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高速伝送を可能にする車載用ツイストペアケーブルの開発

2021年2月9日

高速伝送を可能にする車載用ツイストペアケーブルの開発
~IEEE 802.3ch Multi-Gig Automotive Ethernet PHY 10GBASE-T1適合~

 昭和電線ケーブルシステム株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:川瀬幸雄)と冨士電線株式会社(本社:神奈川県伊勢原市、代表取締役社長:兒玉喜直)は、2021年1月に最新の車載Ethernet規格※1に適合した車載用ツイストペアケーブルを開発しました。本ケーブルは、4GHzまでの高周波数帯に対応する伝送性能、信号間の到着のズレが極めて小さい低Skew(スキュー)化、耐ノイズ性能を実現したことによって、自動運転の高機能化に求められるあらゆる情報やデータの高速・大容量伝送が可能となります。
 今後は製品化を進め、年内の市場参入、2022年の量産化を目指します。
※1 車載Ethernet規格:2020年に制定された「IEEE 802.3ch Multi-Gig Automotive Ethernet PHY 10GBASE-T1」(以下Multi-Gig Ethernet)

▉背景
 自動車はさまざまな部品がECU(Electronic Control Unit)にて制御され、内部には多くのセンサーが搭載されています。今後、運転支援システムの高度化が進むにつれ、ECUとセンサー間のデータ通信量が飛躍的に増加すると予想されており、車内のデータを伝送するネットワークにおいても高速化が求められています。
 車載ネットワークの規格では伝送速度に応じた標準化が進んでおり、車載Ethernet規格は車内ネットワーク規格の一つです。最新の規格は、伝送速度10Gb/sと、最も高速な規格となり、本ケーブルはこの規格を満たしていることを確認しました。

▉製品の特徴
① 高周波数帯まで良好な伝送性能
  開発したツイストペアケーブルは、Multi-Gig Ethernetで要求されている最大4GHzまでの
  高周波数帯において、規格に満足するIL(Insertion Loss:挿入損失)やRL(Return Loss:反射減衰量)
  といった伝送性能を有しています。
   IL性能においては、10GHzの周波数までサックアウト(損失の急激な悪化現象)が無く、
  RL性能でも大きな反射が無い良好な伝送性能を確認しています。(図1、図2参照)

② 低Skewの実現
   Skewとは複数の導体で信号を伝送する際の、導体間での信号の到着時間差を表します。
  Skewは低いほどよく、高速伝送において必須の性能となり、本ケーブルは、対内Skewが10ps/m以下
  と従来のケーブルに比べてとても小さいことを確認しています。

③ 耐ノイズ性能
   車の内部にはモーターやセンサーなどノイズ発生源が多数存在し、配線箇所によっては
  ケーブルに耐ノイズ性能を必要とします。本ケーブルは遮へいテープと編組遮へいを組み合わせた
  二重遮へい構造により、優れた耐ノイズ性能を有しています。

▉製品の構造・性能


図1. Insertion Loss(IL)性能


図2. Return Loss(RL)性能

表1.ケーブル構造、性能(一例)






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