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「大容量EVスマートチャージングシステム」を開発【三菱電機】
2020年10月29日
バスなどの大型車両のEV化促進により環境負荷の低減に貢献
「大容量EVスマートチャージングシステム」を開発
三菱電機株式会社は、EV(電気自動車)バスやEVトラックなどの大型EV向けの新たな充電インフラ構築を目的に、「大容量EVスマートチャージングシステム」を開発しました。本システムが策定した最適な充電計画に基づく自動制御充電などにより、システム全体での最大電力使用量を抑制し、大型EV充電時の配電系統の安定化や充電コスト削減を可能にするとともに、大型車両のEV化促進による環境負荷の低減に貢献します。
本システムはアルファバスジャパン株式会社(本社:東京都港区)が輸入・販売するEVバスとの接続確認を完了しており、今後、2020年12月から本格的な技術実証を行い、2022年の実用化を目指します。
開発した「大容量EVスマートチャージングシステム」の概要
開発の特長
1.最適な充電計画と自動制御充電で、配電系統の安定化と充電コストの削減に貢献
・大型EVの電池残量や翌日の走行スケジュールからシステムが自動で策定した最適な充電計画に基づき、
充電を自動制御することで、システム全体での最大電力使用量を抑制。配電系統への負荷抑制による
安定化や充電コスト削減に貢献
・太陽光発電システムで発電した電力を定置型蓄電池に充電し、大型EVの充電に活用することで、
配電系統へのさらなる負荷低減が可能
・大型EVからの高出力放電にも対応し、車載電池をシステム内での電源としても活用可能
2.SiCパワー半導体素子の採用と再エネ機器との直流連系で、高効率化を実現
・電気を交流から直流へ変換するAC/DC変換器と直流電圧を変換するEV充電器の電力変換素子に
SiC※1半導体を採用し、電力変換効率を向上
・太陽光発電システムや定置型蓄電池と直流連系することで電力の変換損失を低減し、システム全体での
低消費電力化を実現
※1 Silicon Carbide(炭化ケイ素)
3.車両4台へ充電可能なEV充電器で、システムの省スペース化を実現
・1台の充電器で4台の大型EVを充電できる大容量のEV充電器を開発し、システムの省スペース化を実現
今後の展開
当社は 2022 年度の実用化に向けて、四国電力株式会社(本店:香川県高松市)、株式会社四国総合研究所(本社:香川県高松市)と共同で、2020 年 12 月から「EV の充放電制御技術実証」を坂出発電所(香川県坂出市)や四国総合研究所(香川県高松市)で実施します。
開発の背景
CO2 削減などの環境負荷低減のため、今後、大型車両においても EV 化が急速に進展すると予測されています。中でも EV バスは、車載電池の容量が乗用車 EV の 5~7 倍と大きいことから、仮想発電所(VPP※2)の電源としても活用可能であり、また、不安定な再生可能エネルギーの電力需給バランスの調整機能としても期待されています。
その一方、大型 EV の運用に欠かせない充電インフラの導入には、電力事業者の配電系統が不安定になったり、バス事業者の充電コストが増加したりするなど、新たな課題が想定され、対策が求められています。
今回、当社が開発した「大容量 EV スマートチャージングシステム」は、これらの課題を解決するとともに、大型車両の EV 化促進による環境負荷の低減に貢献します。
※2 Virtual Power Plant開発したシステムの構成
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