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フォードとフォルクスワーゲン、 世界規模の協力を自動運転および電動化へ拡大
2019年7月17日
• フォルクスワーゲンは、自動運転車のソフトウェアプラットフォームを開発しており、70億ドル以上となる企業価値評価を持つArgo AIにフォードと共同で出資。この提携により、両社は、Argo AIの「SelfDriving-System」(SDS =自動運転システム)をそれぞれの車両に合わせながら搭載ができると共に、こ れまでにない世界的な規模によるスケールメリットの恩恵を受けられる。
• フォードは、フォルクスワーゲンによる電気自動車専用のMEB (エレクトリック ツールキット)を使用 して、少なくとも1モデルの量産電気自動車の設計・製造を行い、2023年からヨーロッパで 発売。フォ ルクスワーゲンのスケールメリットを活用しながら、車両ラインナップを効率的に拡充。
• フォードとフォルクスワーゲンが各ブランド用の商用バンと中型ピックアップを開発し、特定の世界市場で2022年から販売する計画は予定通り進行中。これにより、開発コストを分担して、 大きな相乗効果を発揮。
• フォルクスワーゲンとフォードの世界規模での提携は、両社間で株式の持ち合いを伴わないもの で、両社にとっては、年間を通じて経営の効率性の向上が期待される。
2019年7月12日、ニューヨーク: フォード モーター カンパニーとフォルクスワーゲンAGは、電気自動車を含む世界規模の提携をさらに拡大することを発表しました。この提携では、Argo AI(アルゴAI)と協力して米国およびヨーロッパに自動運転技術を導入し、両社の競争力や、コストおよび投資の効率性を向上させながら、お客様により 良いサービスを提供することを目指しています。
フォルクスワーゲン最高経営責任者(CEO)のDr. ヘルベルト ディース、フォード社長兼CEOのジムハケ ット、そしてArgo AI CEOのブライアン サレスキーは、自動運転車のプラットフォームを開発している Argo AIに、フォルクスワーゲンがフォードと共同で出資することを発表しました。
フォードとフォルクスワーゲンが提携を拡大することで、Argo AIの自動運転システム(SDS) は、ヨーロッパと米国で商業展開される最初の自動運転システムとなります。両社の世界的な ネットワークを活用することにより、このプラットフォームは、これまでに開発された自動運 転技術の中でも、最大規模で世界の各市場に展開できる可能性を秘めています。フォルクスワ ーゲンとフォードは、両社による人やモノの移動に対する差別化された取り組みを推進するため、Argo AIのSDSを、それぞれのブランドの車両に独立して搭載することを予定しています。
Argo AIのSDSは、大都市におけるライドシェアリングや配達サービスに利用することができる、 SAEレベル4の自動運転システムを開発することに焦点を当てています。
フォードとフォルクスワーゲンは、Argo AI株を均等に所有します。両社の株式を合計すると、Argo AI株 の過半数を所有することになります。残りの株式は、Argo AI従業員のインセンティブ用にプールされます。全ての取引は、関連する行政当局の承認を得た上で、契約条項に従って実施されます。
「フォードとフォルクスワーゲンは独立した企業としての立場を維持し、市場では競争しなが らも、Argo AIとチームを組んで協力することで、かつてない可能性、スケールメリット、市場規模を達成することが可能になるでしょう」と、フォード社長兼CEOのジム ハケットは述 べています。「様々な分野で相乗効果を発揮することで、インテリジェントな時代にインテリ ジェントなクルマを開発する、グローバルな提携力を示すことが可能になるでしょう。」
両者のトップはまた、フォードは、フォルクスワーゲンが開発した電気自動車専用のMEB (モジュラー エレクトリック ツールキット)を使用し、2023年にヨーロッパで量産電気 自動車の販売を開始することも併せて発表しました。
フォードは、ヨーロッパのお客様向けの、まったく新しい第二のモデルを開発することを検討しており、6年間でMEBを使用した60万台以上の電気自動車を販売することを目指しています。 この電気自動車は、商用車や、魅力的なクロスオーバーモデル、「Mustang(マスタング)」 や「Explorer(エクスプローラー)」といったブランドを代表する輸入モデルとともに、ヨーロ ッパにおいて引き続き力強い存在感を示すという、フォードのヨーロッパ戦略をサポートするものとなります。
フォルクスワーゲンは、2016年にMEBの開発を開始し、このプラットフォームに約70億ドルを 投資しました。同社は、このプラットフォームを使用して、今後10年間でフォルクスワーゲングループのみで、約1,500万台の車両を生産することを計画しています。
フォードにとって、フォルクスワーゲンのMEBを使用することは、全世界で115億ドル以上に 達する電気自動車への投資計画の一環であり、持続可能性に関するコミットメントを満たし ながら、ヨーロッパのお客様に幅広い電気自動車を提供するというフォードの取り組みをサ ポートするものです。
「業界をリードするフォルクスワーゲンのEVアーキテクチャーは、将来的に、より多くのお客 様と環境に恩恵をもたらすことになるでしょう。私たちの世界規模の提携は、さらに大きな展 望を示し始めており、他にも協力できる分野がないか、引き続き検討しています」と、ディー スは述べています。「MEBの規模を拡大することで、電気自動車の開発コストが削減され、電 気自動車をより幅広く、そしてより素早く世界市場へ導入することが可能になります。これにより、より良い資本効率、さらなる成長、そして競争力の強化を実現し、世界における両社の ポジショニングが向上します。」
フォルクスワーゲンとフォードの提携は、Argo AIに対する共同出資へと発展しましたが、この 提携は両社間で株式を持ち合うものではなく、Argo AIへの出資とは独立したものです。今回の提携は、ハケットとディースが議長を務め、両社の役員が名を連ねる共同委員会によって管理 されることとなります。.
さらに両社は、2022年から世界のお客様に提供する中型ピックアップ トラック、そしてそれ に続いて予定されている商用バンの開発も順調に進めています。.
Argo AI株を均等に保有
フォルクスワーゲンは、Argo AIに合計26億ドルを出資します。その内の10億ドルは、Argo AIに対する資金提供で、残りは、16億ドルと評価されているフォルクスワーゲン グループ子会社 Autonomous Intelligent Driving(AID)をArgo AIに統合させることにより提供します。200人以上 の従業員を抱えるAIDは、従業員の大半がフォルクスワーゲン グループ向けの自動運転テクノロジーを開発してきました。
また、今回の提携の一部として、フォルクスワーゲンは、今後3年間でフォードから5億ドル分 のArgo AI株を購入する予定です。フォードは、以前に発表したArgo AIに対する10億ドルの現金 投資のうち、残りの6億ドルの投資も今後実施する予定です。
両社の投資によって、Argo AIの評価額は70億ドル以上となります。 両社は、自動運転技術関連の新しい事業に参入することによって、収益力のある成長を成し遂げることを含め、今回の提携に大きな可能性を見出しています。
フォードとフォルクスワーゲンは、Argo AIと密接に協力することにより、ライドシェアリング や宅配サービスの分野において、安全で、信頼性が高く、耐久性のあるモデルとして量産可能な自動運転技術を利用できるようになります。
「Argo AIは、弊社の明確な使命と、パートナー企業のコミットメントにより、世界有数の人材 を集めることに成功しました。AIDの従業員と共に働くことにより、私たちのチームはさらに国際色豊かなものになり、さらに多くの才能溢れる人材を確保できると確信しています」と、 Argo AIの共同創設者のサレスキーは述べています。「フォードとフォルクスワーゲンの取り組 みにより、Argo AIのテクノロジーは、将来的に北米およびヨーロッパのほとんどすべての市場に導入され、複数のブランドと数多くの車両アーキテクチャーに搭載されることになるでしょ う。」
ドイツのミュンヘンに拠点を置くAIDは、Argo AIの新しいヨーロッパ本社となり、AIDの現在の CEOであるカールハインツ ヴルムが責任者に就任する予定です。500人の従業員を擁するArgo AIは、AIDの従業員を追加することで、全世界で700人の従業員を抱える企業へと成長を遂げる ことになります。
Argo AIは、米国ペンシルベニア州ピッツバーグの本社に加え、ミュンヘンに開設されるヨーロ ッパ初のエンジニアリングセンターは、ミシガン州ディアボーン、ニュージャージー州クラン ベリー、そしてカリフォルニア州パロアルトに次ぐ5か所目の拠点となります。さらに、フォ ードと協力して、マイアミとワシントンDCで自動運転技術をテストしています。ここでは、商用のモビリティ サービスを展開することを計画しています。
フォードは、フォルクスワーゲンのMEBを60万台の車両に採用
フォードは、MEBプラットフォームをベースにする、まったく新しい電気自動車の開発を計画しています。 ドイツのケルン-メルケニヒで開発されるこの新型車は、2023年から発売される予定です。フォルクスワ ーゲンは、今回の提携の一環として、MEB部品とコンポーネントを供給します。
両社はまた、電気自動車の開発において、協力可能な他の分野がないか検討を続けています。フォードとフォルクスワーゲンは、持続可能で手頃な価格のe-Mobilityへの移行を推進しているため、新たな 提携分野の模索は、両社にとって重要な戦略的優先事項となっています。
フォードとの合意は、フォルクスワーゲンの電動化戦略の土台となるもので、e-Mobilityの成長をサポ ートすることで、パリ協定における2050年の目標値を達成するための世界的な取り組みを促進するも のです。
商用バンとピックアップの共同開発は順調に進行中
フォードとフォルクスワーゲンは、世界の主要な市場におけるそれぞれの強みを活かすため、以前に 発表した商用バンと中型ピックアップの共同開発計画を順調に進めています。車両を共同開発することで、両社にとって、効率性が大幅に改善されます。
先日発表の通り、フォードは、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア太平洋、南アメリカのお客様向けに、 中型ピックアップトラックの開発・製造を行います。フォードとフォルクスワーゲン用に開発されるこの ピ ックアップトラックは、2022年より主要な市場に導入される予定です。
さらにフォードは、2022年以降、ヨーロッパ市場において販売されるより大型の商用バンを両社用に開発・製造する計画となっています。一方で、フォルクスワーゲンは、ヨーロッパおよびその他の一部の市場で両社が販売するためのシティバンの開発・製造を予定しています。
フォードとフォルクスワーゲンは、世界における商用バンとピックアップの事業において、競合の少ない 補完的なポジショニングを確立しています。フォードは「Transit(トランジット)」と「Ranger(レンジャー)」、 フォルクスワーゲンは「Transporter(トランスポーター)」、「Caddy(キャディ)」、「Amarok(アマロック)」 といった、世界的に人気の高い商用バンとピックアップ トラックのラインナップを擁しています。
両社は、今後5年間で中型ピックアップトラックと商用バンの需要が世界的に高まると予想しています。 これらの主要セグメントでの提携により、より優れた革新的テクノロジーを、より早くお客様にお届けできるようになり、工場の稼働率も向上します。
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