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シュトゥットガルト空港、ドライバーレスの完全自動駐車の受け入れ準備を推進【ボッシュ】
2020年10月14日
シュトゥットガルト空港、ドライバーレスの完全自動駐車の受け入れ準備を推進
Apcoa、ボッシュ、メルセデス・ベンツが、世界初となる自動バレーパーキング(AVP)サービスの商用提供に向けて協働
▶ 将来的には、シュトゥットガルト空港のP6駐車場内の駐車位置をスマートフォンが車両に指示
▶ 新型のメルセデス・ベンツSクラスにドライバーレス完全自動駐車機能(SAEレベル4 ※)を搭載
▶ ボッシュが走行通路と障害物を検知するカメラベースのインフラを初めてAVPに使用
▶ 駐車場運営会社のApcoaは自動バレーパーキングの基礎機能として
APCOA FLOWデジタルモビリティプラットフォームのゲート開閉と支払い機能統合をテスト中
シュトゥットガルト(ドイツ) –ボッシュ、メルセデス・ベンツ、および駐車場運営会社のApcoaは、将来、シュトゥットガルト空港にドライバーレスの完全自動駐車システムを導入し、自動駐車を通じて空港におけるストレス軽減に貢献したいと考えています。そのために、ボッシュとメルセデス・ベンツは共同開発を進める自動バレーパーキング(AVP)システムを営業運用に向けて整備します。新型のメルセデス・ベンツSクラスは、将来のインフラ協調のAVPに必要な技術を備える世界初の量産車として、すでにAVPに対応しています。お客様は、Sクラスがスマートフォンのコマンドを受信し、予約済みの駐車スペースに車両が自動的に進むことを可能にする同社のシステム「インテリジェントパークパイロット(INTELLIGENT PARK PILOT)」に対応する車両側の設定をオプションとして購入することができます。「新型Sクラスは、走りだけではなく駐車もラグジュアリーです」と、メルセデス・ベンツAGで自動運転の責任者を務めるMichael Hafner氏は述べています。自動駐車サービスの商用化に向けたパイロットテストは、シュトゥットガルト空港のP6駐車場にて実施します。ここでは、Sクラスに搭載された車両技術が、ボッシュのインテリジェントなインフラおよび駐車場運営会社のApcoaが提供するデジタルプラットフォームAPCOA FLOWとどのように連携するのかを、全社がテストする予定です。このプラットフォームにより、駐車プロセス全体がチケットレスかつキャッシュレスとなります。「Apcoa、ボッシュ、メルセデス・ベンツ、およびシュトゥットガルト空港は、駐車を完全自動化するために協力したいと考えています」と、ボッシュのコネクテッドモビリティソリューションズ事業部で経営メンバーを務めるChristoph Hartungは述べています。現在、空港の駐車場では、自動バレーパーキングサービス計画のパイロットテストに向けて準備が進められています。シュトゥットガルト空港での新型Sクラスを用いたパイロットテストを通じて、車両、インフラ技術、および駐車場運営会社の間の連携が円滑に行われ、お客様のために最適化されているかを確認します。
量産車における世界初の自動運転レベル4を誇る駐車機能
2019年7月、ボッシュとメルセデス・ベンツはシュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館の駐車場において、セーフティドライバーを乗せずに特定のEクラス車両を実際の混合交通下において走行させるAVPを運用するための特別承認を世界で初めて取得しました。インテリジェントパークパイロットに適合する事前設定がなされた新型のメルセデス・ベンツSクラスは、ドライバーレスの駐車を可能にするAVP技術を備えた初めての量産車です。ただし、適切なインフラを備えた駐車場が将来利用できるようになること、そして国の立法機関がAVPを承認することが条件となります。これにより、メルセデス・ベンツSクラスは、2番目に高い自動化レベルであるSAEレベル4の自動運転機能に必要な事前設定がなされた世界初の車両となります。「メルセデス・ベンツは、自動バレーパーキングによってドライバーレスの駐車が間もなく可能になることを実証しています」と、Hafner氏は語っています。
この新しいワンタッチ駐車機能を使いやすくするため、P6駐車場の入口のすぐ後ろというAVP利用者が車両の乗り降りに便利な場所に、広い乗降エリアが設けられる予定です。利用者が快適にターミナルへ向かい、チェックインする間、彼らのSクラスは、インフラ技術からの情報に誘導されて自ら地階に駐車します。言い換えると、利用者はもはや駐車操作のことを心配する必要がなく、また想像以上に狭いスペースに駐車した車両から苦労して脱出する必要もなくなります。「自動バレーパーキングは、特に空港で時間がなく少しでも早く車から降りたい場合に、乗員の快適性と利便性を向上し、時間の節約に繋げます」と、Flughafen Stuttgart GmbHのマネジメントスポークスマンのWalter Schoefer氏は述べています。間もなく始まるパイロットテスト段階においては、まず自動駐車車両2台分のスペースがP6駐車場に用意され、将来、ドライバーレスの駐車が計画通りに標準となり需要が高まれば、さらに多くのスペースが追加される見込みです。
インテリジェントなインフラとデジタルプラットフォーム
シュトゥットガルト空港のパイロット駐車場は、ボッシュの新しいビデオカメラの初舞台となります。このカメラは、空いている駐車スペースを識別し、走行通路とその周囲をモニターし、通路内の障害物や人間を検知することができます。今までは、この役割をLiDARセンサーが担っていました。続いて駐車場内の専用コントロールセンターが、利用可能なスペースへ到達するために車両が通るべきルートを計算します。「私たちのインテリジェントな駐車場インフラは、将来のドライバーレスの駐車の基礎となります」と、Hartungは述べています。カメラが提供する情報により、車両は狭い傾斜路も含めて駐車場内を走行することが可能になり、異なる階の移動をも出来るようになります。車載技術が、インフラからの情報を自動的に運転操作に変換します。たとえば、カメラが予期せぬ障害物を検知した場合、車両は安全に緊急停止を行います。
駐車場運営会社ApcoaのデジタルプラットフォームAPCOA FLOWも、シュトゥットガルト空港でのドライバーレスの駐車において重要な役割を担います。ドライバーは既に、駐車スペースの予約から駐車場への非接触入場、完全自動支払いと請求、非接触退出に至るまで、駐車の負担軽減に役立つプラットフォームをすでに利用しています。システムがお客様の車両を認識するとゲートが自動的に開くため、駐車券も発券機での操作も不要となります。「私たちは、我々のいずれかの駐車場において、AVP技術に基づく自動駐車サービスを完全に支援および可能にする最初の駐車場運営会社になりたいのです」と、Apcoa Parking Holdings GmbH最高商務責任者のFrank van der Sant氏は述べています。
より多くの車両、より多くの駐車場
車両がドライバーの乗降エリアから駐車スペース間を自動走行すると、ドライバーは時間を節約でき、車両まで長い距離を歩く必要がなくなります。駐車場に適切なインフラが備えられ、国内法がAVPを許可すれば、お客様はドライバーレスの駐車サービスを享受できるようになります。ボッシュとメルセデス・ベンツは、駐車場の実際の混合交通においてSAEレベル4の自動バレーパーキングを実現する世界初のインフラ協調のソリューションを用いて、ドライバーレス駐車への道を開拓しています。将来的には、統一された規格とインターフェースにより、車両とインフラ技術の間の円滑な通信が確保されます。ボッシュでは、より多くの駐車場にAVPインフラ技術を装備することを目指しています。欧州最大の駐車場運営会社であるApcoaも、駐車場以上にAVPのような革新的プレミアムサービスの提供に戦略的関心を寄せています。「私たちは、将来を見据え、特定のApoca拠点においてより多くのお客様がAVPを利用できるようにしたいと考えています」と、van der Sant氏は述べています。同社は、欧州13カ国の9,500以上の拠点において約150万台分の駐車スペースを管理しています。利用可能なドライバーレスの完全自動駐車サービスが増えることで、同じスペースに最大で20%も多くの車両が収容可能となります。さらに、ドライバーレスの駐車は特に、狭く、遠く離れているため、人々が避けるような魅力のない駐車スペースの有効活用も可能です。
※SAEレベル4:一定の条件下で(特定の道路など。天候に制限あり)、車両が自律的にあらゆる交通状況に対応可能。ドライバーは不要。
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