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小型ハイブリッドトラック用冷凍機システムを開発【デンソー】

2012年7月5日

~冷凍室・冷蔵室の温度を維持しつつ、車両の燃費向上に貢献~

㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)は、小型ハイブリッドトラック用の冷凍機システムを開発しました。
このシステムは、ベルトを介してエンジンの動力で駆動する従来のコンプレッサーに加え、ハイブリッド車用バッテリーに蓄えられた電気で駆動する電動コンプレッサーを新たに搭載しています。これら2つのコンプレッサーは車両の走行時と停止時で駆動が自動で切り替わるようになっており、走行時は従来のコンプレッサー、信号待ちなどの車両停止時には電動コンプレッサーが駆動することにより、冷凍・冷蔵室内の温度を維持しつつ、車両をアイドルストップさせることができるようになっています。これにより、従来の冷凍機システムに比べ、車両の燃費を大幅に向上させることが可能になりました。

なお、従来の冷凍機システムは、冷凍・冷蔵室の温度を長時間のエンジン停止時にも維持するため、外部電源と接続して冷凍機を駆動させるための外部電源ユニットがオプション品としてラインナップされていますが、今回はこのユニットを標準装備としました。
また、従来の外部電源ユニットは、電気の変圧などを行う電源部分、モーター、そしてモーターで駆動するコンプレッサーなどで構成されているため、サイズが大きく、重量もありました。新開発のシステムでは、外部電源使用時はあらかじめ冷凍機システムに搭載されている電動コンプレッサーを使用するため、モーターやコンプレッサーが必要無くなり、ユニットの大幅な小型・軽量化を実現し、冷凍機システム全体で従来比約25%軽量化【注】することができました。

この冷凍機システムは、2012年8月に㈱デンソーセールスを通じて発売し、年間の販売目標は150台を見込んでいます。
発売時点でこのシステムを搭載可能な車種はトヨタ自動車のダイナ、トヨエースおよび日野自動車のデュトロとなりますが、搭載可能な車種を順次増やしていくと共に、将来的にはEVトラックへの対応も目指していきます。

デンソーは、より環境にやさしい社会の実現に向け、これからもクルマの環境性能向上に貢献する技術・製品開発に取り組んでいきます。


<注釈>

【注】当社製の従来製品との比較によるもの。

<参考> 冷凍機システムについて

冷凍機システムは、液体が蒸発して気体になる際、周りの熱を奪う原理を利用したもので、主にコンプレッサー、コンデンサー、エバポレーターで構成されています。これら3つの構成部品は配管で繋がっており、その中を冷媒が循環しています。この冷媒はコンプレッサーで加圧されて高温になり、コンデンサーで熱を外気に放出し、温度を下げます。その後、冷媒は減圧されることによって更に温度を下げ、エバポレーターを通じて冷気を冷凍室や冷蔵室に供給します。


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