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鉱山ダンプトラックホイール用「クリープ防止設計高信頼性円すいころ軸受」を開発【日本精工】

2012年6月4日

~メンテナンス性向上と高信頼性に貢献~


日本精工㈱(取締役 代表執行役社長 大塚紀男、以下NSK)は、鉱山で使用されるダンプトラックのホイール用円すいころ軸受として、内輪クリープ*1の発生による軸の摩耗を防止する「クリープ防止設計高信頼性円すいころ軸受」を開発しました。NSKは、本製品により鉱山ダンプトラックのメンテナンス性向上と高信頼性に貢献し、本製品の売上として2016年に10億円を目指します。

*1 : 内輪クリープ : 内輪と軸の間に発生するすべり現象。この結果、軸と軸受内径面に摩耗が発生する可能性がある。

開発の背景

世界的な都市化や人口増に伴い、BRIC’sなどの新興国を中心に資源需要は拡大を続けております。このため、近年、鉱山設備には365日24時間稼動など、過酷な条件下での信頼性が求められてきております。鉱山向けダンプトラックのホイールには、通常円すいころ軸受が使用されていますが、内輪クリープにより軸が摩耗することがありました。摩耗した軸の修理のために発生するメンテナンス時間やメンテナンス費用の発生が問題となっておりました。

このため、従来はクリープ防止のため専用の機構を設けることがありましたが、NSKは高度な解析技術と評価試験、最先端の生産技術を活用して、軸受の内部仕様変更のみで、耐クリープ性能を従来品に比べて8倍以上に高め、軸の摩耗を低減し、メンテナンス性の向上を可能にしました。さらに、特殊熱処理を施した表面疲労に強い内外輪を採用したことで、従来品同等以上の寿命を確保しました。

新商品の特長

1. クリープ防止最適設計
鉱山ダンプトラック用円すいころ軸受では、転動体の通過の際に高荷重が掛かると内輪に局所変形が起き、これが内輪クリープ発生の要因となることを解明しました。このため、内輪の肉厚を増やすことやころ数を増やし転動体への荷重を減少させることで、内輪の局所変形を低減し、クリープの発生を抑制しました。

2. NSK長寿命化技術の採用
内外輪に表面疲労に強い特殊熱処理を施すことで、従来品同等以上の軸受寿命を確保しました。

新商品の効果

本製品は、鉱山ダンプトラック用ホイールのメンテナンス性の向上と高信頼性により、高い生産性を実現します。

1. 開発背景:アプリケーション特性 及び 軸受要求機能



2. 開発品の技術


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