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自動運転の市場導入に向けて準備【フォルクスワーゲン グループ ジャパン】
2019年11月1日
・フォルクスワーゲンは自動運転技術のセンターオブエクセレンス(最先端技術研究所)として
子会社のVolkswagenAutonomy(VWAT)GmbHを設立、責任者にはアレクサンダーヒッツィンガーが就任
・VWATは、レベル4以上の自動運転システム開発のためのグループ開発活動を統括
・VWATの開発拠点は、ミュンヘン、ウォルフスブルグ、シリコンバレー、中国に設置
・アレクサンダーヒッツィンガー:「私たちは、自動運転の商業化が2020年代半ばに始まると予測しています」
2019年10月28日、ウォルフスブルグ(ドイツ):フォルクスワーゲンAGは本日、VolkswagenAutonomyGmbH(フォルクスワーゲンオートノミーGmbH)(VWATGmbH)を設立したことを発表しました。本社は、ミュンヘンとウォルフスブルグに設置されます。2020年には、子会社をシリコンバレーに設立し、2021年には、中国にも別の子会社を設立することを計画しています。レベル4以上の自動運転システムのセンターオブエクセレンス(最先端技術研究所)として設立されるVWATは、グループ内に蓄積されたノウハウを集約して、自動運転システム(SDS)の市場導入を目指します。この新会社の責任者には、フォルクスワーゲングループ自動運転担当上級副社長であり、フォルクスワーゲン商用車ブランド(VWCV)において技術開発担当取締役を務めるアレクサンダーヒッツィンガーが就任します。ハノーバーに本社を置くVWCVは、「MobilityasaService(モビリティアズアサービス)」(MaaS)および「Transport-as-a-Service(トランスポートアズアサービス)」(TaaS)の自動運転技術において、グループ全体を主導する役割を担っています。
VWATが導入を目指す最初のSDSは、都市部における人とモノのモビリティソリューションです。フォルクスワーゲングループは、今年の7月に、自動運転の分野でフォードと協力することを発表しました。この協力関係には、自動運転のソフトウェア開発に特化したARGOAIへの出資が含まれており、当局による正式承認を待っているところです。ARGOAIとVWATは、自動運転システムの実現に向けて緊密に協力していきます。VWATによる自動運転システム開発にあたっては、システムエンジニアリングと工業化に大きな焦点が当てられます。その目標は、将来的にすべてのグループブランドに活用してもらえる標準モジュールのSDSを開発することです。
「私たちは、自動車および技術産業の専門知識を集約し、優れた機動力と高い創造性を備えた企業文化に、プロセス重視の姿勢と優れた拡張性を組み合わせることによって、VolkswagenAutonomyを世界的なテクノロジー企業に育てたいと考えています」と、アレクサンダーヒッツィンガーは述べています。「私たちは、自動運転車、高性能コンピューター/センサーのコストを削減するために、今後ともすべてのグループブランドにわたって、継続的に相乗効果を発揮していきます。私たちは、2020年代の半ばを目途に、自動運転の商業化を大規模に開始することを目指しています。」
最初の運用ケースは、商業分野で計画されています。フォルクスワーゲン商用車ブランドは、グループ内でMaaSおよびTaaSを主導するブランドとして、ロボタクシーやロボバンといったスペシャル・パーパス・ビークル(SPV=SpecialPurposeVehicles)を開発・生産します。VWATは、顧客としてのフォルクスワーゲン商用車ブランドと「Co-Creation」という形態により、これらのシステムを共同開発します。従って、フォルクスワーゲンの小型商用車ブランドは、VWATの自動運転システムを最初に応用搭載する顧客とになります。
年末までには、現在フォルクスワーゲングループ研究部門に属している自動運転チームが、VWATに配属されます。また、ドイツの本社に加えて、2020年にはシリコンバレー、そして2021年には中国にも子会社が設立される予定です。ただし、従業員の半数以上は、ミュンヘンとウォルフスブルグを拠点とします。ミュンヘンが選択された理由は、グループ企業のAutonomousIntelligentDrivingGmbH(オートノマスインテリジェントドライビングGmbH)(AID)がすでに本社を構えているためです。同時に、この拠点はARGOAIのヨーロッパ本社としても機能することになります。シリコンバレーが選択された理由は、ARGOAIの拠点があることに加え、自動運転に関する世界有数の人材が集まっていることです。また、自動運転システムのさらなる開発に有利な条件をもたらす法律が制定されていることも理由に挙げられます。中国のSDS開発拠点は、現地の法的要件に準拠するために必要です。中国は、フォルクスワーゲングループ最大の市場として特に重要な役割を果たします。また、交通環境が複雑であることも理由となっています。
「自動運転は、自動車業界全体にとって大きな課題となっています。それらは、高い開発コスト、極めて高度なセンサー技術の必要性、法整備の問題、地域によって異なる要件への対応です」と、アレクサンダーヒッツィンガーは説明しています。「私たちの目標は、市場に導入が可能な自動運転システムを実現するノウハウを備え、優れた機動力と高い開発能力を持つチームを構築することです。」
最も重要なことは、レベル4以上の自動運転において、安全性を最優先することです。現代のクルマは、数多くのアシスタンスおよび安全システムによって、既に非常に高い安全性を実現しています。これによって、特定のドライバーが、致命的な事故を引き起こす可能性がある平均走行距離は、6億kmにまで延長されています。自動運転システムが導入されることによって、事故件数はさらに大幅に削減されることになるでしょう。そのため、システムは非常に堅牢なものでなければなりません。これを達成するのは困難なだけでなく、それをどのように検証するのかも大きな課題となっています。
VWATは、システムの開発、確認、検証に関する作業に加えて、フォルクスワーゲングループ内のレベル4以上の自動運転システムに関するあらゆる活動を統括することになります。
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