ニュース

MHEV用48Vモーター駆動装置を30%小型化する グレード0対応の統合型BLDCモーター・ドライバを発表【日本テキサス・インスツルメンツ】

2021年2月23日

MHEV用48Vモーター駆動装置を30%小型化する
グレード0対応の統合型BLDCモーター・ドライバを発表

ASIL Dレベルの機能安全要件に対応したMHEVシステムを実現するとともに、業界最高レベルのゲート駆動電流を達成

日本テキサス・インスツルメンツは、マイルド・ハイブリッド電気自動車(MHEV)のトラクション・インバータやスターター/ジェネレータなどの、48V大出力モーター制御システム向けに高度に集積された、グレード0対応ブラシレスDC(BLDC)モーター・ドライバを発表しました。新製品のBLDCモーター・ドライバ『DRV3255-Q1』を使用することにより、モーター駆動装置を30%小型化できます。また、業界最高レベルのゲート駆動電流を供給できるため、保護性能の向上と出力の増加が実現します。この新しいモーター・ドライバは、最も厳格な安全要件を満たしており、TÜV SÜDの認証を受けたTIの機能安全開発プロセスに従って設計されています。そのため、ASIL(Automotive Safety Integrity Level:自動車安全性要求レベル)基準Dを達成することができます。詳細については、www.tij.co.jp/drv3255-q1-pr-jpをご覧ください。

自動車メーカーは、温室効果ガス排出量を地球規模で削減するためにMHEVを増産しています。このMHEVには、内燃機関からの排出ガス削減に有効な48Vモーター駆動装置が使用されています。機能安全要件に準拠したTIの『DRV3255-Q1』によって、ASIL DレベルのMHEVシステムに欠かせないモーター駆動装置の設計が可能になりました。また、30kWの高出力でモーターに給電できるため、大型自動車の48Vモーター駆動装置に採用することで応答時間を改善することができます。

Strategy Analytics社のパワートレイン、ボディ、シャーシおよび安全部門を統括するAsif Anwar氏は次のように述べています。「48VシステムはOEMメーカーに大きな変化をもたらしています。排出ガス削減目標を達成できるだけでなく、先進運転支援システム機能に必要な電力にも対応できます。また暖房、換気、空調といった大電力が必要な機器の管理も可能になります。最先端の性能特性と機能安全要件、グレード0を兼ね備えていることは、実際のシステム・レベルでの動作にさまざまなメリットをもたらし、メーカーの目標達成に役立つはずです」

『DRV3255-Q1』の詳細については、ホワイトペーパー「How to Build a Small, Functionally Safe 48-V, 30-kW MHEV Motor-Drive System」(英語)をご覧ください。

 

基板面積を30%縮小
『DRV3255-Q1』は、ハイサイドおよびローサイドのアクティブ短絡ロジックを統合した業界初の3相48V BLDCモーター・ドライバで、外付けのトランジスタも制御ロジックも不要です。この新しいモーター・ドライバには、アクティブ短絡ロジックと動的フォルト応答が統合されているため、設計がシンプルになるだけでなく、30kWの高出力でモーターに給電できるようになります。そのため、48Vモーター駆動装置の基板面積の縮小、部品コストの低減が可能になります。

システムの設計者は、アクティブ短絡ロジック機能により、システムの必要に応じてMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の接続を柔軟に調整することができます。この機能は、過電圧による致命的な障害からシステムを保護するために有効です。過電圧状態になると、動的フォルト応答によって、モーター・ドライバはアクティブ短絡モードに自動的に切り替わります。それにより自動車のモーターや電子部品が過電圧ストレスから保護されるとともに、システムの性能が最適化されます。

 

48Vモーター駆動装置を過酷な状況から保護し、さらに応答時間も改善
『DRV3255-Q1』では、48Vモーター駆動装置の応答時間を改善させるために、業界最高の出力電力レベルを実現しています。そのためSUVやトラックのような大型自動車が停止状態から急加速する状況に対応できます。『DRV3255-Q1』では、600Aの大電流が必要なモーターに対応するため、業界最高レベルのゲート駆動電流の供給が可能です。ゲート電荷1,000nCまでのMOSFETを直接駆動できます。

さらに『DRV3255-Q1』は、AEC(Automotive Electronics Council)Q100のグレード0に対応しており、広い温度範囲(-40°C~150°C)で、95Vという高いスイッチング過渡電圧や負荷ダンプ状態から、48Vパワートレインを保護します。保護回路を用意する必要はありません。

 

ISO 26262 ASIL D準拠をスムーズに達成
機能安全を念頭に開発された『DRV3255-Q1』は、TIの認証済み機能安全ハードウェア開発プロセスを採用して設計されています。また、安全確保メカニズムの内蔵に加え、故障モード、影響、診断解析などの文書や、機能安全マニュアルも用意されています。『DRV3255-Q1』は、デバイス内部の故障モードに対しては安全確保メカニズムによって保護され、12V外部電源の過電圧に対しては、絶対最大定格75Vのデジタル入出力ピンによって保護されます。

 

パッケージ、供給と価格について
DRV3255-Q1』は、現在、64ピン・クワッド・フラット・パッケージで、TIウェブサイトから購入いただけます。1,000個受注時の単価(参考価格)は3.99ドルから設定されています。全量リールおよびカスタム数量リールは、現在、TIウェブサイトでのみ購入いただけます。TIウェブサイトでは、お支払いと配送方法について各種オプションをご用意しています。

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。







日本テキサス・インスツルメンツ株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#日本テキサス・インスツルメンツ
#48V
#モーター_
#ドライバ_
#2021年2月23日