ニュース
LPG運搬船「DURHAM」の引き渡し【川崎重工業】
2021年1月29日
LPG運搬船「DURHAM」
川崎重工は、本日、FAIR WIND NAVIGATION, S.A.(フェア ウィンド ナビゲーション エスエー)向けに84,000m3型LPG運搬船「DURHAM(ダラム)」(当社第1745番船)を引き渡しました。
本船は、従来の82,200m3型をベースに改正IGCコードを適用し、カーゴ容積を増大させた新開発LPG運搬船の2番船にあたり、当社が引き渡した63隻目のLPG運搬船となります。
本船の引き渡し、主要目ならびに特長は次のとおりです。
<引き渡し>
2021年1月29日
<主要目>
全長 229.90m
幅(型) 37.20m
深さ(型) 21.90m
満載喫水(型)11.54 m
総トン数 49231
載貨重量 55,408トン
貨物倉容積 84,278m3
主機関 川崎- MAN 7S60ME-C10.5型ディーゼル機関 × 1基
定員 35名
船級 日本海事協会(NK)
船籍 リベリア
<特 長>
1)従来船型から大きく主要目を変更することなく、84,000m3のカーゴ容積を確保しています。これにより、
本船は、カーゴ容積が増加したにもかかわらず、従来船型と同様の基地へ入港可能です。
2)旧IGCコードに比べ要求される安全レベルが高い改正IGCコードに準拠しています。
3)IMO NOx3次規制に対応したシステムを採用しており、主機関は排ガス再循環装置(EGR)、発電機関は
選択式還元触媒脱硝装置(SCR)を適用しています。本システムにより、排出規制海域(ECA)を
航行することが可能です。
4)当社が開発した船首形状(SEA-ARROW)を採用し、船が航走する際に船首部に発生する波を極限まで
減少させ、推進性能の大幅な向上を図っています。
5)主機関には、省燃費型の電子制御式超ロングストローク2サイクル低速ディーゼル機関を採用し、さらに
プロペラ周りにカワサキフィン付ラダーバルブならびにコントラフィン付セミダクトを装備することにより、
燃料消費量の低減を図っています。
6)主機関および発電機関の排出ガスの出口部にSOxスクラバー※1を搭載することで、
2020年1月から施行開始された世界の全海域でのSOx排出規制※2強化に対応しています。本装置の搭載に
より、規制強化後も低硫黄燃料油への切り替えを必要とせず、従来の燃料油を継続的に使用できるため、
燃料油のコスト低減が期待できます。
※1 SOxスクラバー:排ガス中の硫黄酸化物(SOx)を除去する装置
※2 SOx排出規制: 2015年1月から欧米の排出規制海域(ECA)において、燃料中硫黄分0.1%以下のSOx排出規制が
実施されています。また、2020年1月からは、その他の世界の全海域を航行する船舶に対し、硫黄分が
0.5%以下の燃料を使用するか、排ガス中からのSOxを同等に低減する代替装置を使用することが
義務付けられています。
川崎重工業株式会社ホームページはこちら