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車載用エポキシ樹脂封止用材料の欧州生産開始について【住友ベークライト】

2020年5月25日

住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、欧州でのモビリティー分野の高まる需要に応えるために、ベルギーの生産子会社内に車載用エポキシ樹脂封止用材料生産の新製造ラインを導入することとしましたのでお知らせ致します。

当社封止材概要

当社半導体用封止材料は、1980年代より30年以上ワールドワイドで高いシェアを誇る材料であり、パソコンやスマートフォン、サーバー等のIT機器を始め、家電製品や輸送機器、産業機器等社会の広い分野で使用されています。当社の売上の約20%を占める主力製品で、幅広い製品ラインナップを持ち、特に技術革新が速い最先端材料に強い特徴を持っています。日本・中国・台湾・シンガポールなどで、半導体組立メーカーの工場の近くで生産を行っております。また、半導体パッケージの試作を顧客と共同で行うオープンラボは日本・欧州・北米・中国にも展開し、ワールドワイドで協業できる体制が整っています。

新たな柱・車載用途への事業展開

近年のITの進化により半導体用の需要はこれまで順調に成長してきました。2020年は通信規格「5G」の普及を迎え、半導体需要がさらに増える見通しです。一方で、急速に自動車の電装化が世界的に広がっており、「CASE」が新たなキーワードとして進展しています。

住友ベークライトの封止材料は、半導体用がメインでこれまで成長してきましたが、国内外の自動車部品メーカーへのマーケティングから新たなニーズが出てきており、以下の通り新たな用途として車載用途にも注力することとしました。

・モーター磁石固定用材料
EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)で使用されるローター内の磁石を固定する材料としてこれまで液状樹脂が使用されてきましたが、封止材を使用することで、より強固に固定することができ、モーターの高速回転が可能となり、高出力化や小型化につなげることができる様になります。 モーター磁石固定用材料

 

 

・ECU(Electronic Control Unit)一括封止材料

従来、自動車のエンジンやトランスミッション等の電子制御を行うECUは半導体等が搭載された電子基板を金属のケースで覆い、シリコーン等の樹脂を流し込み固めていましたが、当社材料を使用し(個々の半導体ではなく)基板ごと一括して封止することで、ECUの小型化、軽量化につながり、また生産時間も短縮することができる様になります。

当社は、それぞれモビリティー用途に最適な材料の開発をすでに進めており、この分野では先駆的立場であり、4月には「モビリティー材料営業部」を発足させ拡販体制を整えました。将来は「半導体封止材」の市場に加え「車載用封止材」を二つ目の柱として育てていく所存です。

欧州での生産開始

欧州は自動車産業発祥の地で、世界的な部品メーカーも存在しています。当社はベルギー(2社)、スペイン(1社)でフェノール樹脂のレジンや成形材料を生産し、自動車用や断熱材用の材料として生産・販売してきた実績があります。欧州は現在、新型コロナウイルスの流行で社会全体が大変な状況にありますが、「ポストコロナ」を見据え、このほどベルギーの子会社(Vyncolit社)内で生産することを決定しました。

欧州での生産を含め、「車載用封止材」市場での販売を2025年度に120億円を目指します。

概要
生産会社: Vyncolit NV社(ベルギー・ゲント市)
稼働開始: 2022年初頭
生産能力: 数千トン/年

 

 

 

車載用エポキシ樹脂封止用材料の欧州生産開始について(PDF 697KB)

関連情報

情報通信材料営業本部

本件に関するお問い合わせ

住友ベークライト株式会社 情報通信材料営業本部 モビリティー材料営業部
Tel:03-5462-4264
製品についてのお問い合わせは以下ホームページの問い合わせフォームをご利用ください。
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