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消費電力世界最小の発振回路を開発【Piezo Studio】

2020年9月14日

消費電力世界最小の発振回路を開発
モバイルIoT機器やスマホの電池の使用可能時間を大幅に延ばします

Piezo Studioは、高エネルギー加速器研究機構の宮原准教授らとの共同研究により、新規開発した基準クロック生成用ICと新材料の振動子採用により、従来の水晶発振回路に比べて、消費電力が約1/10の超低消費電力発振回路の開発に成功いたしました。

 スマートフォンには5個前後の振動子や発振器といったタイミングデバイス※1と呼ばれる電子部品が搭載されており、近年のコードレスイヤフォンなどのモバイルIoT機器にも必ず使われております。これらIoT機器の省電力化は、最重要課題となっており、特にタイミングデバイスの省電力化は大きな期待がかかっております。
 この度、Piezo Studio(本社 宮城県仙台市, 代表取締役 木村悟利)は、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所(茨城県つくば市)の宮原正也准教授らとの共同研究により、新規開発した基準クロック生成用高機能集積回路 (IC)と新規圧電単結晶 (CTGS)振動子を採用することにより、従来の水晶発振回路に比べて、低位相雑音で且つ消費電力が約1/10の超低消費電力発振器を開発いたしました。本研究成果は、米国電気電子学会IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers) から発行されている半導体集積回路分野の学術論文誌「Journal of Solid-State Circuits, Letters」に掲載されました(https://ieeexplore.ieee.org/document/9158387 )。
 開発した新技術を適用することにより、IoT機器によっては、従来の水晶発振回路に比べ、電池交換後または充電後の電池の使用可能時間を最大5倍程度延ばすことができます。本技術は、普及が著しいBLE (Bluetooth Low Energy)などのモバイルIoT機器において、煩わしい電池の交換頻度や充電回数を大幅に低減することが可能となりますので、快適なIoT社会実現に向けたKEYエレクトロニクス技術として期待されております。

※1 タイミングデバイスは、あらゆる電子機器に用いられている半導体ICに必要な動作タイミングの基準となる電気信号を作り出す電子部品です。全ての電子機器に、必ずICとペアーで搭載されております。また、通信機器の周波数の源となる電気信号もタイミングデバイスによって作られます。このようにタイミングデバイスは、テレビ、PC、携帯電話、各種IoT機器、そして自動車に至るまで、あらゆる電子機器に必須の電子部品です。

■掲載論文
論文タイトル: Ultralow-Power Class-C Complementary Colpitts Crystal Oscillator
論文誌名: IEEE Journal of Solid-State Circuits, Letters
掲載ページ: 274 – 277
公開日: 2020年8月4日
DOI: 10.1109/LSSC.2020.3014048
URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/9158387

■株式会社Piezo Studioについて
2014年12月に東北大学発のベンチャーとして誕生。同大学金属材料研究所の技術である新しい圧電単結晶を用いたタイミングデバイスを主とした電子部品の設計・開発・販売いたします。独自開発した圧電単結晶および圧電デバイス設計技術により、付加価値の高いタイミングデバイスを創出すると共に、大学発ベンチャーのミッションである社会実装を図り、社会貢献いたします。

■お問合せ先
株式会社 Piezo Studio 商品開発センター
電話: 022-393-8419
E-mail: info@piezostudio.com








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