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フォルクスワーゲングループ、将来の課題にプラットフォームモデルを使用
2021年3月18日
フォルクスワーゲングループ、将来の課題にプラットフォームモデルを使用
・将来的に、すべてのグループブランドのハードウェア、ソフトウェア、バッテリー&充電、モビリティサービスは、
ほぼ標準化された技術基盤をベースにする
・新しいCFOに就任するアルノアントリッツが、今後数年間の見通しと目標を提示
・CEOヘルベルトディース:「グループ内にある複数のブランドの強みを集結することで、将来のテクノロジーを
さらに迅速にスケールアップし、できるだけ多くの人々がその恩恵を受けられるようにします。危機に直面した
2020年に良好な業績を達成したことは、変革の加速に対する追い風となるでしょう。」
2021年3月16日、ウォルフスブルグ – フォルクスワーゲングループは、電動化および完全なコネクテッド時代におけるパーソナルモビリティのリーディングプロバイダーへと変革するためのペースを加速していきます。この目的のため、グループは成功を収めているプラットフォーム戦略を確実に発展させていきます。将来的には、すべてのグループブランドの車両とサービスは、ほぼ標準化された技術的基盤をベースとする予定です。グループの新しいプラットフォームロードマップは、ハードウェア、ソフトウェア、バッテリー&充電、そしてモビリティサービスという4つの要素で構成されています。このロードマップは、いかにフォルクスワーゲングループが生産の複雑さを軽減し、スケールメリットとブランド間の相乗効果によって、既に始まっているグループの変革を加速させるのかを示すものです。グループは、今後も未来のテクノロジーに対する投資を確保するため、中核事業に注力し、財務基盤を強化していきます。
これに関連して、フォルクスワーゲンAG最高経営責任者(CEO)のヘルベルトディースは、2020年度の財務諸表のプレゼンテーションで次のように述べています。「電動化とデジタル化により、車両はかつてないほど速いペースで、しかも根本的に変化しています。スケールメリットは、電動化とデジタル化の両面にとって絶対的に重要です。私たちのプラットフォームロードマップは、グループが連携することによる可能性をさらに広げてくれます。各 ブランドの強みを集結することにより、未来のテクノロジーをさらに迅速にスケールアップし、できるだけ多くの人々がその恩恵を受けられるようにします。」
フォルクスワーゲンのモジュラーエレクトリックドライブツールキット(MEB)は、自動車業界で最も有力な電気自動車専用プラットフォームの一つです。このプラットフォームは、ヨーロッパ、中国、そして米国で の生産 により 、世界中でスケールを拡大しています。2022年までに、グループ全体で、MEBをベースにした27のモデルを導入する予定です。さらに、早ければ来年にも、プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)をベースとする、より優れた加速、長い航続距離、短い充電時間を特徴とする最初のモデルが発売される予定です。2020年代の半ばまでに、グループはスケーラブルシステムプラットフォーム(SSP)を開発したいと考えています。これは、全ブランド及びセグメントのモデルに展開可能な、完全にデジタル化され、非常にスケーラブルな次世代の電気自動車用のプラットフォームです。
車載コネクティビティとソフトウェアについても、今後数年間ですべてのブランドで採用することで、相乗効果を得ることを目指しています。そのすべては、2020年に設立された「Car.Software-Org.」が提供する、VW.OSオペレーティングシステムがベースとなっ ています。バージョン1.2は、PPEに対応するように設定されます。その後、バージョン2.0を、SSPとともにグループ全体に展開する予定です。それまでに、自動車用ソフトウェア開発の内製率を、現在の10%から60%に引き上げます。「Car.Software-Org.」はまた、自動運転、データが土台となっているビジネスモデル、そして 新しいモビリティサービスの技術的基盤も開発しています。
さらに、フォルクスワーゲンは、バッテリー及び充電のためのプラットフォーム戦略も推進しています。グループは2023年から、世界中に展開する統一規格のセルを導入します。2030年までに、統一規格のセルは、グループ傘下ブランドによる電気自動車の約80%に搭載される予定です。それにより、フォルクスワーゲンは、バッテリーセルのコストを、エントリーレベルのセグメントで最大50%、ボリュームセグメントで最大30%削減します。バッテリーセルの需要を確実に満たすために、フォルクスワーゲンとパートナー企業は、2020年代の終わりまでに、ヨーロッパに合計240GWhの容量を生産可能な、6か所のセル工場の建設を計画しています。グループはまた、ヨーロッパ、中国、米国における公共急速充電ネットワークの拡大を推進しています。
新しいプラットフォームロードマップの4番目の要素は、モビリティサービスとその他のサービスです。主要なサービスには、MOIAライド プーリングサービス、WeShareカーシェアリングサービス、フォルクスワーゲンバンクが提供する様々なサブスクリプションサービスが含まれます。フォルクスワーゲンは、提供しているサービスを発展させながら、必要に応じてパートナーと開発しているシステムの専門知識を蓄積していきます。
ヘルベルトディースは、次のように述べています。「フォルクスワーゲンは、モビリティの新しい世界においても、プラットフォームのチャンピオンになります。ロードマップは、これがどのように達成されるかを明確に示しており、これによって、ソフトウェア主導のモビリティグループ への変革を加速することができます。私たちは、新たに編成された取締役会と、強固な財務基盤で、この旅に乗り出します。危機に直面した2020年に良好な業績を達成したことは、変革の加速にとって追い風 なるでしょう。」
レビュー:新型コロナウイルス感染症(Covid-19)によるチャレンジにもかかわらず、2020会計年度は成功裏に終了
フォルクスワーゲンは、2020年のグループの主要な財務結果と2021年の展望を、2月末にすでに発表しています。本日発行された年次報告書は、ブランドと地域の業績に関する詳細な数値を示しています。
フォルクスワーゲングループ財務およびIT担当取締役のフランクヴィッターは、次のように述べています。「フォルクスワーゲングループは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる継続的な困難にもかかわらず、2020年に再びその強さを証明しました。100億ユーロを超える特別項目計上前営業利益は、2020年春のパンデミックのピーク時の予想を大幅に上回るものです。パンデミックにもかかわらず、フォルクスワーゲングループは2020年に100億ユーロ以上の調整後ネットキャッシュフローを生み出すという戦略的目標を達成できたことを大変うれしく思っています。」
最も重要な単一市場である中国は急速に回復し、危機から脱却するためのアンカーとしての役割を果たしました。中国で事業を展開しているすべてのグループブランドは黒字 を達成しました。南米では、市場シェアを新記録である14%以上に拡大しました。グループは今期、黒字転換を見込んでいます。ディーゼル問題から5年が経過し、北米では、フォルクスワーゲンは米国市場に焦点を合わせた数多くのニューモデルを発表し、いよいよ復活してきました。欧州では、「ID.3(アイディ.3)」1の発売に伴い、電気自動車の販売台数が急増しました。西ヨーロッパにおける電気自動車のシェアは、販売台数全体の10.5%にまで増加しました(2019年:1.9%)。それにより、フォルクスワーゲングループは、西ヨーロッパの電気自動車セグメントで約25%のシェアを獲得し、ランキングのトップになりました。
ヨーロッパにおけるCO2排出量の削減は大幅に進展しましたが、グループは他のパートナーと共同で運用するプールの目標にわずか約0.8g/km届きませんでした。この値は、1月に通知された暫定値と比較した最新の計算に基づいています。最終結果は、年内にEUによって公表される予定です。電動化モデルのシェアが大幅に伸びていることから、今年度は、欧州におけるCO2目標を達成する見込みです。
2021年度は100万台の電動車の販売を計画
フォルクスワーゲンは、電動化攻勢を大規模に実施しています。2020年、グループは電気自動車の販売台数を3倍以上に増やしました。グループは、遅くとも2025年までに、e-モビリティに関する世界市場のリーダーになることを目指しています。この目標のために、フォルクスワーゲンは、今後5年間で約460億ユーロをe-モビリティとフリートのハイブリッド化に投資することを計画しています。さらに、2030年までに、ヨーロッパにおける電気自動車の販売比率を最大60%に引き上げる予定です。グループは、一次エネルギーの利用状況および規制条件の地域差を考慮して、内燃エンジンテクノロジーの終了に関する日付を確定しない方針です。
新しい最高財務責任者(CFO)に就任するアルノアントリッツが、今後数年間の見通しと目標を提示
すでに公表されている2021年の見通しでは、フォルクスワーゲングループは、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの封じ込めが成功すると仮定して、業績が前年と比較し明らかに 回復すると予想しています。その後の数年間、フォルクスワーゲングループは収益性をさらに向上させることを目指しており、その目標は、営業利益率を目標の範囲である7〜8%にできるだけ早く戻すことです。販売台数の継続的な回復とコスト規範の向上が、このプロセスに貢献する要素になります。固定費(研究開発費と設備投資を除く)は、2023年までに、2020年のレベルから約20億ユーロ、つまり5%削減する予定です。同時に、材料費を7%削減することを目指しています。グループは、自動車部門の研究開発比率と設備投資比率をそれぞれ約6%に引き下げることを計画しています。さらに、グループ全体でより幅広い相乗効果を生み出すことを目指しており、将来的にグループ内の財務管理は、ブランドのマトリックス、電気、 ソフトウェア、そしてモビリティのプラットフォームに基づいて行われる予定です。
現在アウディAGの財務および法務担当取締役であり、4月1日にフランクヴィッターの後任としてグループCFOに就任する予定のアルノアントリ ッツは次のように述べています。「私たちは、フォルクスワーゲングループの野心的な変革を、堅実な財務基盤をベースにして実施することを目指しています。その焦点は、第一に、リソースと資本を、電動化、デジタル化、モビリティサービスに割り当て、振り向けることです。第二に、未来のテクノロジーへの投資を可能にするため収入とコスト面で対策を講じることにより、財務基盤を 確保および強化したいと考えています。」
1)ID.3: 電力消費量(複合モード)(kWh/100km):15.4~13.1(NEDC)、
CO2排出量g/km:0(複合)、効率クラス:A+
オリジナルバージョン:Volkswagen Group set to use platform model for issues of the future
https://www.volkswagen-newsroom.com/en
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