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SAIC MotorがSimulinkを活用してハイブリッド セダン Roewe 750 用の組込み制御システムを開発【MathWorks Japan】

2012年7月25日

モデルベースデザインで量産までの時間を25%短縮

東京, 日本 – (2012年7月25日)

MathWorks は、SAIC Motor CorporationSimulinkStateflow および Embedded Coder による モデルベース デザインを活用して、ハイブリッド セダン Roewe 750 用のハイブリッド制御装置(HCU)を開発したことを発表しました。 この設計手法により、SAIC Motors はHCU のモデル化、シミュレーション、検証、量産コードの自動生成を行い、社内での開発期間を当初の予測よりも 25% 短縮することができました。

Simulink と Stateflow によるモデルベース デザインを適用した SAIC Motor では、複数のシミュレーションを実行してさまざまなパワートレイン システムの構成を評価し、各構成が燃費と運転性に与える影響を比較することによって、HCU の制御アルゴリズムのモデル化および調整を行うことができました。また、車両と並行してバッテリやモーターなどのいくつかの主要なコンポーネントの開発も進行していたため、この手法によって手書きの仕様書の解釈から生じる誤解を排除することができました。さらに、Embedded Coder によって量産コードの 98% を自動生成することで、手書きのコードによるエラーを最小限に抑え、複数のモジュールをすばやく更新することができました。同社では Simulink Verification and Validation を使用した体系的な検証プロセスを開発して、モデル化における標準規格への準拠を強化しました。このプロセスによって設計プロセスの早期の段階でエラーを見つけて修正できたため、車載テストへの依存の軽減、時間の節約、プロジェクト コストの削減につながりました。

電気とハイブリッドの推進技術を開発する SAIC Motor の子会社、Shanghai E-propulsion Auto Technology Co. の General Managerである Jun Zhu 氏は次のように述べています。「3 年前の当社では、組込み制御ソフトウェアの開発の経験があまりありませんでした。今回、担当者の数名が組込み開発に携わるのが初めてだったため、業界で既に実証された手法が必要でした。このため、効率的で実績のある開発手法のモデルベース デザインを選択しました。この手法のおかげで、非常に複雑な HCU 制御ロジックを開発し、プロジェクトをスケジュールよりも早く完了することができました。」

MathWorks の Automotive Industry Marketing Managerの Jon Friedman は次のように述べています。「SAIC Motor の HCU 開発プロジェクトは、新興市場の自動車会社がモデルベース デザインを活用してコア IP を開発した良い例です。モデルベース デザインは要求仕様から実装と検証まで、複数のグループの共通のプラットフォームとして機能し、単一の開発環境を提供します。」

電気モーターとエンジンの連携をとるハイブリッド セダン Roewe 750 用 HCU の複雑な制御ロジックは、非ハイブリッド車に勝る燃費性能および排気ガス削減の実現という同社の目標を達成する上で欠かせないものでした。今回の成功を受けて、SAIC Motor では現在、ストロング ハイブリッド Roewe 550 や電気自動車といった新エネルギー車両プログラムにモデルベース デザインを活用しています。

SAIC Motor における MATLAB と Simulink の活用の詳細については、ユーザー事例「SAIC Motor Develops Embedded Control System for the Roewe 750 Hybrid Sedan」をご覧ください。

本件に関するお問い合わせ先

MathWorks Japan
Emai : public-relations@mathworks.co.jp
TEL : 03-6367-6700


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