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交通規制内に誤進入する車両から作業員を守る「大型移動式防護車両」の開発【中日本高速道路】

2019年9月25日

NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋株式会社は、東邦車輛株式会社と共同で、高速道路などでの交通規制を伴う路上作業時の作業員の安全確保を目的とした車両「大型移動式防護車両」(図-1)を開発しましたので、お知らせします。

なお、本製品の開発は、当社が推進する「i-MOVEMENT」の取り組みの一環であり、その戦術の一つである「工事規制の高度化・省力化」につながる技術です。


図-1 大型移動式防護車両 (左:走行時、右:作業時)

製品開発の背景と目的
交通規制を伴う高速道路の路上作業中(写真-1)に、通行車両が規制区域内に誤って進入して工事車両や工事規制器材に衝突する物損事故がここ数年大幅に増加しています。時には、作業員に衝突して作業員が死亡または負傷する事故も発生しており、路上作業員の安全の確保が重要な課題となっています(図-2)。

当社グループでは、これまでも「緊急遠隔しらすんだー」や「エアバッグ式安全チョッキ」などの製品を開発して、高速道路上で作業する方々の安全対策に取り組んできました(参考資料1)。

今回開発した車両は、規制区域内に誤って進入してきた車両から直接防護できる作業スペースを確保することで、路上作業時の更なる安全性の向上を目的として開発したものです。

なお、大型の移動式防護車両は既に米国でも活用されていますが、米国で活用されている車両は日本の各種法令(道路運送車両法など)に適合しない部分もあり、日本国内で活用できるようにするため、今回新たに開発したものです。

本製品の概要
本製品は、保護ビームを伸縮させることにより、作業スペースを広く確保できる車両です(図-3)。また、保護ビームを左右に移動させることができるため、走行車線規制、追越車線規制のどちらでも利用することができます(図-4, 5)。

車体後部には衝撃緩衝装置を装備しており、さらにその後方に防護車両を配置することで、万が一通行車両が後方から追突した場合でも作業スペースを防護することができます(図-3~6)。

・車長:走行時15.9m、作業時23.4m
・作業スペース:約10m×約2m

図-3 大型移動式防護車両の構成

図-4 走行車線規制の車両配置イメージ

図-5 追越車線規制の車両配置イメージ

図-6 お客さまから見たイメージ(走行車線規制の場合)

本製品の効果
現在、メンテ名古屋が実施している交通規制を伴う路上作業(ポットホール補修※1や事故復旧工事など)の約4割に本製品を活用することができ、作業員の更なる安全性向上や工事規制作業の省力化が期待できます。
※1 ポットホール・・・アスファルト舗装の表面に生じる長さ0.1~1m程度の穴

今後の展開
今後、メンテ名古屋が実施する交通規制を伴う維持修繕業務の中で、本製品を試行的に活用し、実用化を目指していきます。また、10月に東京で開催される「ハイウェイ・テクノフェア2019」※2に出展する予定です。
※2 ハイウェイ・テクノフェア2019

高速道路の建設・管理技術の普及や活用を促進するとともに、高速道路事業について広くお客さまや社会の理解を得ることを目的に開催されるイベント。
日時:2019年10月8日(火)、9日(水) 各日10:00~17:00 (ただし、本車両の展示は8日のみ)
場所:東京国際展示場(東京ビッグサイト)青海展示棟 A・Bホール (本車両の展示はBホール)
主催:公益財団法人高速道路調査会
共催:東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)、西日本高速道路(株)
URL:http://htf.express-highway.or.jp/htf2019/info/

i-MOVEMENT(アイムーブメント)とは
i-MOVEMENTは、最先端のICT技術・ロボティクス技術の導入により、人口減少などの高速道路を取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化を目指すNEXCO中日本の活動(ムーブメント)を表しています。 innovative -Maintenance & Operation for Vital-Expressway Management with Efficient “Next generation” Technology (次世代技術を活用した革新的な高速道路保全マネジメント)

お問い合わせ先
・NEXCO中日本お客さまセンター (24時間365日対応)
TEL:0120-922-229 (フリーダイヤル)
TEL:052-223-0333 (フリーダイヤルがご利用になれないお客さま/通話料有料)

参考資料:
【参考資料1】NEXCO中日本グループでこれまでに開発した安全対策製品の一例
【参考資料2】工事規制の手前の標識と早期車線変更のお願い


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