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Nissanデルタウィング、ルマン24時間レース公式テストを順調に走行【日産自動車】

2012年6月4日

6月3日 :  ルマン、サルテサーキット(フランス)
第80回目を数えることしのルマン24時間レースに参戦を予定している最も近代的なレーサー、Nissanデルタウィングが、会場となる1周13.6kmの名門サルテサーキットで、初めての走行を行いました。

イベントを主催するAOCが設ける、革新的な最新技術を披露する特別枠「ガレージ56」を適用して招待参加するNissanデルタウィングは、ドライバーのミハエル・クルム、本山哲、マリーノ・フランキッティのドライビングにより、この日54周を走破しました。

走行中、目立ったトラブルはなく、1周を除くすべての周回を1セットのミシュランスリックタイヤで走り切りました。途中、小雨が降った際には1周だけウェットタイヤを履きましたが、この日を通してタイヤを交換したのはこの一度だけでした。この日のベストラップタイムは、本山がマークした3分47秒980。コンセプト立案者のベン・ボウルビー率いるNissanデルタウィングのテクニカルチームは、レースオフィシャルが推奨する3分45秒というターゲットペースにも充分に届く範囲と考えています。

本山は1999年以来、クルムは2005年以来のルマン参戦となるため、この両名には本レースに参加するために10周の走行が義務づけられていました。しかし、本山は19周、クルムは24周と、両ドライバーは共にこの課題を難なくこなしました。プレイベントテストでは大部分の走行と開発を担ってきたマリーノ・フランキッティは、この日は11周のみを走行。チームは、本山とクルムのマシンへの慣熟に多くの時間を充てました。最初にステアリングを握ったのはクルム。その後、本山に交代して午前のセッションを終えました。午後はフランキッティから始まり、ウェットタイヤでの1ラップを含めた走行を行った後、再びクルム、本山とつないでこの日の走行を終えました。

車重も馬力も空気抵抗も、通常のプロトタイプの半分というユニークなNissanデルタウィングは、タイヤと燃料の使用量も格段に少なくなると予想されています。300馬力の1.6リットル日産DIG-Tターボエンジンを搭載するNissanデルタウィングは、専用に開発されたミシュランタイヤを履きますが、フロントのタイヤ幅は4インチです。

公式テストを終えたチーム陣は翌日にはベース拠点のある英国に戻り、第80回ルマン24時間レースに向けて最終準備にかかります。チームのトランスポーターは来週末にはルマンに戻り、ルマン市内でイベント前車検を受けることになります。第80回ルマン24時間レースの公式練習は、6月13日水曜日、午後4時(現地時間)から始まります。

マリーノ・フランキッティ
「非常に有意義な一日となり、これだけの周回を走行できて本当によかったです。ウェットとなった1周を除き、全日を通して使用したミシュランタイヤは1セットのみ。本当に信じられませんね。今日、私たちにとって重要だったのは、マイケル(クルム)とサトシ(本山)がレース参加のために義務づけられた走行を達成することでしたが、これは問題なく突破しました。Nissanデルタウィングのプロジェクトに関わるひとりひとりが一丸となってくれて、本当にうれしいです。これまで大変な苦労を重ねてきましたが、今日の予定が順調に進みとても満足しています。このマシンをドライブするのをとても楽しみにしてきましたが、期待は裏切られませんでした。今日集めたデータをまとめて分析し、来週に向けてマシンをさらに改善できるように努めていきます」

ミハエル・クルム
「いい一日になり、なんの問題もトラブルもなく走り切りました。このプロジェクトにとって素晴らしい内容でした。いろいろなセッティングを試しながらデータを集め、燃料についても作業を行いましたが、すべてが順調に進み納得のいく内容となりました。目標にしていた燃費もクリアしたのも、素晴らしい成果。とにかく充実したテストとなりました。この後、すべてのデータを分析しますが、来週が楽しみです。このままトラブルなく走り切ることができればと思います。また僕自身、久しぶりにルマンを走行することができてうれしかったですね。サーキットの周辺は変化したところもありますが、何もかもがいい感じです。このコースでのマシンのフィーリングもよかった。ポルシェカーブでNissanデルタウィングがどのような動きをするか少し心配していたのですが、文句なしに素晴らしくとても安定していました。これなら思い切りハードにプッシュすることもできます。ドライビングが楽しみですね。レースが待ち切れません」

本山哲
「ここでのレースは13年ぶりなので、サーキットのことをあまり思い出すことが出来ず少し緊張していました。でも、今日はいいテストになり、すべてが予想を遙かに上回る内容となりました。Nissanデルタウィングはすごく強いフィーリングを感じ、マシンに乗っていても心地よくドライビングできるようになったので、周回数を多く走行することができてよかったです。このマシンがルマンを走る姿を心待ちにしているファンが世界中で待っているので、少しプレッシャーも感じますが、久しぶりのルマンでのレースを心から楽しみにしています」

ベン・ボウルビー(デルタウィング)
「今日の結果には、文句なしに喜んでいます。ドライバーの義務周回を果たすことを目指す走行で技術面での問題が起きては、大変なことになってしまいます。3分45分程度というラップライムでの走行が望ましいというACOの基準にも達していることを証明できましたし、ピットにいるどの人も同じ思いだったでしょう。基準タイムにほぼ到達しているので、今日の内容は大成功だったと言えます。物理は嘘をつきませんでしたし、我々はそれを如実に表すマシンを開発しました。本番に向けて、今週中に終えなくてはならないたくさんの準備がまだまだ残っています。これをきっちりと行い、Nissanとミシュランにとって素晴らしい結果をもたらすことができるよう務めていきます」

ダレン・コックス(欧州日産)
「今日の午前に、今回のテストで我々が50周以上走れるかどうかを迫られていたら、わたしは間違いなく受けて立ったことでしょう。マイケルとサトシには、レース参加のための義務を完遂するため20周程度を任せました。私を始め日産のすべての関係者が、今日の内容にとても満足しており、ベン・ボウルビーと彼のチームにも、笑顔が並んだことでしょう。ベン(ボウルビー)はこの5週間、20歳の若者のような顔つきでした。今朝はガレージには大変な緊張が漂っていました。みんな、今日のテストの行方を心配していたのです。でも、それぞれができる限りのすべてを尽くした仕事を行ってきたという自信を持っていました。今日を素晴らしい内容で終えたことで、みんなの努力が報われました」

ドン・パノス
「レースチーム、日産、ミシュラン、我々のサプライヤー、そしてパートナーからこのプロジェクトに参加しているすべてのスタッフにとって、喜ばしい内容となりました。みんなの夢を実現するために、本当に厳しいスケジュールの中で作業を進めてきたので、今日このように充実した一日を過ごせたことは、みんなにとっても大きな前進となります。レースに向けてはまだ作業が残っていますが、我々の計画はコンセプトを披露するために、とにかく懸命にがんばっていくだけです。無理をし過ぎず、リスクを負って好タイムを狙うことはしません。とにかく、誰よりも少ないリソースでルマン24時間を走り切ることを目指します。みんなの努力を誇りに思いますし、レースを心から楽しみにしています」


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