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大王製紙と兼松、新素材リグニンブラック®のテストプラント完成 実証試験及びサンプル供給を開始【大王製紙/兼松】

2012年6月7日

大王製紙㈱(東京本社:東京都中央区、社長:佐光正義、以下「大王製紙」)と兼松㈱(本社:東京都港区、社長:下嶋政幸、以下「兼松」)は、カーボンニュートラルな超軽量中空炭素微粒子(以下、リグニンブラック®)を製造するテストプラント(以下、テストプラント)を大王製紙 三島工場内(愛媛県四国中央市)に設置し、実証実験及びサンプル供給を開始致します。

大王製紙と兼松は、平成22年度よりリグニンブラック®の実用化に向けた研究開発を行って参りました。また、環境省から「平成23年度 環境研究総合推進費補助金」(以下、「補助金」という)の交付を受け、一年間かけて設備テスト及び設備設計を行い、本年3月末日に生産能力  5-10㎏/月程度を有するテストプラント設置を完了致しました。
その後、試運転を行い、順調な稼動が確認されたことより、今般、実証試験及びサンプル供給を開始する運びとなりました。

リグニンブラック®は、独立行政法人産業技術総合研究所(東京都千代田区、理事長:野間口有)が開発したカーボンニュートラルな素材であるリグニン(注1)を原料とする超軽量中空炭素微粒子で、基本的なゴム補強効果を備え、高い電気伝導性を持つだけでなく、且つ非常に軽量であるという特性を持っています。
そのため、リグニンブラック®はタイヤ用ゴム補強材を始め、顔料、導電性材料等に使用されているカーボンブラックの代替材料として有望な素材と考えられています。

今後、大王製紙ではテストプラントを用いた量産化技術の確立を目指すと共に、兼松ではタイヤ用途の他、既存カーボンの代替を目的とした幅広い用途開発を視野にユーザー候補へのサンプル供給を行い、両社共同で品質の最適化に努め、実用化へ向けた開発を促進します。
さらに地球環境に配慮した先端技術の開拓・開発を進め、新たな事業の創出に努めて参ります。


注1: リグニンとは木材の20%程度を占めるフェノール性高分子化合物。
注2: カーボンブラックとは直径10-500nm程度の炭素微粒子。石油石炭などを不完全燃焼させて得る製法が主流。

リグニンブラック®製造のイメージ図

本プロジェクトのお問い合わせ先

兼松㈱ 環境・素材統括室 新事業開発チーム 電話 : 03-5440-9743


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