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HEMSと連携したEV用相互電力供給システムを開発【デンソー】
2012年7月24日
㈱デンソー(本社 : 愛知県刈谷市、社長 : 加藤 宣明)は、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)と連携した電気自動車(EV)用相互電力供給システム< Vehicle to Home(V2H)>を開発しました。このシステムは、EVと住宅の間で直流による急速充電を可能にするとともに、車両に蓄えた電力を住宅に供給することができます。さらにHEMSと連携して、住宅で発電した太陽光発電電力を含めた電気エネルギーをEVと住宅の間で最適に制御することができます。
これは、2010年4月から開始した「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一環として開発したものです。デンソーはこれまでにトヨタ自動車㈱と共同でプラグインハイブリッド車(PHV)を使った交流によるV2Hに関する開発及び実証実験を行ってきましたが、今後は、PHV、EV両方の車両に対応するV2Hに関する実証実験を進めていきます。
今回開発したシステムの主な特徴は以下の2点です。
1. HEMS用定置蓄電池を利用した急速充電機能
EVは電池に蓄えられた電力のみで走行します。電池残量が少なくなっている場合が考えられるため、必要なときにいつでも走行できるように、急速充電できることが重要です。しかし、急速充電器は、一度に大きな電力を必要とするため、電力契約の引き上げなどが必要となり、家庭への導入は困難でした。今回開発したシステムは、HEMS用定置蓄電池に少しずつ貯めた電力を一度にEVに送ることができるため、電力契約を引き上げることなく家庭に適用することができます。本システムでは、15分の充電で約20km走行可能な電力を充電することができます。
2. エコV2H機能
HEMSがその日のEVの走行予定と家庭内の電力使用量を予測することにより、EVの電池とHEMS用定置蓄電池への充電およびこれらからの放電を最適に制御します。そして、太陽光発電の余剰電力を売電するかわりにEVまたはHEMS用定置蓄電池に貯め、使用することにより、エネルギーの地産地消を実現するとともに、電力ピーク時には貯めた電力を家庭内に戻すことによりピークシフトを可能にします。
これらを実現するためには、EVから家に戻した電力と商用電力【注1】を連系【注2】させる技術が必要です。
なお、災害などの非常時においてもPHVと同様、EVの電池の電力を住宅内において使用することも可能です。
今回開発したシステムは、V2Hに関わる標準化の動きをふまえながら開発しています。本実証事業では、トヨタ自動車㈱と三菱自動車工業㈱のEVを用いた検証を行う予定です。
デンソーは、次世代エネルギー次世代社会システムを見据え、住宅におけるエネルギーの最適利用をEV・PHVを核に実現するとともに、低炭素社会の実現に向けた効率のよいエネルギーマネジメントシステムの開発、事業化に向け、2013年から豊田市において実証実験を開始する予定です。
注釈
【注1】 商用電力
一般家庭が電力会社から購入している電力。系統電力ともいう。
【注2】 商用電力と連系させる
系統連系のこと。系統連系とは、太陽光発電や蓄電池などの分散電源の出力を商用電力に接続すること。電力品質を維持するため、周波数や位相を正確に合せる技術が必要。
【注3】 EDMS : Energy Data Management System
社会全体としてのエネルギー最適利用を達成するため、データ収集・解析により、行動支援する。
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