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LiDAR技術のポートフォリオを拡充 – ロボティックビジョンとセンシングのパイオニア企業AEyeに出資【コンチネンタル・オートモーティブ】

2020年11月4日

カリフォルニア州に本社を置くLiDARのパイオニア企業AEyeへの部分出資に合意、AEyeが特許を持つ先進マイクロMEMS技術採用の1550nmアジャイルアーキテクチャをベースにした高性能長距離LiDARセンサーを今後共同開発し、乗用車・商用車におけるSAEレベル3以上の自動運転への活用を目指す

こちらは現地時間2020年10月27日にアメリカ・サンタバーバラで発行されたプレスリリースの抄訳です。英文の原文との間で解釈に相違が生じた際には原文が優先します。

テクノロジー企業のコンチネンタルは、LiDARのパイオニア企業であるAEye, Inc.への部分出資を通じLiDARセンサーのポートフォリオを強化します。LiDARセンサーは、カメラやレーダーと並んで自動運転の鍵となる技術で、コンチネンタルにはこの分野だけで20年以上の経験を有しています。米国カリフォルニア州ダブリンに本社を置くAEyeは、増幅可能な1550nmレーザーに特許取得のフィードバック制御MEMS(微小電気機械システム)スキャナーを組み合わせた長距離LiDAR技術を開発した企業です。AEyeのLiDAR技術はソフトウェアによる設定が可能で、メーカー毎やアプリケーションに合わせて最適化が可能です。また、高い動的空間分解能と長距離検知を兼ね備えているため、乗用車にも商用車にも最大限に活用可能です。300メートル以上先にある車両や、200メートル以上先の歩行者を検知できる上、小さくて反射の少ないレンガのような物体でも複数の測定点で160メートル先から検知する能力を持ちます。この能力は、乗用車でも商用車でも自動運転には欠かせません。コンチネンタルは、このLiDAR技術を活用し、車載センサーを実現します。初の量産時期については、今のところ2024年末を予定しています。

AEyeとの提携には、既存の短距離3Dフラッシュ型LiDAR技術を補完する狙いがあります。このLiDARは、今年末に量産に入り、世界的な高級車の高度自動運転をサポートすることになります。この高解像度3Dフラッシュ型LiDAR(HFL)の量産開始は大きな意味をもっています。これは、世界の自動車市場で初めて量産に入る高解像度ソリッドステート式LiDARセンサーなのです。

コンチネンタルのADAS (高度運転支援システム) 事業部長フランク・ペッツニック(Frank Petznick) は今回の提携について次のように説明します。「最適な短距離LiDAR技術と世界トップレベルの長距離LiDAR技術がそれぞれの長所を生かして融合されることになります。最先端のLiDARセンサー技術で車両の周囲環境全体をカバーし、乗用車・商用車の両方でSAEレベル3以上の自動運転を実現していく流れの中で、これは両社にとって非常に強みになります。」

AEye Inc.のCEOブレア・ラコルテ氏 (Blair LaCorte) は、コンチネンタルの出資を歓迎しています。「ADASソリューションを実現するためには、目的に合った性能、スケーラビリティ、パッケージ化、そして信頼性・安全性の長期確保が必要になります。その点、コンチネンタル社は、自動車センシング技術の分野でも自動車製品の産業化・製品化の分野でもリーダー的存在です。コンチネンタル社のチームと一丸となってAEyeのスケーラブルなモジュール型設計をカスタマイズし、そうして生まれたコンチネンタル社の高性能長距離LiDARシステムを世界大手の自動車メーカーに供給できる日を楽しみにしています。」

真価が問われる商用車アプリケーション
AD SAEレベル3以上の自動運転車は、車両周囲の物体や軌道候補の検知のために、カメラ、レーダー、LiDARを含むセンサー一式を必要とします。LiDARセンサーの強みは、高解像度で3Dピクセルレベルの確実な検知性能です。コンチネンタルは車載用LiDAR技術をカスタマイズし、短距離センシングと長距離センシングの両方を実現しています。短距離では、3Dフラッシュ型LiDAR技術により、1データフレーム当たり1回のパルスでシーン全体を照射・捕捉し、超高速かつ高精度で3Dイメージを取得します(グローバルシャッター技術)。長距離では、アジャイル型の1550nm LiDAR技術により、ソフトウェア設定可能なHD解像度(1平方度当たり1600点以上)と300メートルを超える検知距離で物体を確実に検知します。特許取得のMEMSをベースにしたAEyeのLiDARは、ソリッドステート方式の高い信頼性を備えつつ、悪天候下や悪条件の道路上でも性能が低下することはありません。

大型で制動距離が長い商用車においては、安全な自動運転の実現において特有の難しさがあります。商用車を自動化する場合、自動意思決定や自動対応の処理に十分な時間を確保するため、最大限のセンサー距離と解像度が求められます。

「環境センサー3分野すべての最新技術を統合すると、自動車メーカーにとって有益なシナジー効果を生み出すことができます」とペッツニックは話します。「コンチネンタルには、この3つのセンサー技術の分野とソフトウェア開発の分野における膨大な専門知識があります。1550nm MEMS LiDAR技術を手に入れることは、当社のセンサー戦略における新たな一歩です。」

コンチネンタルは、持続可能でコネクテッドなモビリティの未来に向けた革新的な技術を開発しています。その歴史は1871年にさかのぼり、テクノロジーカンパニーとして、車両、機械、交通、運輸分野に向けた安全、効率的、インテリジェントでアフォーダブルなソリューションを提供します。2019年度の売上高は445億ユーロで、世界59カ国に23万2000人の従業員を擁しています。

コンチネンタルにおいて、自動運転は未来のモビリティ社会に欠かせない要素です。自動運転により、高速道路上で、都市部で、そして駐車時など、人々の移動が大きく変わります。2012年、コンチネンタルは自動車部品サプライヤーとしては世界で初めて、米国ネバダ州の公道で高度自動運転の試験を実施する許可を得ました。自動運転向けのセンサー、制御装置、ブレーキシステム、ソフトウェア、コネクティビティソリューション、機能、情報制御システムが、日本、中国、米国、インド、欧州を中心とするグローバルネットワークの中で開発されています。今後、部分自動運転車から完全自動運転車まで幅広いソリューションが実現できることでしょう。その狙いは、シームレスで効率的、持続可能で快適、そして事故のないモビリティ社会です。

コンチネンタル企業サイト – www.continental.com/jp-jp








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