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CO2アドバイザリーサービスの提供により製造会社のクライメートニュートラル達成を支援【ボッシュ】

2020年7月27日

CO2アドバイザリーサービスの提供により製造会社のクライメートニュートラル達成を支援
ボッシュのノウハウと革新的な技術を通じてクライメートアクションへの取り組みを促進

▶ ボッシュでの経験をもとに、ボッシュ・クライメートソリューションズが企業のCO2排出量削減を支援
▶ エネルギー効率がもたらす成果:2019年、ボッシュは世界中で実施した1,000件超のプロジェクトを通じて約21万メガワット時を削減
▶ 温暖化防止のためのテクノロジーを確立:インテリジェントなソリューションにより生産資源の効率化を推進

シュトゥットガルト(ドイツ) – ボッシュは、クライメートニュートラルを目指す企業向けのアドバイザリーサービスを提供するため、2020年中旬に子会社ボッシュ・クライメートソリューションズを設立しました。グローバル規模で革新的なテクノロジーとサービスを提供するボッシュは、自らがカーボンニュートラルを達成した過程、さらに世界各地で実施してきた各種プロジェクトを通して得られた知識や経験を社外にも伝えたいと考えています。製造業でこのようなサービスへの需要が高まりを見せています。ドイツ企業を対象とした最近の調査は、77%がCO2排出量削減を優先課題として挙げているものの、実際にクライメートニュートラル達成のための対策を講じているのはそのうちの16%に過ぎません(出典:ボストンコンサルティンググループ)。ボッシュは、2020年末までに、世界中の400以上の拠点のカーボンフットプリントをゼロとし、完全なクライメートニュートラルを達成する世界初の製造企業となる見込みです。なお、ドイツ国内では、ボッシュは全拠点において、2019年末からすでにクライメートニュートラルを達成しています。「気候変動の緩和は社会全体の課題であり、私たちは、クライメートアクションを技術的、商業的にも実現可能なものにしたいと考えています」と、ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長のフォルクマル・デナーは述べています。そのためにボッシュは、自社工場および施設のエネルギー効率の向上、自家発電、生産資源をより効率的に利用するための技術ソリューションの導入など、さまざまな手法を取り入れています。デナーにとって、進むべき道ははっきりしています。「事業を成功させたいと願うのならば、持続可能な経営体制が必須です。」

各企業に合わせてカスタマイズしたCO2削減コンセプトを策定
気候変動は人類が直面している最大の課題です。製造業はエネルギー産業に次いで排出量が多く、ドイツ国内に限れば二酸化炭素の総排出量の5分の1以上を製造業が占めています。ボッシュはこれに伴うさまざまな課題に積極的に取り組んできました。その経験に基づき、ボッシュ・クライメートソリューションズは、生産資源をより効率的に活用した開発、製造、事業活動、およびクライメートニュートラルに向けた他社の取り組みを支援します。基盤となるのは、1,000件超のエネルギー効率関連のプロジェクトを実施した経験、そして1,000人以上のボッシュのエキスパートで構成される仮想チームです。「ボッシュ・クライメートソリューションズは、産業に関する幅広い知識を活用して、他社のクライメートニュートラル達成を後押しします。私たちは、企業の垣根を超えてクライメートアクションを促進します」と、新設のアドバイザリー機関を含む、エネルギー・ビルディングテクノロジー事業セクターを担当するボッシュ取締役会メンバーのクリスチアン・フィッシャーは述べています。4週間以内に専門家によるCO2の排出に関する監査を実施して初期のマスタープランを提案し、3カ月以内にCO2排出量削減の具体的な計画を立案します。ボッシュが提供するアドバイザリーサービスは、自社がクライメートニュートラルを達成した際に採用した統合的なアプローチに基づくものです。これには、エネルギー効率の改善、再生可能エネルギーの拡大、グリーン電力調達の拡大、不可避のCO2排出量のオフセットといった手段も含まれます。「ボッシュは、常に環境面ならびに経済的な観点も考慮しながら、最適なソリューションの計画、選定、導入についてアドバイスしています。すでに需要は十分見込まれ、関心も高まりを見せています」と、ボッシュ・クライメートソリューションズのCEO、Donya-Florence Amerは述べています。同社はすでに複数の顧客を獲得し、いくつかのプロジェクトを完了しています。

テクノロジー企業Prettl社の例では、CO2排出量削減に向けたコンセプト策定を支援しました。「シナリオ分析の結果、技術面、経済面ともに多少余裕があったため、CO2排出量削減に向けて独自の路線を敷くことができました」と、PrettlグループのWilli Prettlは述べています。

社会的慣習の見直し:省エネおよび省資源
「これ以上の気候変動を食い止めるには基本理念から見直す必要があります。少ない方が良い、ということはよくあるものです。ボッシュは、この点においても急速な進歩を遂げました」と、デナーは述べています。ボッシュでは、2030年までにさらに年間当たり1.7テラワット時の削減を計画しています。これは、現在の年間消費電力の5分の1以上に相当します。この目標を達成するために、各種施設および工場におけるエネルギー効率の向上に、今後10年間で約10億ユーロを投資する予定です。ボッシュは、2019年だけで世界中で1,000件以上のプロジェクトを実施し、約21万メガワット時の削減を達成しています。これは、ドイツの6万5,000世帯が1年間に消費する電力量に相当します。

効率化およびインテリジェント化によるエネルギー消費の削減
エネルギー効率の向上では、コネクテッド・マニュファクチャリング(ネットワーク化された製造)が重要な役割を果たします。ボッシュはすでに、世界各国100以上の工場および拠点で独自のインダストリー4.0ポートフォリオの一部であるエネルギープラットフォームを活用しています。インテリジェントなアルゴリズムが、エネルギー消費の予測、ピーク時の負荷の回避、機械の標準的な消費パターンからの逸脱の検知および補正をサポートします。これにより、工場のCO2排出量をさらに削減することが可能です。たとえば、ドイツのホンブルクにあるインダストリー4.0に関するボッシュの基幹工場では、この2年以内にCO2排出量を約10%削減しました。透明性を確保するためには、機械をインダストリー4.0環境に対応させる必要があります。しかし現状では、依然として多くの機械はデジタル化以前の過去の状態のままです。「インダストリー4.0をさらに普及させ、最大限の能力を引き出すことを目標に据えねばなりません。ネットワーク化はそれ自体が目的ではなく、効率化、資源保護、環境に配慮した製造への扉に過ぎないのです」と、産業機器テクノロジー事業セクターを担当するボッシュ取締役会メンバーのロルフ・ナヨルクは述べています。後付けにより、システムを最新の技術に適合させることも可能です。ボッシュは、機械に最先端の通信用インターフェースやセンサー技術を後付けしたうえで、Bosch Rexroth AGのIoTゲートウェイソフトウェアに接続します。これにより、温度、圧力、圧縮空気の消費量などのデータへのアクセスが可能となり、オペレーターが問題点を特定して排除し、エネルギー消費量を削減することができるようになります。

製造業における資源保護のための新しいテクノロジー
ボッシュでは、エネルギー効率を機械やシステムの開発における重要な基準と捉えています。Bosch Rexroth AGのCytroBoxを例にとってみましょう。このネットワーク化された油圧パワーユニットは、頑丈さが必要で強大な圧力が加わるシートメタル成形のような使用事例で本領を発揮する製品です。あらかじめ設定された可変速ポンプドライブのコントローラーが、負荷に合わせてCytroBoxのエネルギー消費量を調整します。これはつまり、ゼロまたは部分負荷時には減速させてエネルギーを節約し、全負荷時には加速させることができるということです。このような柔軟性により、一定速ドライブのパワーユニットに比べてエネルギー消費量を最大80%削減できます。制御技術の新しいアプローチは、生産資源の効率的な利用にも役立ちます。Bosch Rexroth AGのctrlX オートメーション プラットフォームは、機械やシステムのハードウェアを削減して小型化を進める際の鍵となります。「私たちの新しい制御技術は革命的です。ハードウェアとソフトウェアの専門知識を組み合わせることで、直感的かつ柔軟な操作が可能な製造業向けスマートフォンタイプの製品を発売します」と、ナヨルクは述べています。ctrlXオートメーションにより、自動化コンポーネントの総数を平均で最大50%、ドライブの重量を最大で3分の1削減します。ハードウェアが軽くなるほど、必要な駆動力やシステムのエネルギー消費も小さくなります。ボッシュは、蒸気やプロセス熱の生成などの産業プロセスにクライメートニュートラルな燃料を導入するためのソリューションも提供しています。ボッシュのサーモテクノロジー事業部が供給する工業用ボイラーは、水素、グリーン燃料での操業、または再生可能エネルギーによる電力を使用したハイブリッド操業に対応させるために、実質的にすべて改造が可能です。なお、必要に応じて、新しい水素燃料対応のボイラーの供給も可能です。

ボッシュが各工場で展開するクライメートアクションのモデルプロジェクトに関しては、下記をご参照ください。
https://www.bosch.co.jp/press/group-2007-04/media/PI11152-factsheet-01-ja.pdf

  

  

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