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日本初のガソリン計量機・水素充填機併設ステーションの実証実験開始について【JX日鉱日石エネルギー】
2012年6月20日
当社(社 長:木村 康)は、神奈川県と愛知県の2ヵ所のサービスステーション(以下「SS」)において、2013年2月を目処に、将来の水素供給インフラ普及に向 け、日本では初めてとなる、ガソリン計量機と水素充填機を並列設置したSS運営の実証実験を開始しますので、お知らせいたします。
当社を含むエネルギー業界、自動車業界等の民間企業13社※1は、2011年1月に、「2015年には、燃料電池自動車(以下、FCV)量産車を販売し、東京、愛知、大阪及び福岡の4大都市圏を中心に、100箇所程度の水素ステーションを整備することを目指す」とする、共同声明を発表しました。
一方、国においても、FCV・水素ステーションの普及開始に向け、圧縮水素充填設備のガソリンスタンドへの設置など、水素の取扱いに関する規制の再点検・法改正を進めています。
本実証実験は、こうした動向を踏まえ、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と水素供給・利用技術研究組合(以下「HySUT(ハイサット)」)※2の共同研究である「地域水素供給インフラ技術・社会実証 技術・社会実証研究」の一環として、ガソリンスタンド敷地内での水素供給を実施するものです。
水素供給設備は、「ダウンサイジング・省スペース化」「ローコスト化」を目指して新たに開発したパッケージ型設備※3であり、今後の水素ステーションの建設コストのダウンにつながることが期待されます。
また、70MPaの高圧水素をガソリン並みの短時間で充填可能とすることでユーザーの利便性向上を図った上で、事業化に向けて、セルフ式のガソリン・軽油販売業務と、従業員による水素充填業務を並行して行う運営オペレーションの検証等を行います。
当社は、本実証を通じ、全国に展開するENEOSサービスステーションネットワークを活用した、水素供給 インフラ整備とビジネスモデル構築の実現に、取り組んでまいります。
※1 自動車メーカー(トヨタ、日産、本田技研)、石油元売(当社、出光興産、コスモ石油、昭和シェル石油)、
都市ガス・産業ガス会社 (岩谷産業、大阪ガス、西部ガス、大陽日酸、東京ガス、東邦ガス)。
※2 当社を含む参加企業・団体が、それぞれ保有している水素の供給・利用に関する技術やノウハウを結集し、
水素供給ビジネスの事業化に向けた供給安定性、経済合理性、環境適合性等の検証を行うために設立
された技術研究組合。
※3 工場で機器・配管一式を標準規格コンテナ内にセットしたもので、現場での設置工事期間短縮とコスト削減
が可能。
【実証実験の概要】
1.設置場所
(1)Dr.Drive海老名中央店
(所在地:神奈川県海老名市、運営店:JOMOネット、敷地面積:1,000坪)
(2)Dr.Drive神の倉店
(所在地:愛知県名古屋市、運営店:JOMOネット、敷地面積:974坪)
2.実証期間(予定)
2013年2月~2016年3月
3.実証内容
(1)パッケージ型水素供給設備の検証
(2)技術開発と規制見直しによるコストダウン検証
(3)運営オペレーションの検証
※HySUTが本実証事業の全体を統括
<参考>当社が運営する既存の水素ステーションとの仕様比較 (計画)
※1 圧縮機は、気体を圧縮して、圧力を高めるための機械で、直接充填対応型とは、圧縮した水素を
蓄圧器を経ずにFCVへ直接充填することも可能な型式。
蓄圧器は、圧縮機によって圧力を高められた水素を貯蔵する設備。
※2 1時間あたりの水素供給能力。蓄圧器及び圧縮機の能力、充填方式(差圧/直接)などによって決まる。
FCV1台に充填する水素量は50Nm3。今回の実証では70MPaで充填の場合は、時間を3分と想定。
※3 現行のFCV充填圧力には35と70MPaの2種類が存在するが、より圧力が高く同じ容量で多くの水素が
貯蔵できる、70MPaへ集約される方向で検討中。
<イメージ図>※デザインは変更の可能性があります。
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