幅は狭く、道のすぐ脇まで木々が迫ります。路面は目の細い砂状のグラベルに覆われていますが、何台かのクルマが走行すると下から岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれるなど、路面のコンディション変化が大きい1戦です。また、気温が上昇することも多く、ドライバーとクルマにとって非常にタフなラリーです。



表彰式


1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)


69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

  

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